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藤子・F・不二雄『大長編ドラえもんvol.12 のび太と雲の王国』

劇場版『ドラえもん』の原作として藤子・F・不二雄が執筆した12作目。
雲の上に暮らす天上人たちは、地上人による環境破壊によって住む場所を脅かされていた。
報復として大洪水を起こし地上文明を滅ぼそうとする天上人とドラえもん一行との攻防を描く。

しかたがないじゃないの!!
このままじゃ地球は空も陸も海も、ボロボロに汚され、破壊され…。
あたしたち天上人も絶滅するしかないのよ!!

(本書p.138)

雑記

子供の頃、家族の前で感動して泣くことは恥ずかしいと思っていた。

親も家の中で涙する素振りを見せたことがなかったし、自分もドラマを見て泣きそうになっても「泣いてませんよ」みたいな顔をしながら、いかに自然に目尻を拭うかを考えていた気がする。

本作の映画版をテレビで観たときもそうだった。

町がまるごと流されてしまう大洪水の場面の恐ろしさ、天上人には天上人の言い分があるというやるせなさ、身を徹して地上文明を守ろうとするドラえもんの姿。

このあいだ、朝起きてソファに座りながらこれを読んで、やはり泣き、正直に『ドラえもん読んで泣いちゃった』と妻に報告した。

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