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策のその先

あけましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いいたします。

新しい年が始まり「今年は何をしよう!」というところですが、引き続きWithコロナは続く見通しなので、ヤツとの付き合い方が引き続き一番の気がかりになります。

対コロナ施策のひとつに「プレミアム付商品券」があります。
現金よりも何割かお得になる券として、買いに走る人も多かったようですね。

この商品券は商店街など地元店舗での買い物を後押しするためのものなので、お店としても商品券が使えることをおおいにアピールするはず・・。
と、思っていたのですが、「プレミアム付商品券使えます」との貼り紙を出している店を意外と見かけない気がします。

券を使えるところは少ないのかな?と思って各商品券の紹介サイトを見てみるとお店の名前が載っています。お店に実際聞いてみても実は「使えます」とのこと。
せっかく売上をアップできる機会なのに、なぜアピールしてないのでしょうか。

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近所のお店で聞いたり、地域SNSなどで目にした話で、事情が見えてきました。

ひとつは「換金の手続きが煩雑」ということ。
商品券の換金方法は、信用金庫など地域の指定金融機関で口座を作り、換金申込書を記載して提出するというもの。必要な手続きではありますが、現金取引に比べたらそれなりに手間ですね。

もうひとつは「換金までにかかる時間」です。
換金の手続きをしたあと、口座に入金されるまでは事務処理等の時間が必要になります。
これが一日二日くらいなら良いのですが、中には数週間かかることもあったらしく、そこまでかかるとお店の資金繰りに影響してきます。

企業に対するコロナの影響で「売上の減少」は特に大きく、それにともなう資金繰りの悪化が致命的な打撃となっています。
給付金・補助金・助成金など資金繰りを助ける施策がありますが、その一方でプレミアム付商品券がキャッシュフローに影響を与えていたのかもしれません。

このような問題があると、お店としては商品券の取り扱いに躊躇しますし、買い物客も券を使いづらくなります。「売上は上げたいけど、商品券はあまり使ってほしくないな…」ということに。
困った例では、家賃の支払いに使えると事前確認してから券を買ったにも関わらず、後から「支払いのうち商品券は半分だけにしておいてくれ」と言われて困惑した人もいるようです。

もちろん「プレミアム付商品券」は売上アップに貢献するものでありそれ自体は良い施策です。
ただ、付随する問題に対しての対策、たとえば「換金手続きの簡素化」や「素早い入金処理」またそのための「IT投資への支援」などがあるとより効果を発揮できたでしょう。(商品券運営の方も認識して手を打ったうえでの現状かもしれませんが。)

診断士として提案を行う際も、ある提案を実行したときに何が起こるか、問題Aの対策Aが問題Bに悪影響してないか、までを考えて提案をしなければいけないと考えさえられました。

新年最初から景気がいい話題のチョイスではなく恐縮ですが、本年もどうぞよろしくお願いいたします!

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