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試合運営について

選手を引退してからJ2ツエーゲン金沢のクラブスタッフとして働いている私の業務内容は昨年までスポンサー営業、試合運営、アンバサダーを担当していました。(今年からスタッフが増えた為、運営担当は外れました)

その中でもJリーグ公式戦を開催するにあたり非常に重要な運営担当について少しお伝えしたいと思います。(あくまで1シーズンだけの浅い経験です)

運営担当の役割

私は試合を運営するにあたり非常に重要なポジション、運営担当(正)という役割を任されていました。(運営担当(副)もいます)

どのような役割かというと試合を運営するにあたって全てのこと(相手チームや審判との事前連絡、タイムスケジュールの管理、イベント、来場者数、サポーターのテンション、警備やボランティアの人数、飲食店、気象情報etc)を把握して全てをオーガナイズするとても重要なポジション。ざっくりとした説明ですが本当に重要なんです...。

とはいえ私は前年までプレーしていただけなので試合運営については右も左もわかりません。本来、運営担当(正)がするべき役割のほとんどは事業部長の中山さん(ヤサガラスやパラパラナイト等の仕掛け人)をはじめクラブスタッフのみんなが助けてくれました。

マッチコミッショナーとの連携

Jリーグ公式戦をするにあたってJリーグから試合毎に割り振られたマッチコミッショナー(以下MC)が試合会場に1人必ず必要です。MCの役割は試合の総責任者。試合1週間ほど前から事前に情報を共有しあいながら試合当日を迎えます。(ちなみにJリーグのMCは審判あがりの方が多いです)

試合当日MCが会場到着後、運営担当の私とMTGをして現状の情報(来場者数、天候、飲食店、駐車場、ピッチ、両チーム到着時間etc)を共有します。

キックオフ90分前にはMC、審判4人と共に芝の状態、ライン、ネット等、試合をするにあたって問題ないかどうかをチェック。

そして70分前、マッチコーディネーションミーティングと言ってMC、両チーム監督及び実行委員(各チームGMの方が多い)と運営担当でMTGを行います。ここでは、タイムスケジュールの確認や散水の有無、気温、両チームから何か事前申告があれば共有します。これを行うのは日本だけのようですね。

そのMTGはホーム運営担当が進行を務めます。自分が指導してもらった監督やお世話になった強化部長がいる時はなんかはすごく違和感を感じました。そして試合前なので両チームの緊張感が伝わってきて初めの方は噛みまくり。めちゃくちゃ恥ずかしかった...。

キックオフ

そして、両チームW-UPが始まってキックオフへと向かう訳ですがキックオフ前に挨拶やセレモニーがある事も。ロッカーアウトからキックオフまでのスケジュールは分刻み。

ロッカーアウトが遅い監督が居たり遅れてるのにトイレに行く選手も。気持ちめちゃくちゃ分かります。笑
(私が選手の時はロッカーアウトからピッチまで早いタイプだったので迷惑はかけてないはず。多分)

それぞれ試合に入る前のルーティンもあるしなぁ、と思いながらもタイムスケジュール通りに進めるのも運営担当の役割。ロッカーアウトを催促して急いでもらい、ピッチへと入場します。

この時、予定時刻より時間が過ぎているとかなり焦ります。その後イベント等が控えている時は尚更。クレヨンしんちゃんとのコラボイベントの時、キックオフ定刻まで時間がないのにしんちゃんが長めのコサックダンスし始めた時は「おい、何しとんねん!」と思いましたね...。(キックオフ遅延になると反則ポイントが加算されてフェアープレー賞の評価につながります)

第4審との連携

無事にキックオフすると、後は第4審判と連携しながら気象状況を主審に共有したり、交代や警告が出た選手を記録係に無線で伝えたりとピッチの側から試合を観察します。

第4審も様々な方がいて、試合を通して主審にずっとアドバイスをしてる方やほぼ何も言わない方も。主審とのパワーバランスとかあるのかなぁとか思いながら見ています。

そして、試合中判定に納得がいかない監督がヒートアップして運営担当の私に「今の違うだろ!」とか激しい言葉を言われる事も。
「俺に言われてもなぁ...」と思いながらも気持ちは凄く分かるのでとりあえず会釈。
とにかく試合中、気が抜ける時はあまりありません。

試合終了まで

試合が終了すれば選手達がサポーターに挨拶へ。その際も何かアクシデントが起こらない様に見守ります。

ツエーゲンでは経験した事は無いのですが、負けが続いたりすると他チームでは怒号が飛び交ったり居座るサポーターも。
居座りは本当に困るので出来る限りやめてほしいです...。(他チーム運営担当談)

選手の挨拶が、終われば公式記録をチェックしてサイン。(この公式記録が全ての記録になるのでかなり重要)主審とMCにサインを貰って終了。

この後に、スタジアムの後片付けもある訳ですがホームゲームの運営って朝早くから夜までこんなにも大変なんだなぁとしみじみ。

現役選手に一度、試合運営を体験してもらうのもありかもしれませんね。

ボランティアの存在

1試合開催するのにクラブスタッフ、警備、ボールパーソン、アルバイトと100人以上の方(J1だと何百人)が関わり安心安全な運営が出来ます。

最後になりましたが、その中でも特にボランティアの方々の存在。
大好きなチームの試合も見れない、お金も貰えない。だけどクラブの力になりたい。深いクラブへの愛情。
そんな方々には感謝しかないです。ツエーゲン金沢にはボランティアをしながらもパートナー企業になってくださっている方も。
サポーターももちろんですが、クラブの事を愛する皆様のおかげで試合運営が出来る事を本当に感謝しなきゃいけないなと感じます。

現役選手達も分かっているだろうけど今までより更にボランティアの方々には感謝して欲しいです!


以上私が1シーズン試合運営を経験しての感想です。

読んで頂き有難うございました。










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