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【読書メモ】ミネルヴィニの成長株投資法(マーク・ミネルヴィニ)

投資関係の読書ノートです。
重要だなと思った箇所を抜粋しています(要約ではない)
参考になったら「♡」をお願いします。

ちなみに同じ方の別の本が大変参考になったので、その読書ノートも貼っておきます。

初めに知っておくべきこと

並外れた結果が欲しいのならば、ファンドマネージャーのような投資はしないこと。
機関投資家は大規模に株を取引する必要があるため、浮動株が少ない会社には手を出しにくく、売り時も難しい。同時に、リスクを分散する職責があるため、まさにこれから上がろうとしている株の取引には消極的で実際の行動を起こすとしてもクイックな動きはできない。
しかし、個人投資家は今やほとんど情報の非対称性が無い中で、銘柄を厳選し機動的に動ける。ファンドに預けることやETFを超える利回りを得たいのであれば、少銘柄・スピーディーな投資を心がけたほうが良い。

トレーダーなのか投資家なのか、自分の立ち位置を決めるべき。
気迷い(いつ売るか・買うか)と後悔(もっとホールドすべきだった・買わなければよかった)は、自分の立ち位置が2者を行き来しているから生じる。立ち位置を定めて利益が出るかどうかでは無くて、プランがその通りに動いているか否かを気にするべき。

明確な買い場分析(Specific Entry Point Analysis)

Specific Entry Point Analysis(以下SEPA)は、次の特徴を利用して行う。

トレンド
急成長株は、株価に明らかな上昇トレンドがある時期に現れる。
ファンダメンタルズ
並外れたパフォーマンスの局面のほとんどは、売上・利益率・利益の改善によって動く。これらは急成長局面に入る前に起こるし、その改善は将来の予測として前もって示唆されている。
上昇のきっかけ
機関投資家の興味を引くレベルでのきっかけが常にある。
買い場
ほぼ全ての急成長株は、低リスクの買い場で華々しい上昇を捉える機会を少なくとも1度はくれる。
売り場
急成長株の特徴を満たす場合でも上昇しないことはあるし、売り場を失っては莫大な利益が出ていたとしても意味が無い。

急成長株には2つ共通する特徴がある。
若さ:通常、IPOしてから10年の間に急上昇局面が訪れる。
規模:小型株が急成長しやすい。時価総額と株式数が少ない候補を探す。

価値あるものは高い

会社の成長率がとても高い時、PERでの分析は役に立たない。史上最大級の上昇をした銘柄の多くは、最大の上昇をする前に利益の30~40倍で取引されていた。
むしろ、急成長株は高PERであることが多いから、高PER銘柄からターゲットを定めたほうが良い

重要なのは高PERを正当化できるだけの成長率が維持されるか否か
低PERがついている場合は株式市場での需要が少ないという意味に過ぎず、それを以って割安だと思わない方が良い。最終的に株式市場で需要が集まるのは何処か、という観点で考えるべき

崩れた先導株狙い症候群に注意すべきだ。
急成長をしている最中は買いたがらないが、急落をしたとたんに買った方が良いという錯覚に陥る。市場の判断は最も優れたファンダメンタルズであって、下がったことが良い株を示すことなどない

過去の急成長株のPERは、大幅上昇の初めと終わりを比較すると平均して100%~200%高くなった。
したがって、最初の買値と、将来の利益を予想して高くなったPERを当てはめれば将来の理論株価を算出できる
買値の時点でのPERから2倍から3倍になると売り場が近いサインと考えたほうが良い。

トレンドに沿ったトレード

株価は4つのステージをたどる。社の業績と、ステージの整合性が取れているかを見るために特徴を見ていく。

第1ステージ:底固め局面
このステージは、どの程度続くか分からない。市場全体の影響を受けている場合もあればファンダメンタルズがさえない場合もあるが、このステージにある銘柄はいかに魅力的に見えても買わない方が良い

特徴
・株価は上へも下へも持続した動きは見せない。
・200日移動平均線の近くで上下する。
・第4ステージで株価が数か月以上も下げた後に入ることが多い。
・出来高は減って、前の第4ステージと比べても少なくなる
次ステージへの転換の基準
1.株価が150日と200日の移動平均線を上回っている
2.150日移動平均線が200日移動平均線を上回っている
3.200日移動平均線が上向きになっている
4.高値と安値の切り上げが続いている
5.上昇のとき急増する出来高が、押し目の時には対照的に少ない
6.商いを伴って下落した週よりも商いを伴って上昇した週の方が多い

