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歯科医療者に「論文読解力」が必要なのはなぜ?

当社としては珍しく(?)、歯科関係の新刊が登場!
タイトルは『ゼロからわかる歯科臨床論文を読み解く方法』です。
すでに3点が刊行されている東大・康永研最強シリーズの続編でもあり、
監修を康永秀生先生、著者として石丸美穂先生、大野幸子先生にご執筆頂いた1冊となっております。

本書の副題は
「Evidence-based dentistry の実践のために」なのですが、
なぜ歯科医療従事者に論文の読み解きが必要なのか
目的がズバリ、この一言に詰め込まれています。
もちろんEBMから派生した用語であり、
日本語にすれば「エビデンスに基づく歯科診療」となるでしょうか。

本書のはじめにでその点がもう少し詳しく説明されています。

歯科における最新のエビデンスを得るために論文を検索し,その内容を日常の歯科診療において個々の患者に役立てることが重要です。歯科医療従事者は,質の高いエビデンスに基づく臨床的意思決定を行い,効果的で効率的な治療につなげることが期待されます。

はじめにより

大学や各専門学校などで幅広い学習をされ、
臨床勤務が始まれば同僚や先輩にさまざまな指導も受けられることでしょう。
もちろんそれらは非常に重要で、覚えるべき事柄も多岐にわたるため
論文なんて読んでいるヒマなんてないよ…」というのが
多くの方々には現実ではないでしょうか。
それに輪をかけて、重要な論文はほとんどが英語で著されてもいますよね。

本書の優れているポイントは、
 ・(重要なエビデンスは最新・著名な英文論文に示されていることから)
  まずは歯科論文の世界とはどのようなものかを導入部で紹介
 ・二次情報(ガイドラインなど)の検索方法、
  さらには自分が求める情報が掲載された一次情報(原著論文など)を
  どのように探せばいいのか、非常にわかりやすく説明されている
 ・しっかりとした論文の理解には欠かせない、研究デザインや統計学の
  基礎的な知識もコンパクトに解説されている
といった点だと思われます。
(実際にご覧いただき、他にも活かせそうなポイントがございましたら
ぜひ教えてください!)

ページ数にして、わずか160!
この分量であまり英文論文になじみがないという方でも
自分が探したい論文にアクセスでき、
その論文がなぜ重要なのかを理解できるようになれるはずです!

「さらに深く論文・研究のことを知ってみたい!」となりましたら
姉妹書でもある
 『膨大な医学論文から最適な情報に最短でたどり着くテクニック』
 『統計手法のしくみを理解して医学論文を読めるようになる本』
 『医学論文、わからないのは統計だけ? 肝心要の研究デザインがわかる本』
もぜひご覧ください。

特に若手の歯科医、衛生士、技工士などのみなさまにとっては
これからの歯科医療を切り拓いていくうえで
重要な示唆がゴロゴロ転がっている1冊になるのではないでしょうか。
よろしくお願い申し上げます。

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