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帰りのタクシー

(2020年初頭の僕筆)
コンバンワ。帰りのタクシーの中でこの記事を
書いてます。
呑んでいました。
いや、呑まされ過ぎていたのかも知れません。
(現在ブームの監督風)
無口な運転手のタクシーの中は暇だ。
今年はデビュー20年目と言う節目になるので、そう言う瞬間も一際多い。まだ始まって一月目と言うのに。
でもそれぐらいにこの20年間がむしゃらに
やってきた。音楽的な経験の上で一通り以上の経験はして来たと言える。
文字通り、栄光と挫折を何回も味わってきた。
感動と絶望の間を何度も彷徨った。
正直そんな中で、本来のあるべき場所から遠ざかっていた部分もあったと思う。
時代性ももちろんあるが、結局は自分の心境の問題。多くはモチベーションの問題。
自分が何を為し得たか。常に考えるけど、
それは本当に重要な事だろうか?  

(ここから2021年8月加筆)
どうだろう。重要かどうかが重要だろうか。
モチベーション。
ホンモノのモチベーションと言うものが消失してしまったかの様な現代に於いて、深いところでの重要性。意義。それらはごく個人的なものになってしまったのでは無いか。
Virusの蔓延が奪ったものはあまりにも大きく、
現在進行形のその実害を未だ完結的に論じれる人は皆無だろう。
本来、人は和するのが最適。
今の状態は、正常とは程遠い状況。
しかしだからこそ、自由が与えられる。
そしてだからこそ、その与えられた自由をどう使うかが重要であり、その使い方でこれからが180度変わってくる。
去年初頭感じていたタクシーの中での思い。
それすら、かけがえの無い、貴重な事に今では思える。
表現者として、表現者の位置付けのみとして、表現者として悩み、前に進みさえしていれば良かったあの車内。
思えばあそこからパラレルワールドは始まっていたのであろう。
昔、仲間のベーシストがふと発した言葉が近頃ずっと頭の中でリフレインする。
「俺達は繋ぐ、架け橋の世代なんだよ。」
彼はあの時さらりと、本音として、真実を炙り出していたのでは無いか。
人と人。時代と時代。それらを繋ぐ架け橋について、考えは暫く拡がる事をやめないだろう。
自分の人生の主役は、誰にとっても自分。
揺るぎなく。
しかし、時代は、世界はそれとは全く関係のない様相を呈して今日も、怪しく、進化とも退化とも言い難い脱皮を続ける。
自分は何処へ向かうのか。彼は何処へ向かうのか。
その答えはきっと「此処ではない何処か」にある。

(ここから2022年6月加筆)
騒動から少しずつ、距離を置ける様になって来た。
ここまでの2年半ほど、只々変革の波に飲み込まれ
続けてきた。
しかし今になってみて、その変革は悪に偏る事なく
ポジティブな要素もはらんでいた事を自覚する。
依然世の中は大変な時代を迎えている事には変わりない。しかし自らの時代の様々な側面を見る技術は、圧倒的に進歩した気がする。
新しい仲間が増える。昔の仲間とまた違う新鮮な
モチベーションで向き合える。
良い事ばかりでないと、良い事が際立つ。
迎え撃つ自分の人生や運命は本当に一筋縄では行かない。だがこれは自分で決めて来た事。(なのだそう)
ギタリスト。音楽家を経て、いつしか職業欄には
表現者と書く様になった。
より広範な意味での生き方の表明。
一般的な職業ではないからこそ、あえてこう書く様になった。昔自分がアメリカに行った時、知り合った人々の自己紹介がまさにそんな感じだった。皆、実際はガソリンスタンドやレストランで働いていても、彼らは誇りをもって自分はアクターだとか、ミュージシャンだと自己紹介する。
その心意気がとても気持ち良く、そしてカッコいいなと感じたのを思い出す。我が道を行く。自分を信じる。他人から悪い影響を受けない。
もちろん日本の良さもいっぱいある。
だからこそ対比して他の文化の良さも認識できる。
2022年は自分にとっても特に重要な年。
3から4へのメジャーアップデートを経験して、
急に視野が4のそれへと変化した気もする。
先の話で出た架け橋の世代の本域だ。
自分の才能を信じる様に、彼らを信じられる様な後輩たちも出てきた。
だからこれからは、道を進みながら、同時にそこに橋をかけていく。
そんな器用な存在になれればいいと思っている。
この自分に動く為の電池を埋め込んでくれた存在に、よく分からないが感謝してみる。そんな夜。
Stranger Things.とても素敵な言い回しだ。

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