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【読書メモ】オニールの成長株発掘法(ウィリアム・J・オニール)

読書メモです。
チャートパターンが詳細に説明されていて、私はとても参考になりました。
参考になったら♡をお願いします。

代表的な株価パターン

株価が上昇するまえのもみ合い(ベース)を見つけることが大事で、いくつかの特徴的なチャートの形や特徴で判別できることが多い。

■Cup with Handle

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大体3か月から6か月ほどで形成される。
高値と安値の株価調整幅(カップの深さ)は12%~33%ほど。
カップの取っ手で高値が付いたときに買う

取っ手部分は1~2週間程度かけて形成される。ホールドする力の弱い投資家から上昇を見込んで購入する投資家へ株式が渡る期間であるため、右下に下落する形になる。
取っ手は、カップの上半分に形成され10週移動平均線よりも上に現れる。
下半分や10週移動平均線下に取っ手がある時は、株価上昇に失敗する傾向。

なお、取っ手の下落幅は強気相場で8~12%程度が相場。

■機関投資家による買い集めによる出来高変化

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底値が数日変化せず出来高が極端に減少していくのは機関投資家が株を大量に買い集めていることが原因であることが多い。
その後に株価の上昇を伴って平均の2~5倍に出来高が急増するのも、機関投資家が大きな買いを入れた結果であることが多い。

■ダブルボトム(W)型

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Cup of Handleの次によく現れるパターンになる。
「W」の2つ目の底が1つ目の底を1~2ポイント下回った後に反発し、Wの真ん中の高値が買いポイントとなる。
真ん中から2番底にかけてホールド力のない株主から強い株主へ株が渡っているので、出来高が極端に減少していき、買いポイントの上昇局面で出来高が増加してきている。

■平底型

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cup with handleやダブルボトムを抜けた後、株価が20%ほど上昇した局面で、2回目のベースとして現れることが多い。
少なくとも5~6週にわたって株価が収束しながら横ばいで推移し、10~15%の株価調整は横ばいとはみなさない。上昇の直前で出来高が増加する。
上昇初期の兆候を逃してしまった場合、最後の買いチャンスとなる。

CAN-SLIM|C(当期四半期のEPSと売上)

下部を買う時は、当四半期(最新の決算が発表された四半期)のEPSが前年同期比で大きな伸び率を示している銘柄を選ぶ。

EPSの増加率が5%~10%程度では株価を大きく押し上げる力が無く、25%~30%増加している銘柄に絞って探した方が良い

《当期四半期EPSの基準》
・当期四半期EPSが前年同期比で25%~50%増加(特別利益は無視)
・EPSが過去2四半期連続で大幅増加
・年間EPS成長が15%~20%だった企業が40%~50%に急上昇している
・直近の四半期に売上が少なくとも25%以上増加している
・2四半期でEPS増加率が減少し続けていない

CAN-SLIM|A(年間EPSの増加):大きく成長している銘柄

過去数年で着実に成功していて、直近で急成長し始めたという両方の条件がそろって大化けする銘柄が生まれる。
具体的には、年間EPSが過去3年連続で成長している銘柄を選ぶべき。

《年間EPSの基準》
過去3年連続で年間EPSが成長している
※PERが高くなりがちだけど、無視で良い。

CAN-SLIM|N(新興企業・新製品・新経営陣・新高値)

基本は「高く買って、さらに高く売る」が基本戦略となる。

ベースを抜けてブレイクするときな何らかの新たなきっかけ(Something new)があるが、特に新高値を追うと良い。

《株価の基準》
・出来高の増加を伴って新高値に近づいたり、新高値を取っている

CAN-SLIM|S(株式の需給):重要なポイントで株式の需要が高い

浮動株が少ないほど、株価は動きやすい。
このような会社は小型株である傾向があるが、そういった会社の方が経営のスピードも速いため株価のボラティリティが大きい。

公開市場で自社株価買いしている企業はEPSが増加していきやすいのでさらに良く、さらに言えば総資本に対しての負債の率が低い銘柄が良い銘柄。

《株式需給の基準》
小型株が好ましい
・公開市場で自社株買いしている企業が好ましい

CAN-SLIM|L(主導銘柄か停滞銘柄か)

ブランドでは無く、真の主動株を探すべき。
具体的には財務指標が業界内で上位2位~3位の銘柄に対象を絞るべきだ。
業界下位の共振株(おこぼれで業績が向上する会社)は買ってはいけない。

主導銘柄は市場全体の値上がりよりも上昇が早く急に起きている。
この判別はレラティブストレングス指数を見ていけばよい。具体的には、レラティブストリングスが80以上の銘柄に絞るべき。下落後に一番最初に戻ってきた銘柄が主導銘柄ともいえる。

《業界内選定の基準》
下落局面で異常な強さを見せている主導株を買う
レラティブストリングス80以上の銘柄に絞る
・買値から8%以上低下していれば、それは停滞株なので損切すべき

