見出し画像

電車

皆さんは電車に乗っている時何をしていますか。
本を読んだり、人間観察をしたり、好きな音楽を聴いたり、意味もなくSNSを徘徊したり。

僕は電車が苦手だ。
好きな人の方が少ないと思うが、苦手だ。
なんで苦手かというと大体の人と同じだと思うが、変な人がいるからだ。
普通に乗っているだけなら全然苦手ではないのだが、僕が乗る車両には必ず変な人がいる。

僕が気にしすぎなだけだろうか。

足を広げて座っている人、お酒飲んでフラフラしている人、うるさいマダム、シンプルに臭い人、降りる人を待たずに乗り込む人、イチャイチャしているカップル。

なぜだかほぼ毎日、上記のどれかに遭遇する。
イヤホンで優雅なヒーリングミュージックを流してみても紛れない。
それなら!と最近イチオシの焚き火の音を流していても気になってしまう。
読書に集中したくてもできない。
奴らは人の時間を奪っている。
これは大罪だ。大問題だ。ぜひ別料金を払っていただきたい。
そしたらまあまあもしかしたら許せるのかもしれない。
許せないのかもしれないが。

こういう時皆さんはどうやり過ごしているのだろうか。
もし、効果的な対処法があったら教えていただきたい。
ベスト迷惑電車人対処法大賞を授与させていただきたい。

ちなみに僕の対処法としては、
足を広げて座っている人は、足が長すぎるから冬は布団から足が出ちゃって永遠の冷え性で可哀想だなって思うし、お酒を飲んでいるやつは、もうじき肝臓が爆発するからもう二度と会わないだろうし、うるさいマダムは多分これまでもこれからもずっと孤独だろうし、シンプルに臭い人は、臭すぎてシンプルに何をやってもうまくいかないだろうし、降りる人を待たずに乗り込んでくる奴は、家族全員が事故に遭って急いでいるのだろうし、イチャイチャしているカップルはこちらが手を加えずともすぐに勝手に別れるだろうし。とこんな感じで自己処理すると少しだけ落ち着く。

でも、現実はそうはいかない。
なんだかんだ世の中というのはそういう図太い奴が生き残るようになっている。
周りに配慮できる人間が損をする。いつだってそうだ。
こんな世の中やっていられるか!と時々思う。

とまあ今日もそんなよく分からない人種に囲まれて電車に乗っているのだが、イヤホンの電源が切れてしまった。
無線イヤホンの弱点だ。昨日充電をし忘れてしまったからだ。最悪だ。

しかも隣には過去最大級のモンスター酔っ払いおじさんが乗り込んできた。
今にでも吐きそうな感じでフラフラしている。
必殺肝臓爆発が効かない上に、焚き火も流せない。

過去最大級のピンチ。
そんな時、ふと電車の車窓から見える景色が目に映った。
いつも通っている場所なはずなのにしっかりと外を見ることがなかったなと気がついた。
暗闇に浮かぶ街灯や、家の明かりがやたらと綺麗に映る。
何となくその風景に人々の暮らしが浮かぶ。
22時の街。
まだ、働いている人もいれば、家でゆっくりと晩酌をしている人もいる。
楽しさでいっぱいの人もいれば、悲しみに暮れている人もいる。
一人でいる人もいれば、大切な人と過ごしている人もいる。
足が長すぎる人もいれば、声の大きいマダムもいるだろうし、肝臓が限界の酔っ払いもいるし、自分しかこの世にいないと錯覚している人もいるし、カップルで熱い夜を過ごしている人もいる。

そうか、電車は街なのかもしれない。
いろんな人がいる面白い街。
そう考えるとこの電車も少しは楽しめるかもしれない。

いや、嘘です。大罪は大罪だ。
気持ち悪すぎて遂に車両を変えてしまった。
絶対に許さない。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?