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MILGRAM 第一審/看守・エスについて 考察
こんにちは。桜小路いをりです。
今回は、楽曲プロジェクト「MILGRAM」で、視聴者の依代となっている存在・エスについて考察をしていきます。
もっぱら、「エス」という名前の意味について2つの面から考えていくことになりそうです。
最後に私の突飛な妄想も書いていきますので、ぜひお付き合いください。
1、south
「エス」と聞いて私が最初に思いついたのは、「S極」でした。
「south」、つまり「南」です。
「南の方位って何か意味があるのかな」と調べたところ、色んな風水や占いが出てきたのですが、今回はいちばん気になった「四大天使」に触れて考察していきます。
「四大天使」とは、天使の中でも位の高い大天使の中でも、最高峰に偉大な大天使の方々のこと。
四体の大天使の方々に、それぞれ4つの方位と4元素が当てられています。
「南」の方位が当てられているのは、大天使ミカエルです。ミカエルについての記述を引用してみます。
こちらのサイトです。
→四大天使とは?名前・意味・役割を異なる軸で見ていこう! | 世界雑学ノート (world-note.com)
全ての聖天使を率いるミカエルは、しばしば悪と戦って神の真実を示し、人々の信仰を強化する役割を担っています。
「悪と戦って神の真実を示す」という言葉に、「MILGRAM」のシステムを思い出してしまいます。
「MILGRAM」の中で、エスがこのような存在であることは間違いありません。
エスの、すなわち視聴者の審判が、囚人たちに影響を及ぼす。
そのジャッジは、「真実」になる。
エスは、確かにミカエルのような「神に似たる者」だと思います。
勇気や正義を代表しており、人々の中にそういった心を植え付けて育むことが一つの役割
ミカエルに関するこの記述を読んだとき、少しドキッとしました。
私自身、「この囚人のジャッジはこうかな」と心で思っても、実際の多数決のジャッジがそれと反対になっているのを見た時、考えがぐらついたことがあったからです。(私が「MILGRAM」を知ったのは第一審終了後だったので、投票には参加していません)
もし、「MILGRAM」のシステム通り、多数決で投票の多い方が「正義」になるのであれば。
「MILGRAM」で審判を下す視聴者の全員がエスになるのであれば。
その多数派は、「人(自分以外の誰か)の心に正義(多数派)の心を植え付ける存在」になるのではないでしょうか。
2、es
「エス」であれこれ検索をかけて出てきた中で、いちばん引っかかったのが、人間の精神機能を表すものでした。(看守エスの名前の綴りも「ES」なので、余計に気になりました。)
ここでの「エス」とは……ちょっと難しいので、サイトをそのまま引用します。
こちらのサイトです。
→エス | 看護師の用語辞典 | 看護roo![カンゴルー] (kango-roo.com)
精神分析学者のフロイトは、人間の精神機能を説明するために、「エス」「自我」「超自我」の3つに分けて、人間の精神はこれら3つの相互作用の結果であると捉えた。
人間が生まれたとき、その心的領域はすべて「エス」が独占している。しかし、誕生後の経験の中で、「エス」の一領域にその変形として「自我」が形成されていく、というのがフロイトの主要論理である。
要するに、赤ちゃんの真っ新な心の状態のこと、というまとめ方でいいのかな……。
これは、エスに記憶がないことに関係しているのではないかと思います。
エスは自分が何者なのか一切覚えておらず、自分の名前も性別も分かりません。
それって、ちょっと「生まれた直後」の状態に似ているのではないでしょうか。
家庭科の教科書で読んだことを思い出しつつネットで調べたのですが、新生児が持っている感情は「興奮」のみ。その後、そこに「快」「不快」が生まれ、さらに「怒り」「恐怖」などが生まれるそうです。
そして、「共感」は2歳頃に芽生えるとか。
この精神機能を表す「エス」という言葉が看守エスの名前の由来だとしたら……。
