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施策がうまくいかないのは「やりきれていない」から

診断士活動での提案や、会社の仕事の中など、なにか「施策」をやってみても、思ったように効果が出ないことはないでしょうか。

施策の内容自体がそもそも良くない場合もありますが、それ以前に、施策を「やりきれていない」ということも結構あります。

なぜ「やりきれていない」のか、施策を行われる段階に分けてみると、問題点が見えてきます。

1.情報どまり

たとえば、社内の課題を調べて施策を立てるために、従業員アンケートを行うことがあります。

現場からの意見がいろいろと寄せられ、経営陣はそれを読み「ふむふむなるほど」と思います。
が、問題・課題を認識したことで何かできた気になったritaiのか、実際に問題解決・課題達成するための施策を立てることなく手付かずで終わってしまう、なんてことはないでしょうか。

「問題の原因・解決策は何か」「経営・事業への影響度・緊急度」「誰が・いつまでに取り組むか」等、具体的な施策立案までもっていくことが、まず第一段階です。

2.指示どまり

施策を立てて、担当部門や担当者を選んで指示まで出しました。
でも、それらが実行に移されないまま埋もれてしまうこともあります。

実行担当は往々にして、通常業務も抱えて忙しいことが多いです。
特に、重要な施策を任されるような有能な社員は、他の仕事にもたくさん関わってたりします。

業務に忙殺され、施策の実行が後回しになり、結局手が付けられなかったり、やりはしたけど形だけ・お茶を濁す程度で止まっていることも珍しくありません。

指示を出した者の責任として、定期的な進捗の管理や、推進の後押しなど、フォローもしっかり行いましょう。

3.掛け声どまり

実行担当によって、施策が具体的なアクションとなり行われました。
ですが、しばらくするとその動きが見られなくなり、いつのまにか立ち消え・元通りになっているパターンも多いです。

たとえば「残業削減のため、●●時までに退勤する」と決めたとして、それを従業員に言うだけではダメです。

「時間までに業務が終わらない場合の判断やフォロー体制」「仕事の総量や配分の管理」「イレギュラーで残業する場合のルール」など、運用にあたり影響することを想定し、具体的な業務の中の仕組みに落とし込まないといけません。

4.1回どまり

仕組みとして業務のプロセスの中に組み込むまでできたとしても、それで安心してはいけません。
その後しっかりと実行されているかを、定期的に確認する必要があります。

仮に、業務マニュアルの中に追加しても、必ずしも現場でそれが実行されているとは限りません。
特に施策で追加された作業が多少でも煩雑なものだと「まあいいか」でスルーされて、いつのまにか従来の業務プロセスに戻っていたりします。

この定期的な実行確認についても、誰が・いつ・どのように行うのかまで、施策を始める段階で決めておきましょう。

なお、実行確認と合わせて、施策を行った効果がどのように出ているかも把握します。それにより、効果が出ていれば継続・出ていなければ見直し、といった判断ができます。

施策を「やりきる」には、最初に想定していたより多くの手間や時間がかかることも少なくありません。
あなたの会社にも、やり途中の施策がそこかしこに埋もれてはいないでしょうか。
今年も気がつけばもう3月。新年度を迎える前に、埋もれた施策達を掘り起こしてみると、何か新しい発見があるかもしれません。


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