CAN-SLIM|I(機関投資家による保有)

必須条件ではないが、少なくとも小型株で機関投資家が20社はいたほうが良い。直近四半期で株主数が著しく増加しているとベスト。

《株主による基準》
平均以上の投資成績を残している機関投資家の少なくとも数社が保有
直近の四半期で機関投資家の数が増えた銘柄

CAN-SLIM|M(株式市場の方向)

この判断が一番重要。主要な平均株価の3~4を日足チャートで価格と出来高が日々どのように変化しているか観察し続けるべき。

■マーケットの天井の見抜き方

市場が天井の時に現金化を進めるべき。先導株が急激に値を下げ始めると、二度と同じ水準には復活しないこともある。市場に逆らっても何も良いことは無い。

天井の見方は、株価の上昇を伴わない出来高の増加だ。
機関などの売り抜けが発生していることを示唆し、このタイミングではまだ株価は上がり続ける。4週間~5週間で明確な売り抜けが4日~5日あると、ほぼ確実に市場全体が下落を始める。

■試しの上昇に騙されない

マーケットが天井を付けた後は、株価が弱弱しく上昇した後に下落に転じる。
・株価が3日目・4日目・5日目と上昇するのに出来高は前日より少ない
・平均株価の上げ幅が前日よりも少ない
・平均株価が前に付けた高値から直近の安値の値幅の半分も回復していない
などは上昇の試しが失敗しているサインなので、さらに株を売るべき。

■マーケットの底を見極める方法

試しの上昇が始まって4日目以降に、いずれかの主要な平均株価が出来高の増加を伴って上昇し続けるか観察する。

絶対に売って損切りすべき時

勝率が50%でも十分で、損切りさえ適切にできていれば資産を増やすことができる。実損と含み損であることに差は無い。すべての含み損は実損と同等に考えたほうが良い。

ベースから抜け出したばかりの適切なタイミングで株を買えた場合、そこから株価が8%下落することはほぼ無い。したがって、8%下落が続出した場合は、銘柄選定のミスか市場全体の下落の始まりを表している。

例外なく8%の下落で売却すべき

いつ売って利益を確定するか

大前提で、保有株数は、運用額が2,000万円で3株、1億円以上で多くても10銘柄に抑えたほうが良い。銘柄を分散することはリスクヘッジにならない。リスク回避したいのであれば逆指値管理をきつめにかけるべき。

その上で、これ以降も株価が上昇する局面で株を手放して利益確定すべき。

予想以上の高値圏に入ったら、徐々に持ち株は減らしていった方が良い。
逆に順調に値を上げている場合は、徐々に増し玉していくと良い。具体的には、ピボットポイントから5%までの値上げで徐々に買い足していくと良い。クライマックストップ前後の動き、出来高の減少などの目安で判断していくと良い。

■クライマックストップ前後の動き

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1日の上昇幅が最大:
ピボットポイント以降で上昇幅が最大になっている
1日の出来高が最大
上昇を始めて以降で最大の出来高
イグゾーズションギャップ
長い上昇(18週)の後にギャップで寄り付く
レールロードトラック
週足チャートで出来高・移動平均が並行に
売り抜けの兆候
出来高は変化してないのに上昇幅が少しだけ
株式分割
株式分割後1~2週間後に25%~50%上昇した
連続下落日の増加
2週間で上昇する日より下落する日の方が多い
上方チャネルライン
大幅上昇の後、2Q間の高値をつないだ線を抜ける
200日移動平均線
200日移動平均線から70%~100%以上株価が上昇
天井から下落
上昇中に売れなかったら、下落を始めたらすぐ売る

■出来高の減少や弱さを示す動き

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少ない出来高で新高値
大口投資家が少なくなったことを示す
終値が1日の最安値近辺
下矢印型のチャートになっている
三回目や四回目のベース
4回目のベースは80%の確率で失敗する
弱い上昇の兆候
出来高の減少・上値重い・連続上昇しなくなるなど
最高値からの下落
最高値からの下落が12%~15%を超えている
レラティブストレングス悪化
平均株価と同じような値幅・動きになる
孤立した銘柄
同じ業界で共振株が存在しない

■支持線のブレイク

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《必要条件》
1日の株価下落が最大:
上昇を始めて以来最大の株価下落を記録。
ただ、このシグナルだけでは売ってはダメ。
週間出来高が最多になって株価が下落:
数年間で最多の週間出来高を伴って株価が下落。
このシグナルだけでも他にもシグナルが出ている場合に利用。
10週移動平均線の下で停滞:
株価が長期にわたって上昇した後に10週移動平均線の下で引けて8週~9週にわたって平均線の上に戻ってこれない場合は売りを検討。
《十分条件》
長期の上昇トレンドラインのブレイク:
1週間の終わりに、数か月の期間で安値を3か所選んでつないだ線(トレンドライン)を下に抜けているか、大商いを伴って重要な支持線を株価が下にブレイク。
200日移動平均線が下向き:
200日移動平均線が上向きから下向きに変わったら売りを検討。
株が弱いベースを作ってベースの下半分で推移した後に新高値を付けたり、200日移動平均線の下で新高値を付けるようであれば、即売る。

