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ブッラータというチーズについて全部教えます

ブッラータとは


ブッラータ皆さんお好きですか?

これからの季節にもぴったりのブッラータ、作りてとして、CHEESE STANDの事例を含めて色々とお伝えしたいと思います。

ブッラータとはイタリアのかかと部分、プーリア州発祥のモッツァレラタイプの生地にクリームと割いた繊維状のモッツァレラが入ったチーズです。分類でいうとフレッシュチーズと呼ばれる賞味期限が短い商品です。

イタリア語表記でBurrata。時々SNSで見かけますが、表記通りの読み方であればブラータでもなく、ブッターラでもなくブラッタータでもありません。

イタリアンを始め、ビストロでもよく見かけるようになり、「カプレーゼ」といったらお店ではブッラータを使っているところが本当に多くなりました。

現地では、モッツァレラを練ったあとの練り水を放置しておくと浮いてくるクリームを翌日に掬って、ブッラータに使うことがあります。

私たちは国産の生クリームを使用しており、10種類ぐらいから甘みや香り、濃すぎず薄過ぎずのものを選んでいます。


日本でのブッラータ


私たちCHEESE STANDは2012年の12月にに日本で初めてブッラータを製造販売しました

懇意にしているシェフから、「作ってよ。」と言われて、作ってみたのがきっかけです。サンフランシスコやパリではオンメニューされ始めてきていました。当時もちろん食べたことはあったのですが、イタリアで作り方を教えてもらったこともなく、Youtubeなどを見て試行錯誤して何度も何度も作り直しました。

当時は、高級百貨店に売られているブッラータは賞味期限が短いため空輸で輸入されたもの。1個3,000円などもするものだから、「幻のチーズ」なんて呼ばれていたものです。

僕たちは、より広まってほしいという思いから1,000円/150gではじめました。

またイタリアでは生ハム、トマト、オレガノという定番の組み合わせをよく見かけますが、(プーリア州ではオレガノだけなんてのも見たことがある)。前述の懇意にしているシェフのお店で提供しているフルーツとの組み合わせに感銘を受けて、トマトの代わりに酸味や甘味のあるフルーツと組み合わせてと言い続けた結果、フルーツを使っていただいた一皿をSNSなどで見ることも多くなってきました。他にも酸味は少ないですが、濃さのある南国系のフルーツなんかとも相性がすごくよいんです。ヨーグルトのような使い方でもおもしろいですし、クリームの濃厚さは、味を薄める効果があるので中華の濃いタレを中和もしてくれます。香港では麻婆ブッラータ、なんかに出合いました。

今では多くが1,000円程度で売られており、冷凍のものだともう少し安かったりします。


形状


私たちのブッラータはちょっと特殊な形状をしています。

そう、「おでんくんのよう」とよく言われます。(※おでんくんでなく、持モッツァーマン広まってほしい!!!)

ぽてっとしていて可愛らしいですよね。紐も食べられる完全なるオリジナル。自分たちで考え出しました。これ、実は苦肉の策で作った形なんです。

イタリアのプーリアでよく見かけるタイプは写真のようにビニールの紐で結んだもの。これは、昔に葦の茎で縛っていた名残なんだそうです。

もしくは、紐がついてない、モッツァレラのようにまんまるとしたものもあります。

私たちが作るとなった際に、葦は衛生的にNG。日本人的に食品にビニール紐がついているのって感情的ちょっと嫌だし異物混入の恐れになるからNG。紐がついていなく丸くちぎるのは熱い状態で上の部分をちぎって、熱の力で接着させるんですが、一人で大量に作るには難しいということでNG。

そこで、紐も食べられるように試行錯誤して、工夫して仕上げたのです。

紐を作るにはコツがあり、補助のアルバイトスタッフでも最初は苦労します。


とろっとしたもの、していないもの


ブッラータを割ると、シャバッとクリームが流れてしまうもの、ドロッとしたものがあるかと思います。

コレには理由があります。

私たちはブッラータに関しては賞味期限ギリギリぐらいが美味しいとおすすめしています。店舗で出すときは常温に戻してから提供しています。

クリームが常温に戻ったり、時間が経つことで酸化発酵して、とろっとなるのです。

カルピスに牛乳をいれると、とろっとするあれだと考えてください。

発酵バターが美味しいように、若干時間が経ったもののほうが香りが豊かでおすすめしています。

個人的にはブッラータの美味しさは、クリームとのバランスと食感だと思っていて、中の繊維状のチーズがクリームと馴染むような食感を意識して作っています。

どれぐらい作っているか?


週7日の内6日可動+年間の工房の休みの日が10日ぐらいだとして、

365×6/7-10=約300日ぐらい

製造数はざっくりですが以下のとおりです。

■2012年:12月だけのためカウントせず。

■ 2013年:1日平均70個 年間21,000個

■ 2014年/2015年/2016年: 1日平均120個 年間36,000個

■ 2017年 :1日平均150個 年間45,000個

▪️2018年:1日平均160個  年間48,000個

昨年までで約220,000個。

な、なんと、餃子1日100万個の1日にも満たない、涙。

けれどもこんなにも多くの人がブッラータを食べていただけたかと思うと本当に嬉しい限りです。多い時だと1日300個使ったことなんかもあります。

もっともっと多くの人に食べていただけるようにがんばります。






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