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コロナで打撃を受けた飲食店やホテル集客のための動画アプリ「trevary(トレバリ)」にかける想いとトラベル領域における3つのニュースタンダード

こんにちは!ここ最近はブログがほとんど更新できておらず、何に取り組んでいるか全くアップデートができていなかったのですが、そろそろタイミングが来たと判断し筆をとることにしました(久しぶりだと腰が重くなりますね...何事も継続大事)。

移動の制限はありますが段階的に自粛解除も進み、いつも通り外出ができるようになりつつある一方、顔を見上げるとウイルスと共存していかなければいけない世の中に様変わりしてしまいました。何度も耳にしたフレーズだと思いますが、あらゆる産業においてこれまでとは違った動き方が求められています。

特に今回のコロナショックで影響が大きかったのは旅行業界、飲食業界といえるでしょう。人の移動/外出が制限され、3密がタブーとされている状態(この”3密”と”ソーシャルディスタンス”という言葉の威力たるや)。イベント業界と共に非常に大きな痛手を負っているというのは連日のニュースで多くの人が知るところです。

僕たちもまさにこの2年間、「移動距離を増やす」をコンセプトにしたプロダクトを作り続けていたので、この自粛要請は事業の成長において大きな障壁となりました。

しかし、人々のストレス発散の向かう先として、急速な復活が期待できるのも旅行業界、飲食業界にほかなりません。これまで取り組んできたプロダクトはこのような新しい世の中、そしてV字回復に向かうタイミングだからこそ大きな価値を発揮できると考えています。人にはデジタル上の体験だけではなく、現場での五感を伴うリアルな体験が必ず必要です。

前置きが長くなりましたがまず前半では、これまで開発やマーケティングを進めてきた「trevary(トレバリ)」についてご紹介させてください。

グルメVlogアプリtrevary(トレバリ)とは

トレバリとは、Instagramを使って飲食店を探している女性向けの、お店選びの失敗を解決するアプリです。


地図からお店探しが動画でできるだけでなく、その動画を通してコミュニケーションできる動画SNSとなっています。6月22日時点では投稿されている動画数は約18,000件、ダウンロード数は22,000ダウンロードとなっており、約14万フォロワーの自社Instagramを中心にユーザーを増やしてきました。

沖縄全国韓国台湾とアカウントがあり、こちら最もフォロワーが多いのが8万フォロワーの沖縄版です。

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トレバリのアプリを例えると場所の動画しかアップできないYouTube、または動画版トリップアドバイザーといったところでしょうか。

Instagramに熱量高いコミュニティが存在していることから、コンテンツとしてはカフェの動画がメインになっています。

まずはユースケースを明確にするためカフェ探しのためのアプリとし、これまで対象ユーザーに絞ってマーケティングしていました(様々な動画が投稿されてしまうと何のためのアプリかわからなくなってしまうので、意図的にカフェ系インスタグラマー以外へのアプローチを避けるためステルスでやってきました)。

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そのかいあって今では全国にアンバサダーさんが500名ほどいる体制になっており、トレバリに積極的に関与してくれるコミュニティが生まれています。好意的な口コミも増えてきており、これからのプロダクトマーケットフィットに向けて改善を進めているところです。

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日本はもちろん、韓国や台湾を中心に世界中のカフェ動画は十分に集まっていることからよりネットワーク効果を加速させていくために、今後は飲食全般、さらにはホテルの動画も増やしていく予定です。ちなみに大まかな事業モデルとしては以下を志向しています。


おでかけ前の事前リサーチはもちろん、移動しながらのお店探し、その後の動画のシェアという、いわゆるタビマエ、タビナカ、タビアトという領域を動画で抑えるべくユーザー規模を増やしています。

なぜトレバリを作ったのか?

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2016年から沖縄を拠点にしているのですが、事前に調べて行くお店が高い確立で臨時休業しており、いつも憤りを感じていたというのがキッカケとしてあります(沖縄という土地柄も少なからずあると思いますが...笑)。

「貴重な休日に時間をかけて目的のカフェに来たのに閉まっている、、、近くにいいところあるかな」という状況に何度も陥っており、GooleMapや食べログなど他サービスではなかなかその状況でフィットする解決策になっていなかったというのも理由としてあります(それから必ず事前に電話確認するようになりました..)。

また友人らのInstagramのストーリーでも飲食店での投稿が多く、それを見て飲食店に足を運ぶことが頻繁にあったため日頃の課題と行動パターンを組み合わせたアイデアとしてスタートしました。