第2ステージ:上昇局面―機関投資家の買い集め
何がきっかけになるかは分からないが、ポジティブサプライズが原因で始めることが多い。ここで買うべき。しかし、始まりが見えた後に買えばよいので、第1ステージにあるうちに誤って買わないこと。

特徴
・株価は200日移動平均線を上回っている
・200日移動平均線自体も上昇トレンド
・株価は高値と安値を階段状に切り上げる(明らかな上昇トレンド)
・短期の移動平均線は長期の移動平均線を上回っている
・株価が大きく変動する日や週には出来高が急増し、通常の押し目の期間では出来高が減る
・平均以上の出来高の時には下落する日や週よりも上昇する日や週の方が大きい。

第3ステージ:天井圏―機関投資家の売り抜け
ポジティブサプライズが続いて業績予想は絶えず引き上げられてきたが、sる時点でその予想が高すぎて上回ることができない日が来る。株価はその動きを予想して、決算発表前に下げ始めるか、数四半期にわたって利益の伸びが低くなった後に上昇トレンドラインを下抜く。そのころには機関投資家はもういない。

特徴
・ボラティリティが高まる。全体的に株価は上昇しているが、動きは不規則になる。
・出来高を伴って大きく下にブレイクする。第2ステージ以降で最も大きな下げになることもある。
・株価は200日移動平均線を数回上下している。
・200日移動平均線は上方への勢いを失って横向きになる。

第4ステージ:下落局面―投げ売り
決算見込みの下方修正や格下げなどのネガティブサプライズをきっかけに、第2ステージと真逆の動きをし始める。

特徴
・株価は200日移動平均線を下回っている。
・200日移動平均線が下降トレンドにある。
・株価は52週最安値を付けているか、そこに近い
・安値と高値の切り下げが階段状に続いている
・短期の移動平均線は長期の移動平均線を下回っている
・大きく下落する時に出来高が急増するし、下落の日や週に平均以上の出来高が出る

したがって、第2ステージで買って売り抜けることが大事。

確実に第2ステージにあるとみなすためには、8つの基準を満たす必要がある。

トレンドテンプレート①現在の株価が150日と200日の移動平均線を上回っている。
②150日移動平均線は200日移動平均線を上回っている。
③200日移動平均線は少なくとも1か月上昇トレンドにある。
④50日移動平均線は150日・200日移動平均線を上回っている。
⑤現在の株価は50日移動平均線を上回っている。
⑥現在の株価は52週安値よりも少なくとも30%以上高い。
⑦現在の株価は52週高値から少なくとも25%以内にある。
⑧レラティブストレングスのランキングは70以上

第2ステージのなかで、踊り場(ベース)が何度かある。通常は3~5のベースが形成されることが多く、3ベース目までが買い場となることが多い

最安値で買うことは狙う必要が無く、値動きで仮説が正しいことを確認した後に買うべきだ。センチメントが急変する理由が無いと思っていても、値動きが先行して起きることが多いので、耳より目を信用すること

カテゴリー、業種、上昇のきっかけ

会社は大きく6つ(先導株・大手ライバル企業・機関投資家好み・業績回復・循環・かつての先導株と出遅れ株)に分類できる。

①先導株
最も投資対効果が高い銘柄群。成長が早すぎるので、ウォール街が正確に評価できず効率的な評価もできない。コンセンサス予想を上回り続けることで一見すると高値に見える株価も許容され続ける。
特定業界で圧倒的首位の会社や、多店舗展開に成功している会社は比較的見つけやすい。

②大手ライバル企業
首位の入れ替えがある際は大きなチャンスになり得る。そのため、業界のトップ2~3社の株は追いかけたほうが良い。
首位の入れ替えがあるときは、トップと2位以下の企業の株価は正反対の動きになる。

③機関投資家好みの銘柄
利益成長が10%前半程度で、倒産可能性が低い。いわゆる優良株であるが、株価が急上昇することはほぼない。

④業績回復銘柄
窮地に陥った企業の回復も大きなチャンス。直近2~3四半期の決算が極めてよく、直近12か月のEPSが過去最高に近い水準であるべきだ。
株価が十分に上がっていて、ファンダメンタルズが強くなっている両方を満たすことが必要条件で、直近の2~3四半期に利益が100%以上伸びていて過去の増益率と比べて劇的に良くなっていることが十分条件だ。

