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(残念ながら当たってしまう)予言

これは一般論であって、どの会社のことでもないので、「あの会社のことですか?」と言われても、全く違うのですが・・・

売上や利益を上げるには、行き当たりばったりではダメで、ましてや個別部門の頑張りに頼ったり、その場の反射神経に頼るのは問題外。

継続的に成果を上げるためには、それを下支えする「構造的根拠」が必要で、それを作るために脳みそが千切れるまで考え抜き、みんなに大反対されても、ぶれずに戦い抜かなくてはなりません。

さらに不退転の覚悟を示すため、「これで結果が出なければ辞める」と公言して自分のクビを断頭台にさらし、七転八倒してその「構造」を組織に埋め込むのが経営者の使命と、自分は信じてきました。

自分のクビをかけることが人に行動変容(やりたくないこと)を強制する根拠になると共に、その迫力が他者を圧倒する力になります。

成果を上げる方法はいくつかあるので、みんなが同じ方法論でなくてもいいでしょう。ただ、曲がりなりにも経営というポジションを預かる以上、考えない、戦わない、クビをかけないとなると経営が介在する意義も権利もありません。

ましてや、それまで業績を上げてきた「構造的根拠」すら壊してしまうとなると、業績は間違いなく悪化します(断言)。これは、犯罪的ですらあると自分は思います。

うまくいっている時は、みんなそれが当たり前と思います。こんなんだったらおれでも経営できるんじゃないか、と思う訳です。以前の苦しかった時代は都合よく忘れ去られ、今目の前にある「正のスパイラル」しか見えないからです。

そして、何の気なしに、これまでの成長を支えてきた構造的根拠を壊してしまう。自分の色を出したい、グローバルさんに言われた、等々の理由で。

"If it ain't broke, don't fix it" (壊れていないものを直すな)という英語の格言があります。経営に限りませんが、壊れていない仕組みに素人が敢えて手を加えるとロクなことにならないことを先人は知っていたのでしょう。

ましてや、その仕組みがどういう意図・経緯で埋め込まれたのか、業績にどういう貢献をしているのかすら考えずに手を加えると、悲惨な結末は避けられません。


ここで、予言します。

成功のための基本構造を壊してしまった会社は、すぐに、何もかもが逆回転を始めます。それも、驚くほど、急激に。

なぜなら、これまでの成功を構造的に支えてきた

「全体としての統一された考え」

が失われ、

「全社の総力を結集する仕組み」

も消えるからです。

「うちの会社では機能する」と既に証明されているプロセスが、特段の理由なく、他の会社あるいは他の業種でしか検証されていないプロセスに置き換わるからです。


結果、どうなるか。

まず、売上がいきなり下がるでしょう(断言)。社内連携が崩れ、責任の所在が曖昧になるので、予算達成に必要な最後の一歩が出なくなるからです。

それに連れて利益も減ります。もちろんボーナスも。

業績改善のビジョンも方策もないので、社員に見限られ、人が辞め始めるでしょう。それも優秀な人間から順番に、です。

退職者数が分水嶺を超えると、今度はそれが原因で顧客からクレームが大量にきます。

その対応のため人を割く、無駄な稼働で利益が落ちる、嫌気がさしてまた人が辞める、またクレーム、また利益が下がる、炎上対応で売上作りに専念できない、売上がさらに下がる、利益落ちる、ボーナス減る、人辞める・・・。

そのうち社員総会でのアンケート結果が耳障りになってくるので、匿名だったアンケートを記名式に変える、あるいはアンケートそのものを無くす。

結果、さらに従業員との心は離れ、優秀で愛社精神の強かった社員の流出が加速する・・。

一度、負のスパイラルに陥るとそこから脱出するのがいかに大変か。経験した人はその地獄の苦しみを知っているので、そうならないよう少しでも兆候が見えたら全力でそれを潰しにいきます。

ほんのわずかな違和感も見逃さず、全力で、細かい綻びに対応します。

何も知らない人はそれを横で見て、「社長なのにこんな細かい仕事だけでいいなんて、楽なもんだ。これだったら自分でもできる。」と勘違いする。

細かい違和感を見逃さないことで、大きな流れが変わるのを防いでいるのも知らず・・。

そして、いざ自分が社長になると、その無知ゆえに成功の仕組みをあっさり叩き壊してしまう・・・。

取り返しのつかない負のスパイラルが、すぐそこに見えます。

悲しいですが、もはや手遅れでしょう。

合掌。

#くじらキャピタル #世界を素敵な会社で埋め尽くす #人を幸せにする資本 #事業再生ファンド #予言

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