■その他のプリンシプル
チャートでの例外やチャート外の事象も考慮したほうが良い。

ピボットポイントから1~3週で20%以上上昇はホールド:
普通は20%~30%で利確することが大事。ただし機関投資家が保有していてマーケットを主導している株が1週~3週の短期で20%以上上昇する時は、まだまだ保有しておいた方が良い。
弱気相場では信用取引を使わない:
弱気相場では現金保有を増やした方が良い。どうしても買う場合は、利食いは15%上昇した時に行い、損切りは3%下落に設定したほうが良い。
株価が上昇し良い報道や大きな宣伝が出たら警戒する
大口投資家が売るには大量の株式を吸収できる買い手が必要となるが、株価が上昇した後の報道や大きな宣伝の時に売りを考えやすくなる。
銘柄への期待が高まり継続上昇する時に売る:
既に買い場を逸しているので、売り場だと考える。きっと売却後に上がってしまうだろうが、次の成長株に投資したほうが良い。
四半期収益の増加率が2Q連続で減少したら売り:
株価は未来の価値を取り込むものなので、成長が鈍化したら売り。
悪い報道や噂では即売りとしない:
一時的な影響や財務へ影響を与えない情報が多く、時には力の無い個人投資家を振り落とすための情報であることすらある。

空売りについて

信用取引を使い時は、強気相場が始まって最初の2年。追証には応じるべきではない。その程度下落している株を持ち続ける必要はない。

空売りする場合は、以下の株価パターンの時にする。それ以外は難易度が高いし、マーケットの動きに逆らった場合はほぼ失敗する。

■ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップ

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ヘッド・アンド・ショルダーズ・トップとは、右肩が左肩よりも少し下がっている形。

《空売りするタイミング》
・右肩で3回目か4回目の戻りが終わりそうな時
・出来高が増加したのに株価は下落している
・出来高を伴って10週移動平均線の下へブレイク
・新安値を付ける前

■3回目か4回目のCup with Handleがブレイクアウトに失敗

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天井を付けた8か月後に暴落するタイミングがあるので、そこを狙う。
または値上がりを見込んで資金が集まったがブレイクアウト失敗で投資家が離れていくタイミングを狙う。

覚えるべきルールと指針(まとめ)

①安い株を買うな
15~300ドルで取引されているナスダック銘柄や20~300どれで取引されているNYSE銘柄を中心に買うべき。大化けする銘柄のほとんどは30ドル以上のベールから現れる。

②EPSが成長している銘柄を買う
年間EPSが毎年最低25%上昇していて翌年EPS見通しが25%以上増加しているような成長銘柄を買う。

③直近2~3四半期のEPSが大幅に上昇していることを確認
最低でも25%~30%の上昇が必要。強気相場では40%~500%上昇しているものを探すこと。(これは高いほど良い)

④直近の3Qの売上が上昇している
直近の3Qの売上増加率が毎期上昇しているか、直前の期で売上が25%以上で上昇している。

⑤ROEが17%以上の銘柄
一流の銘柄のROEは25%~50%のはず。これを高すぎると思わない。

⑥税引き後利益が上向き
最近の四半期の税引き後利益が上向きで、銘柄が記録した最高水準に近い。

⑧配当金やPERを基準としない
事業指標やEPSを基準に、業界の先導株を買うべき。

⑩トラフィックがある株を選ぶ
株式の規模は問わないが、1日の平均出来高が数十万株以上あるものを中心に選ぶことが好ましい。

⑪適切なベースと正確な買いポイントを見極める
通常の出来高よりも50%以上出来高が増えた日に適切なベースから始めてブレイクアウトした瞬間を狙う。

⑫増し玉とリスク管理
上昇したら慎重に増し玉し、ナンピンは絶対にしない。買値から7%~8%下落したら例外なく絶対に売る。

⑭機関の保有
直近の四半期に優秀な成績を出している投資信託2種程度が購入した銘柄であることを条件にする。さらに過去数四半期の間に機関投資家による保有が増えていることが好ましい。

⑮新しさがある
素晴らしくすぐれた新製品やサービスを持っていて、その売り上げが好調な企業を選ぶ。製品やサービスのTAMが大きいこと。

⑯マーケットが強気
マーケット全体が上昇トレンドで、小型株か大型株が好調な時期であること。

⑱企業の経営陣によって保有されている銘柄であること

㉒自社株買いがある
5%~10%以上自社株買いをしたと最近発表した企業に注目する。
その企業に新しい幹部が就任したか、経歴などを調べる。

㉓下落中は動かない
株価の底や下落中に買ってはいけない。ナンピン買いもしてはならない。

ーーーー
以上です。


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