⑤循環株
景気や商品市況に敏感な株で、自動車・鉄鋼・製紙・化学などが代表的。

循環株が底入りする時
1.利益が増えている。
2.配当が減らされるか、無配になることがある。
3.PERは高い
4.ニュースは通常悪い
循環株が天井をつけるころ
1.利益が増えている
2.配当がふやされる
3.PERは低い
4.ニュースは通常、良い

⑥出遅れ株
業界の先導株と同じような動き方をするが、ファンダメンタルズが劣る(したがってPERが低く割安に見える)。

相場全体をリードするのも特定の業界であるが、その業界が注目される前に個別銘柄が伸び始めることが多い。そのため、トレンドテンプレートに合致する銘柄をウォッチすることが最善策となる。

注目すべきファンダメンタルズ

株価を動かすのは予想とサプライズ
株価は予想で動くが、現実になるまでに株価へ予想が織り込まれるので、予想が現実化した時点で株は売られる。

サプライズは、アナリストのコンセンサス予想に比べての上振れ。大口の買い手などは決算発表後しばらくしないと動けないので、即日乗ろうとしなくても良い。
アナリスト予想の修正もポジティブサプライズで、利益予想が5%以上の修正で株価のパフォーマンスは平均を上回る。決算発表の30日前に上昇修正される傾向があるので、そんな銘柄は買って決算発表前に売り抜けるべき。

先導株を追え

強気相場の大きな利益のほとんどは相場の早い段階、最初の12か月から18か月に得られる。その機会を逃さないためには、相場を作る先導株を追う必要がある。

重要な底からの最初の上昇局面では買い場の無い上昇が特徴的に表れる。
弱気相場で下落した後、主要な株価指数が極端な買われすぎの指標も無視して上昇し、先導株が増えていれば、それは相場が強いということだ。
したがって、押し目買いを待っていても基本株価は下がってこないので、買ってしまった方が良い。
この時、損切りを逆指値で入れておくことと、再突入の条件を定めておくことが重要。計画外の値動きがあっても、持ち続けておく必要はない。

先導株は、セクター全体の動きとは独立した動きをしていることが多い。いち早く株価は上昇トレンドに入り、セクター全体に人気が集まるころには、先導株は劇的に上昇している。
したがって、市場全般が下降トレンドにあるときに、新たにポジティブな展開があり、EPSが高い銘柄の動きを慎重に調べることが大事

百聞は一見にしかず

チャートは非常に強力な武器になるし、まず見るべきものだ。

トレンドテンプレートを見ていき、機関投資家の買いに支えられている第2ステージの銘柄を探す。そして、それは最初に買う必要は無く、買いが入り始めた後の突入でも遅くはない。

次に買い時を探すために横ばいを探す。チャートで横ばいになっている場所を見つけ、ボラティリティが収斂していく箇所を探す。ボラティリティの収斂とは、株価が第2ステージの中で横ばいになりながら出来高が減っていく状況のことだ。収斂した後にブレイクアウトを起こす。
ボラティリティの上下は2回~6回発生するが、出来高が極端に減ったらそこが買い時だ。

ブレイクアウトが起こっても、反落が起きてスクワットが起きることがある。これがだましのブレイクアウトなのか本物なのかを見極めるためには、20日移動平均線を割っていないことと2~3日の間に持ち直すことの両方が起きるかを見る必要がある。

まとめると以下のチャートのような取引になる。

知っている銘柄というだけで買うな

IPO株は、急上昇が一服した第一ベースで買う。
会社が成長するのは最初の5年から10年であるため、この時期での成長はファンダメンタルズの裏付けを持つことも多い。ベースが信頼するものであるかは、それが少なくとも3週~5週続いて25%~35%以上の調整をしていないことが条件となる。

リスク管理

株価が買値から50%下がった時、同じ利益を取り戻すには倍の上昇率が必要となる。そのため、損失を小さく留めることが何よりも大事
損失は10%を限度とすべきで、平均損失率は6%~7%には抑えたい。

勝率が50%を超えているのであれば、相当優秀なトレーダーだ。損失を小さく抑える方法論を適応していれば、それだけでとてつもない利益を上げることができる。

ホールドしている株が下げた時、また上がるだろうと思うのであれば持ち続けるのではなくて一回損切りすべきだ。上がり始めた時に買いなおせばよいのだから。

以上です。

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