これまで飲食店やホテルを選ぶ際は写真とテキスト(レビューなど)から情報を得て判断する、というのが普通でした。しかしそれだと実際に足を運んで思っていたのと違った、というのもあるでしょう。

今後はまず動画をみて雰囲気や直感で自分に合っているか判断した後に、テキストをみて最終決定するだろうという仮設のもと今は飲食店の動画を増やしていますが、目標は世界中のあらゆるスポット動画を集めることです。

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動画により、その場所での疑似体験レベルが上がれば上がるほど人はそれを五感で体験しに行きたくなるだろうという仮設です(こちらについて後述します)。

ミッションとしては「移動距離を増やす」を掲げており、トレバリをキッカケとした移動というアウトプットで体験機会を増やし、そこからのインプットを得ることでより大きな可能性を得て欲しいという想いがあります。「移動距離とアイデアは比例する」という言葉があるのですが、まさにこのフレーズを体現するプロダクトを目指しています。

順調にユーザーも増え、検索など実用的な機能も揃い、カフェ以外の領域にも展開するため、やっとオープンにしてマーケティングしていこうと思った矢先の今回のコロナショックです....!!😭

3月までは影響を感じず順調に伸びていたのですが、4月からの非常事態宣言後は飲食店の休業に伴い投稿数などKPIはガタ落ち...なかなか厳しい状況でした。

しかしその辛い状況はこれまで関係性を作ってきた全国の飲食店さんも同じ。自粛解除の際にはInstagramを中心に全国500名のアンバサダーさんたちとその集客のサポートをしていく責務があると考え、トレバリのInstagramでタグ付けを頂ければ、その飲食店動画を必ずシェアする集客応援キャンペーンなどを展開していきます。

これは短期的な集客支援ですが、あくまでもトレバリが狙うメインマーケットは食を含むトラベル市場であり、その分野での今後の在り方にトレバリは必要とされるものにしていくべく動いていきます。

Instagramで映える写真を見て海外旅行やイベントに行く、その行動パターンがゼロになるわけではありませんが、相対的にしばらくは減っていくことはまちがいないでしょう(個人的にはその行動が理想なので少し悲しい気持ちです..)。

では人々は何に価値を見出し、どう動くのか?その問いに答えるべく今後のグルメ、トラベル領域における新しい行動パターン、ニュースタンダードについて3つにまとめてみました。

グルメとトラベル領域3つのニュースタンダード

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価値観のアップデートが求められる世の中、巨大マーケットであるグルメ、トラベル業界にて、人々の行動パターンのニュースタンダードが見えつつあると感じています。

初期から参画していたBASEを2016年に退職したのに合わせ東京から沖縄に身を移し、観光に関わる方々、そしてホテルや商業施設の方々と対話を重ねてきました。そしてトレバリを通した全国の飲食店、そして13万フォロワーの方々とのコミュニケーションという蓄積があります。

沖縄における観光従事者のインサイダーの方々、そしてInstagramの運用にリソースを費やしてきた中で見えてきた、新しい移動の在り方について3つご紹介します。

1.情緒的な”映える”から有益的な”リアル”へ

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コロナショック以前から、動画市場の興隆もあり”映え”から”リアル”へと叫ばれてきましたが、よりその流れは加速し、切実な意味をもってリアルな情報が求められるでしょう。

これから向かうお店は座席間隔は2m以上保たれているのか、ちゃんと換気されている空間なのか、ホテルのロビーや朝食会場は混雑していないか、など3密とソーシャルディスタンスを回避できているというエビデンスを伝える必要が飲食、ホテルには求められるようになります。

これまでこだわりやお店の魅力を伝えることが、オンラインでの情報発信のスタンダードでしたが、その在り方が大きく変わることでしょう。過去にもこんな記事を書きましたが、この時よりも”有益情報”の意味が深刻化したといえ、その情報がないと命にすらかかわる世の中になってきました。

ウイルスへの対策施策自体が当たり前の価値になり、お客様に選ばれる理由となるのです。星野リゾートでは浴場やレストランが混雑していないかリアルタイムでわかるシステムの導入を急いでいるといいます。VACANというサービスもすごいいいですよね。

そのためのわかりやすい発信方法として、動画ほど適しているものはないでしょう。安心してお客様にお越し頂くためにも、お店側はどのような対策をしているのか一目瞭然で伝える必要があります。

