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ピンクダイヤモンド✨      高貴さは義務を強制する

ダイヤモンドは炭素原子から出来ています。
原子は規則正しく並んでいますが、

もしその配列に欠陥があったら.............。

例えば格子点が欠けていたり、格子間の隙間に不純物が入って窒素原子と置きかえられてたり。

こういう状態を「格子欠陥」と呼びます。

でもこの欠陥があるおかげで、
無色なダイヤモンドに色がつくことがあります。

ピンクダイヤモンドの産出で有名なアーガイル(オーストラリア)は、地中奥深くの熱や圧力が加わることで結晶構造に歪みが生じピンクになります。

また、

地中に存在する放射能を浴びて色が変わることもあります。つまり、結晶構造の欠陥が可視光線の低い電子状態になって可視光線の吸収が起こり、その結果、私たちの目に色がついているように見えるのです。

原子配列の欠如が彩りを作る。つまり、欠陥が魅力を産み出す……、あぁ、宝石の色の仕組みの中で私の好きな展開😝

でも、美しいピンクになる可能性はとてもとても低くピンクの原石の産出量は、
無色透明のダイヤモンドと比べると0.1 %
流通されてるピンクダイヤモンドは0.01%

と言われています。

その為、人工的にピンク色にさせられることも。
放射線を照射したり分子構造を変えて色を生じさせたり
高温高圧(HPHT)法などまたは、表面コーティング.....。

ダイヤモンドをピンクにしようとする人間の化学もすごいけど、地球の神秘を感じたいなら、人工処理されていない天然のピンクダイヤモンド。

✨✨✨

約3年前、ロンドンのハイエンドブランドが連なるニューボンドストリートにあるハリーウィンストンを訪問しました(事前に予約要)。

デザインも素敵で、なるべく小さめのをと控えめに見せて貰ったのは、

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彩度は最高級のFancy vivid
色の種類も上質なPurplish Pink

大きさは0.24カラット          

当時、世界中のハリーウィンストンが持っているピンクダイヤモンドの指輪27個のうちのひとつ。

そして、
その
とても
気になる
お値段ですが、

61,700ポンド(当時の為替で約920万円)

ここで購入すればイギリス国外在住者なので、
Tax freeで

51,416ポンド(約770万円)だそうでございます。

オーマイガッ!💀

このお値段、

ユニセフ計算すれば、
栄養治療食 18万8千650袋(1食あたり約40円)
ビタミンAなら770万個(ひとつ1円)に相当します。

770万円で、たった一つの小さなピンクダイヤモンドの輝きより何万人かの子供の笑顔を輝かせた方が良くないか?(購入出来ない言い訳を心の中で対極な発想に速攻転換する私😅)

でもそういう二者択一的な話ではなくて、

この指輪を購入できる層の人たちはノブレス・オブリージュの精神をお持ちのはず。

フランス語でnoblesse obligeは、「高貴さは義務を強制する」、お金持ちは責任を伴うと言う意味で、世界中のセレブリティがボランティア活動や多額の募金をすることを指します。

つまりハリーウィンストンの天然ピンクダイヤモンドを指先で楽しむなら、同じくらい世界の問題にも目を向けて欲しい。そういう方々に希少な地球の財産を身につけて貰いたいなと思いました。

ピンクダイヤモンドを見た帰り道、日暮れの早いロンドンのクリスマスイルミネーションとブランドの紙袋を持った観光客を見ながら、

結晶構造の欠陥でも作り出した美が希少であれば
多大なお金を産み出すもんなんだなー
と感心と唖然としながら帰路へ着きました。

おまけの追記✨
ハリーウィンストンの一番大きなピンクダイヤモンドの指輪、9.5カラットは26,107,900ポンド(38億円)!ドバイ支店で販売されていたから対象は石油王でしょうか。

(アーガイル鉱山は今年で閉鎖されるそうです。)

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