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ブランドの体験価値の作り方

選ばれるブランドになるためには、

お客さまにとっての"体験価値"を提供することが、

今後ますます重要になってきます。


そして、この体験価値は、ブランド規模の大小に限らず、

お客さまとよりよい関係を築いていく上で非常に大切です。


そこで今回は、

「ファンの心を動かす一言発想法! 体験価値のつくりかた」

という本から、ブランドの体験価値を作る

一言発想法

について、私なりの考え方も含めてご紹介いたします。

ぜひ、最後までご覧下さい。


お客さまからみた「体験価値」


これまでも「ブランドの価値」については、何度か解説してきましたが、

これまでご紹介してきた価値というのは、製品と、そして作家やブランド目線での価値提供になります。


今回は、お客さまからみた「体験価値」の提供についてのお話です。


「体験価値の提供」~3つの円~


私たちの消費活動の歴史を辿ってみると、モノからコト消費

つまり、何か体験することに価値を感じることが多くなってきました。


また昨今、SDGsが注目を集める中で、エシカル消費という、

「人・社会」「環境」「地域」に役立つ消費活動にも体験価値が含まれていると思います。


この本では「体験価値の提供」について3つの円で体系化しています。

<3つの円>
・「仕組み」を中心として、
・その周りに「対話(交流ややりとりも含む)」があり、
・さらに外側にある「世界観」



仕組み

1つ目の中心の円「仕組み」とは、商品やサービスによる体験そのものを表しています。

モノを買う、カフェでコーヒーを飲む、そういった体験そのものです。


対話と交流

2つ目の円「対話」は、仕組みの体験で生じる、購入前、利用前からアフターサービスに至るまで、

すべての過程で生じる、お客さまとのやり取りのことです。


世界観

3つ目の一番外側の大きな円「世界観」は、SNSやネットショップ、実店舗はもちろん、

広告やお客さまとのコミュニケーションの場も含めたブランドの世界観を表しています。


この重なった3つの円が、お客さまに体験価値を提供し、より良い関係性を構築していくというのです。


そして、この円を構築する方法として

メタファー

という概念を理解することが必要だ、と解説されていました。


「メタファー」というあまり聞きなれない言葉が出てきましたが、

この本を抜粋してご紹介するとともに、私なりの考え方も含めて解説いたします。


メタファーとは


まず、メタファーを分かりやすい言葉に変えると、「何かに見立てること」です。


「メタファー」を身近なもので例えると、以下が挙げられます。

・目玉焼き・・・卵の黄身を、目玉に見立てる
・メロンパン・・・パンを、メロンに見立てる
・カニかまも・・・かまぼこをカニに見立てる



AをBと見る時、Bにメタファーが生まれます。

目玉焼きの場合は、Aが卵の黄身、Bの目玉がメタファーになります。


重要なのは、Aを表現する名称が存在しない場合、新しい製品やアイデアを発想する場合において、

Bのメタファーが、非常に重要な表現手段になります。


つまり、「〇〇をBのように見立てる」とすることで、新しいアイデアが生まれ、

Bのように見立てることで、誰でも共有しやすいビジュアル的なイメージとして伝えることができるのです。


そしてこのメタファーの概念を用いて、先ほどの重なった円で体験価値を作ります


先ほどご紹介しました体験価値を表す3つの円、

「仕組み」「対話(交流ややりとりも含む)」「世界観」

それぞれの円に対して、使用するメタファーが異なります。


①行動メタファー


仕組みに対しては「行動メタファー」を使用します。


分かりやすい例が紹介されていましたので、そのまま使用します。

料理を作りたい人と、食べたい人を繋ぐサービス」が仕組みです。


この仕組みを行動メタファーに当てはめると、料理を作りたい人を「キッチン」とします。

一方、食べたい人はサイトから予約しますが、これを、「ヒッチハイク」に見立てます。

そして、キッチンとヒッチハイクをつなげて「キッチハイク」というサービスが生まれます。


どんなプレゼン資料よりも、「キッチンをヒッチハイクする」という一言で、

このサービスが目に浮かんできます。そして何よりワクワクします。


これが、「行動メタファー」を利用した「仕組み」による体験価値の提供です。



②擬人メタファー


対話については「擬人メタファー」を使用します。


例えば、スマートスピーカーやチャットボットは、人間との会話を模倣することで対話を実現しています。

また、iPhoneのスクリーンタイムなども、まるで秘書のように管理してくれることで、

人間的な感覚を与えています。


Gmailのリマインダーも、人間同士のやり取りをどう擬人化するかという考えで生まれています。

このように、愛着を持ってもらうために「人間らしさ」が重要だと書かれていました。


実際に、ギターメーカーの「Fender」が始めたギター教室も、

初心者を挫折させないギター教室の先生」という擬人メタファーを採用し、

サブスクリプション型のビジネスを展開しています。


この擬人メタファーが、他のギター教室とは圧倒的な差別化につながっています。



③舞台メタファー


世界観については「舞台メタファー」を使用します。

ブランドや商品が持つ世界観を、舞台を例えにして表現します。


例えば、「ルイヴィトン」は「」をテーマとしており、空の旅なら飛行機

時空の旅ならタイムマシンのような世界観を表現します。


「舞台メタファー」は、誰でも簡単にビジュアル化できるイメージを使って、

ブランドや商品の世界観を表現することができます。


ドンキホーテ」は、「激安ジャングル」をテーマにしており、

売り場をジャングルに見立てることで、他のディスカウントショップとは異なる世界観を表現し、

差別化を図っています。


舞台メタファーは、ブランドや商品をより鮮明に印象づけ、顧客に強い印象を残すことができるため、

マーケティング戦略において重要な要素となっています。


「ブランドの体験価値」まとめ


今回は、最近読んだ本「ファンの心を動かす一言発想法! 体験価値のつくりかた」から

体験価値の作り方について解説いたしました。


体験価値は3つの円で考え、体験価値を作る際にはそれぞれにあったメタファーを利用することが大切です。


中心に「仕組み」があり、その周りに「対話(交流ややりとりも含む)」があり、さらに外側にあるのが「世界観」です。

それぞれにあったメタファーを行動メタファー、擬人メタファー、舞台メタファーと呼びます。


この本には、ほかにも具体的な事例がたくさん載っており、後半には、実践形式でワークシートもあります。

ぜひ、自身のブランドに当てはめてみて考えてみてはいかがでしょうか。


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