マガジンのカバー画像

雑記

6
運営しているクリエイター

#エッセイ

通学路の魔力

学生時代の通学路には魔力があると思っている。 一人で登下校していると「変な賭け」をしてしまうという魔力が。 僕も昔はその魔力によくかかっていて、例えば「ひとつの小石を学校から家まで蹴って帰れたら幸運が訪れる」とか「拾った長い木の棒を地面に倒して、倒れた方の道から帰ったら明日の運気アップ」といった自作自演の「変な賭け」を下校の際にしてしまうことが多かった。 小学校時代、短期間だけだが朝の登校時に「変な賭け」を発動させてしまった時期があった。 登校の途中、赤、白、青の三色のタ

一生に一度

こんな美味しいお肉、一生で一度食べられるかどうかですよ。 テレビ番組でとある女性レポーターが高級な牛肉を使った料理を食べながら言っていた。 誇張し過ぎの表現が若干嘘っぽくも聞こえたが、これまでの人生を振り返ってみると、そのコメントのように、ちょっとした経験でも一生に一度のことは多い。 学生時代、小雨の降る夜、大学から帰宅途中のこと。 最寄り駅の改札を出ると自宅まで我慢出来ないほどの尿意に襲われ、駅ビルのトイレへと向かった。 急ぎ足で駅ビル内のトイレに続く道を歩いていると、

一万円入ります。

最近、コンビニ等で買い物をする際、一万円札で支払うと店員さんが他の店員さんに向かってこの掛け声を発するのを見かける。 「一万円入ります」 「今、レジ係の私がレジに一万円札を入れますよ」と他者に宣言しているのだと思うが、もしそうならば「入ります」ではなく「入れます」の方がしっくり来るのではないのだろうか。 「一万円入ります」だと「一万円」という人がレジに入っていく姿を想像してしまう。 髪型は綺麗に刈りそろえられたスポーツ刈り、銀縁眼鏡をかけた小柄な男性、一万円忠男55歳が

レベルが高い

大阪に行った際、電車での移動中、座っていた僕の隣の空席に喋りながら乗車して来た女子大生風の2人組が座った。 ※関西弁を標準語に脳内変換 A「Bの彼氏ってレベル高いよね」 B「そんなことないよ〜」 彼氏を褒められたBの声の音量レベルは少し上がった。 それに伴い、僕の目の前に座る男性の目つきの鋭さレベルも少し上がった。 A「私も彼氏欲しいなぁ、もう1年も居ないんだよ」 B「Aってどんなタイプが好きだったっけ?」 A「顔のレベルはそんなに高く無くていいんだけど、塩顔が良い」