「MILGRAM」では、論理的な思考ではなく、単純な「快」「不快」でジャッジをしろ、というメッセージにも取ることができます。(本当にそれだけで判断したら、全員「赦さない」になりそうで恐ろしいですね……。)
以前、ジャッカロープは、「MILGRAM」の解説で、囚人を赦すか赦さないかのジャッジは「好き嫌いでもいい」なんて冗談っぽく言っていました。
それは、あながち嘘でもないのかもしれません。
3、看守エス、AI説
突拍子もない妄想なのは分かっていますが、ここに至るまでの過程を少しだけ書かせてください。
まずは、エスのキャラクター紹介の文章から。
特に己の出自に疑問も意思も持っておらず、ジャッカロープから聞かされるままに、日々看守としての役割を全うしている。
この「出自に疑問を持っていない」「意思を持っていない」という2点。
私は、明らかに異質だな、と感じました。
そして、「アンダーカバー」での、各囚人の犯行のシーンの描写。被害者は、エスが代理になってその役をやっています。
しかし、エスが生身の人間だとしたら、あくまで回想の中のイラストとはいえ、被害者の代理になんて使うかな……と私は考えました。
また、性別が不明、というところから、ふと「性別がないものってあるかな」と想像を巡らせてみたり……。
その間に色んな作品との出会いもあり、最終的に行き着いたのが「エスはAIなのでは?」という妄想もとい考察です。
しかも、「2」で考察したこともプラスするならば、エスは「共感」などの感情を持っていない状態なのではないでしょうか。
「共感」や「同情」などで自分の判断を曲げず、淡々と審判を下す。エスは、そんな存在を期待して作られた「審判を下すことに特化したAI」。
そうすると、ジャッカロープが、「MILGRAM」のシステムが何度も使われていることを匂わせていたことにも合点がいきます。
これまでのAIは壊れてしまったか、制御不能になったか。なんらかの不具合が生じて使われなくなった。
あるいは、囚人を集めるところまでは同じでも、毎回、看守の条件を微妙に変えているのかもしれません。(持っている感情の数や「自分が何者か」という自覚などなど)
そこまで考えると「エス」って単純にアルファベットの「S」なのでは? とも考えられます。作られた看守のAIを「A」から順番にアルファベットに当てはめていった、という説です。
「MILGRAM」が19回も開かれているわけではないと思うので、試作も含めた看守のAIの、19体目なのではないでしょうか。
また、「MILGRAM」のCDでは、カップリング曲として、各キャラクターがDECO*27さんの楽曲をカバーしています。(私はお財布的な事情で全部聴けていないのですが……。)
エスがカバーしているのは、「ヒバナ」です。
これを知ったとき、私の頭が真っ先に再生したのが、この歌詞でした。
未完成だって何度でも言うんだ
「MILGRAM」というシステムも、未完成。
「看守エス」も未完成。
そんなふうにも捉えられるのではないでしょうか。
まとめ
最後はすいぶん飛躍した話になってしまいましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。
エスも、まだまだ謎が多い存在。今後、少しずつその事実が明らかにされていくと思いますので、今からとても楽しみです。
ちなみに、私はエスの男女どちらとも言えない歌声が好きなので、エスのカバーもすごく楽しみにしています。個人的に早く聴いてみたいなと思っているのは、コトコの「HARROW」です。
エスのカバーを聴くとまた印象が変わるので、気づいたことがあれば記事にしていきたいと思います。
追伸
記事の数が増えてきたので、近々、「MILGRAM」のマガジンを作る予定です。
「音楽が好き。」のマガジンから移動させる形にしますので、ご了承ください。
今回お借りした見出し画像は、黒いブラウスの襟元の写真です。ちょっと女の子っぽ過ぎるかなとも思ったのですが、法服の印象が強かったので、この写真を選ばせていただきました。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。 私の記事が、皆さんの心にほんのひと欠片でも残っていたら、とても嬉しいです。 皆さんのもとにも、素敵なことがたくさん舞い込んで来ますように。