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年間休日90日。違法?ブラック?

山形県と福島県の2拠点で林業用クレーン付原木運搬車の専業メーカーとして事業を展開し、トラック作りで業界の常識を覆し続ける新庄自動車株式会社です。

今回は、当社の年間休日について書いてみたいと思います。というのも、当社の年間休日は  90日  なんです。・・・少ないと思いますよね。「年間105日未満のところはブラック企業」なんてネット記事も稀に見かけます。採用活動の観点からも、休日日数の少なさが求職者のハードルになっていて応募に結びつかないなんて事もあるだろうと思い、今回記事にして包み隠さず説明しておこうと思った次第です。
このnoteでは、当社の魅力や良い所はもちろん、課題やネガディブな部分も含め、現在の当社のありのままをお伝えしていきたいと思っていますので、是非最後までお読みください。

世の平均はどうなのか?

さて、当社の年間休日は90日ですが、世の中的にはどうなっているかと言うと、「令和4年就労条件総合調査結果」によると次のようになっています。

大企業になるほど休日は多い

企業規模が大きくなればなるほど年間の休日日数は多くなり、従業員数1,000人以上の企業にもなると、なんと半数以上が年間休日120日以上となっています。当社の従業員数は2023年6月1日時点でちょうど30人ですので一番上のグラフになります。企業規模30人未満の統計データはないのでわかりませんし、おそらく更に少ないのだろうとは思いますが、従業員数30人から99人の会社でみると年間休日100日未満というのは全体の22%ほどで、約78%が100日以上となっています。

1企業の休日は平均107日

1企業の平均だと107日。平均との比較で見ても当社の年間90日というのはやはり少ないなぁ、という感覚を持たれることでしょう。


年間休日90日は違法・ブラックなのか?

では、年間休日90日は違法なのか、というともちろんそうではありません。労働基準法で休日日数に関して定められているのは以下の労働基準法35条の部分のみです。

労働基準法第35条(休日)
1.使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2.前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

つまり、1週間に少なくとも1日、または4週間に4日の休日を与えなければならない、ということで1年365日または366日でみると少なくとも「53日」の休日というのが法律上の最低の年間休日ということになります。

ただし、休日日数という決まりは上記のみですが、労働基準法32条には以下の条文があり、労働時間の規制として1日8時間、1週40時間となっています。

労働基準法第32条(労働時間)
1.使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
2.使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。

これを考慮すると、1日8時間勤務の場合だと週5日、年間で約260日(52週×5日)程度しか働けないことになります。これが「法律上の年間休日は最低105日(365日-260日)。105日未満はブラックだ」と言われることがある理由になっています。

この計算の前提となっているのは「1日8時間勤務」です。1日6時間勤務であれば、週6日働いても週36時間。つまり1日6時間勤務であれば週1日の休みでも労働基準法32条の労働時間の基準も35条の休日の基準もクリアすることになるので、やはり最低52日から53日でも法律上は問題ない、ということになるのです。

さて、当社の1日の所定労働時間は7時間となっています。朝8:30~夕方17:00の勤務で休憩時間が12時からの1時間のお昼休憩の他、10時と15時に15分ずつの小休憩があります。
デスクワークの職場ではあまり聞かないかもしれませんが、製造業ではよくあるケースで、やはりある程度体力仕事であったり、溶接や加工機械操作など気を張って作業しないと怪我に繋がったり、という仕事内容ですので、一息入れるための小休憩を設けています。もちろん形だけでなく、チャイムが鳴るのでそれぞれ水分補給、トイレやタバコなど、皆さんしっかり休んでもらっています。そのため1日の休憩が90分となり実働時間7時間となっています。

1日7時間勤務の場合、土曜日も働いて週6日だと、週42時間になってしまうので先ほどの労働基準法32条の規定に抵触してしまいます。一方で土曜日を休みにして週5日にしてしまうと週35時間となり、40時間の限度に対して5時間も余裕が出てしまいます。これをうまくバランスをとるために変形労働時間制という制度が認められており、当社は1年単位の変形労働時間制を採用して毎年労働基準監督署に届出をしています。

1年単位の変形労働時間制というのは、週40時間を超える週も超えない週もあるけど、年間を通じて平均すると週40時間以内に収まっていればOK、という制度です。もともとは夏は忙しくて冬は仕事が少ない、という季節ごとの繁閑があるような仕事に対応するための制度で、業務の繁閑や特殊性に応じて、労使が工夫しながら労働時間の配分等を行い、これによって全体としての労働時間・時間外労働の短縮を図ろうとするものです。
当社のように土曜日も基本的には出勤日なので週42時間となる週もあるけど、たまには土曜日も休みにして週35時間の週もあるといったように、全体として労働時間を抑えて法律を遵守しよう、という企業でよく利用されています。

実際に、当社の年間の所定労働時間は 
275日(365日-90日)×7時間=1,925時間 となりますが、これは、
年間休日が124日で1日の勤務時間が8時間の企業と比較すると
241日(365日-124日)×8時間=1,928時間 ですので、
年間の労働時間で見ると年間休日124日の企業よりも当社の方が労働時間が短いことがわかります。


年間休日90日の実態

さて、ここまでで年間休日90日というのが違法ではないことはご理解いただいたかと思いますが、「とは言え少ないよね」という印象は変わらないと思いますので、実際に休みが90日というのはどんなリズムなのかをお伝えしたいと思います。まずは、当社の2022年10月~2023年9月のカレンダーをご覧ください。