2.リアルトリップからバーチャルトリップへ

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少なくともこれから約1年ほどはこれまでのように、気軽に海外旅行に行くことは難しくなるのではないでしょうか。しかし新しいものを見聞したい欲はなくなりません。そこで今後スタンダードになってくるのが、バーチャルトリップという概念です。

つまり、旅行の疑似体験ということになるのですが、実際に足を運べない分、動画を通して各地の魅力を楽しむ行為がより一般化するかもしれません。

この1,2週間だけをみてもこのような事例が多数ありました。ホテルの様子を動画で配信してその場の雰囲気を楽しんもらうなど、動画を通して自宅からでもその場所の魅力を感じてもらうための取り組み各事業者、自治体が力を入れて行っています。

その中でもH.I.Sが行っているこちらの取り組みは注目すべき事例だと思います。

これまで行っていたツアーを完全にリアルタイムでのオンラインに置き換えようとする実験であり、グランドキャニオンツアー、酒蔵ツアー、登山鉄道ツアーなど世界中のツアーコンダクターやゲストによるzoomを通したバーチャルツアーやセミナーを展開しています。

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また、少し毛色は代わりますが世界中に3.5億人のプレイヤーがいるFortniteではアーティストのパフォーマンスを、ゲーム上でリアルタイムでプレイヤー同士で楽しめる展開もここ最近立て続けに展開しています。


上記動画のトラビス・スコットのパフォーマンスは、なんと1,200万人もの人々がバーチャル上で楽しんだそうです。オフラインでのイベントでは考えられない規模感ですが、バーチャルイベントでは実現可能な数字なのです。

今後バーチャルトリップが普及するとなると、リアルな旅行はより相対的により価値が上がることが考えられます。一般の人々はバーチャル上でしか体験できないことを、富裕層だけは実際に現地に足を運んで五感で体験できるというVIP体験。

ホテルやレストランの貸し切り、さらにはフェスの貸し切りなんていう事例もでてくるのではないでしょうか。VIP層は体験にお金を惜しみません。

バーチャルトリップの概念が浸透することで、現地で体験することの価値が大きく見直されると考えます。当たり前ですがリアルの価値は決してバーチャルで代替できるものではないので。

バーチャルトリップが普及することで、これまで普通だった体験がラグジュアリーなものになってしまう時代が訪れようとしています。

また、短期的にバーチャルトリップが普及することは、中長期的に旅行する人が増えていくことに繋がると考えています。トレバリをスタートしたときからもっている仮説として、前述の通り「擬似体験レベルが上がるほど、人はリアルを体験したくなる」という考え方があります。

ビフォアーコロナの数字ですが、世の中ではこのようなトレンドも見てとれました。

1.世界的にライブやフェスの動員が増えている
→YouTubeによって誰でもイベント動画を見ることができるようになったから ※国内ライブエンタメ市場5151億円 会場不足を乗り越え過去最高に

2.食べログでの予約件数が増えている
→口コミサイトの情報を読みこむことで、どんな体験ができるのかを具体的にイメージできるようになったから ※カカクコム、増収増益 「食べログ」予約数が大幅伸び

3.旅行人口が増えている
→SNSの普及で友人からの口コミを伴う観光地やホテルの情報(写真や動画)を多く目にすることになったから(LCCやOTAの普及も大きな要因としてあげられると思います)※オンライン旅行市場2017、10.5%増の57兆円、2020年にかけ2ケタ成長続き、アジア太平洋市場がシェア最大に

つまり、どんな体験ができるか擬似的にでも理解すればするほど実際に身体で体験したくなるのが人の性だと考えています。

現場へ確認作業をしにいく、という表現をよく使いますが、バーチャル上で理解するのとオフラインで体験するのは全く別の次元の話であり、知れば知るほど人は五感でもそれを求める生き物であるという確信があります。

少し長くなりましたが、没入感のある縦型動画で飲食店やホテルの動画を楽しむことができるトレバリではこのバーチャルトリップの領域で存在感を出せると考えています。

3.非日常から異日常へ

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これまでの非日常を求めた「旅行」というダイナミックな存在価値は見直され、身近な地域の魅力を体験することに価値を置くマイクロツーリズムが普及するでしょう。

マイクロツーリズムをもう少し具体的な例でいうと、同じ都道府県内の旅行が上げられます。たとえば今僕は沖縄西南部の那覇を拠点としていますが、週末には北部の名護市に行ったり、橋で渡っていける東側の島で一泊するなどのイメージです。

SNSやLCCが普及し、海外の「非日常」の情報が簡単に手に入り、手軽に行けるビフォアーコロナ時代でしたが、このタイミングで近場だけども少し違った「異日常」を再発見するという旅行の在り方がスタンダードになるでしょう。