赤のが当社の休日

毎月日曜日と祝日は必ず休みです。加えて年末年始(12/31~1/4)やGW(4/29~4/30、5/3~5/7)、お盆周辺(8/11~8/15)と、まとまった連休もしっかりあります。加えて、月に1回から2回程度土曜日も休みになっています。これにより、土・日もしくは日・祝の2連休がおおむね2~3週間に1回程度は取れています。
この記事は6/3に書いていますが、先月5/27・28と土日休みがあったあと、6/3は土曜日出勤だけど翌週6/10・11はまた土日休み、更には1週とばしてまた6/24・25が土日休みです。

いかがでしょうか。実は2022年9月までは年間休日が85日でしたが2022年10月から5日増やして年間90日にしたんです。これだけでも私個人的には「あれ、また土曜日休み?ずいぶん休み増えたな」という実感をもっています。

前述した日本の企業の平均の年間休日は107日でした。当社は90日ですのでその差は17日。1年は12ヶ月ですので、1か月あたり約1.4日の差があります。つまり、107日の企業と比べて月に1日か2日だけ出勤日が多い、ということになります。思ったほどの負担感は無くないですか?少なくともブラックという感じはしない、と思って頂けたらこの記事を書いたことが報われますので大変うれしいです。


有給休暇取得率と休日出勤数

いやいや、それでもやっぱり少ない、という声があるのも理解はしていますが、もう少し説明をしたいと思います。
一つは有休の取得率。前述の「令和4年就労条件総合調査結果」によると、労働者一人平均の有給休暇取得率は58.3%となっています。

平均的には付与された有休の半分強しか取得出来ていない

それと比較して、当社の有休取得率は91.8%。与えられた権利は全て行使する!といった感じで、職種によって多少の差はあるものの、人が少ないので有休あっても休みにくい、といった雰囲気はありません。子どもの運動会やら実家の農作業やらで皆さんバンバン休んでいます。

年間の付与日数が20日の人(当社の場合入社6~7年目)で比較すると、取得率58.3%だと11.6日、91.8%だと18.3日ですので、7日程度の差になります。先ほど年間の休日日数のところで当社と世の中の平均との差は17日と説明しましたので、ここで7日差が埋まると、残りは10日の差。1ヶ月あたりでみればその差は1日未満です。有休の取得率を加味すると、当社の年間休日の少なさと言ったネガティブイメージも随分印象が変わるのではないでしょうか。

また、当社は休日出勤がほとんどありません。職種によりますが平均すると一人当たり年間で1日あるか無いか。休日出勤に関する統計データが見当たらないため他社比較はできませんが、これをみても実質的な年間の出勤日・休日について世間一般との差はさほど無いことがご理解いただけると思います。

そのほかにも、いわゆる特別休暇制度が当社にもあり、慶弔(お祝い事やご不幸があった場合)などに年次有給休暇とは別に、有給の休暇を取ることが出来ます。これについては後日改めて詳細を記事にしたいと思いますが、当社は親戚付き合いがまだ色濃く残る田舎の企業ということもあり、特に忌引き休暇については昨年度の制度見直しによりかなり拡充しています。


まとめと今後について

さて、ここまで当社の年間休日日数について書いてきましたが、いかがお感じでしょうか。

  • 世間の年間休日の平均は107日。当社は90日なのでかなり少ない印象。

  • もちろん年間休日90日は違法でもブラックでもない。

  • 年間の労働時間でみると、年間休日124日・1日8時間勤務の会社よりも当社の方が労働時間は少ない。

  • しっかり大型連休もあり、2~3週間に一度は2連休がある年間カレンダー設計。

  • 年間休日107日の平均的な企業と比べても、1ヶ月あたり1日か2日出勤日が多いだけ。

  • 当社の有給休暇取得率は91.8%と高く、休日出勤も少ないため、実質的な「休み」の日数差は更に縮まり、1ヶ月1日も差は無い。

以上が当社の実態です。ここまでお読みいただき「新庄自動車は休みが少ない」といったネガティブなイメージが少しでも和らいだのであれば大変うれしいです。

そもそも当社はトラックメーカー、つまり製造業なわけですが、当社の製作したトラックの修理もビジネスの重要な一面です。当社のお客様である林業事業者や運送会社が土曜日も営業をされている以上、「土曜日も修理対応してくれる」という安心感があるから当社のトラックを購入して頂けるわけです。それを考えると土曜日休みを更に増やすことは二の足を踏んでしまうし、まだまだ中小企業なのだから、他社が休んでいる時に働くから生き残っていけるんだ、というのも一部では事実だと思いますし、他社にはない技術者集団を謳っている当社にとって、手に職付けるまでの技術を身に付けるためには相応の働く時間・経験の積み重ねが必要になります。

ですが、やはり特に子育て世代が安心して家族と過ごす時間が持てるように土曜日休みを増やして行くというのは時代の流れだと思います。
今後も知恵を絞って、また組織としてチームとしての結束を高め、楽しく、効率的に、付加価値の高い仕事をしていける体制を作っていく必要があると考えています。


最後まで読んでいただき、ありがとうざいます。
今後の当社のありのままを記事にしていきたいと思いますので、是非フォローしていただき、応援して頂けると嬉しいです。
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