星野リゾート代表の星野さんもマイクロツーリズムのメリットについて以下のように提言しています。

1つ目は今までも「マイクロツーリズム」のお客様はそこそこいらっしゃったので需要がしっかりある。

2つ目は県をまたいで長距離の旅行をするわけではないので、(ウイルスの)拡散につながらない。

3つ目は私たちの観光人材の雇用を維持できる。

最後に4つ目は、今まで私たちは首都圏や大阪圏、そしてインバウンド...中国、ヨーロッパ、アメリカと遠いところをターゲットにしてきたのですけれど、この機会に地元の方々にもう一度地域の魅力を再発見していただくことがすごく大事だと思います。

日本の旅行市場の約26兆円のうち、約20.5兆円はもともと国内旅行のマーケットであり、今ゼロになっているインバウンドはそのうちたったの約4.5兆円に過ぎません(成長率が圧倒的に高かったのが注目されていた理由です)。

インバウンドで落ちるお金が無くなたとしても、海外の旅行者と同様に私たちも国外にはしばらくいけないので、その分身近な場所を楽しめばいいのです。

地方の人々が地方を旅する、しばらく旅行市場においてはそれがニュースタンダードとなりクールな旅の在り方になるのではないでしょうか。

海外、国内関わらず旅行おける大きなイベントの一つが「食」です。日本中のグルメ動画が地図上に投稿されているトレバリはその領域で価値を発揮できると考えます。

地方の魅力的な飲食店やホテルを、アフターコロナ時代に繋げていくために

今、コロナの影響で日本中の素敵な店舗が危機に陥っています。トレバリで投稿されている17,000動画のほとんどがスモールビジネスオーナーによるカフェということもあり、辛い対応ですが動画の整理が必要になるでしょう...。

Instagramでは13万以上のフォロワーがいて、集客においては一定の影響力はあり、なんとか助けになろうと全国版沖縄版の2アカウントにて毎日2回の店舗紹介をこれまで1日も欠かさず行っています。DMでの紹介依頼もこれまでの5倍以上届くようになりました..

テイクアウトやデリバリーを対応したお店も多いですが、話しを聞いているとその売上は焼け石に水状態であり、通常売上の数割ほどに留まるお店がほとんどです。

一番の支援は自粛が解かれた今、(3密を避けながら)お店に足を運ぶことなのです。そこでトレバリでは今後しばらくの期間、アプリに投稿された店舗の動画を公式Instagramのストーリーでシェアしてしていくことで(投稿あたり平均1万人以上にはリーチ)、店舗の営業再開の告知やお店ごとの新しい取り組みやメニューなどの発信のお手伝いしていく予定です。

カフェだけではなくこれからグルメ全般に拡げて動画を増やしていきますので、この記事をご覧になって頂いた方はぜひアプリを使ってみていただけると嬉しいです(Androidユーザーのみなさま申し訳ございません。ただいま鋭意開発中です😭)

また、日本のデベロッパーでは初となる、iPhoneの内カメラ外カメラで同時に動画を撮影できるインアウトカメラ同時撮影機能もリリースしたばかりです(iPhone11,11pro,Xs,Xs MAX,XRの機種のみ対応しています)。

iOS 13からはじめて実装可能になった機能で、料理を食べている自撮り映像と同時に店内や同席している人を動画に収めることができます。これまでにないクリエイティブな動画が撮影できるのでぜひ試してみてください📱

まずグルメvlogアプリとしてのポジショニングを確立したのち、ホテル動画も増やしていきます。ユーザーのvlogを通してお店やホテルの魅力を知ることができ、予約が完了できる仕組みを実現していきます。

これからの回復のためのにマーケティングに力を入れていきたい飲食店とホテルを、アプリとInstagramにおける影響力を使ってサポートしていきたいと思います。ぜひお知り合いに関係者がおりましたら、ぜひトレバリのことをご紹介いただけると嬉しいです。

自粛後は損失分を回収する必要もある一方 座席数を減らす必要もあり、これまで以上に大変な営業が求められると思います。どうにか足を運んでもらうキッカケ作りをしていければと思いますので、ぜひトレバリを使ってみてください。


※実は今後しばらくは外出自粛が続くという最悪の選択肢に備えて、別軸のプロダクトも仕込んでいます。amplyというオンライイベントをかんたんに収益化できるサービスです。ご興味がある方はこちらから事前登録をお願いします。

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