マガジンのカバー画像

創造と破壊(詞、短文、フィクション)

62
主に詩や短文、フィクションなど書き連ねています
運営しているクリエイター

2019年1月の記事一覧

元〇〇じゃない人生を全うしたい。

音楽

苦しくて心の軋む音が聞こえるとき 嬉しくてたまらないとき 心の所在が不明なほど平坦なとき 誰にも言えず心の暗闇に居るとき 自分の存在すら疑わしいとき 音楽はだけはすぐそこにある 心を映す鏡のように意味を変化させながら、 でも気づかれないようにそっと寄り添っている

アーカイブ #03 「現代を生きる」

精神心理学の世界で、不安神経症の患者に対し 「すべてのことには意味や関連がない」と説く場合がある。 一方で「人生で起こるすべてのことに意味がある」 と、多くの宗教者、哲学者は説く。 この事実だけをとっても結局は個々が人生の様々な場面に直面し、 臨機応変に心を変化させて対応して行かねばならないことがわかる。 簡潔で筋の通ったシンプルな哲学だけで乗り越えて行けるほど 人生は容易くないこともわかる。 そして世界はますますカオス度が増して、 裏の裏の裏を解読せねばな

LOST SOULS

探してるものが何なのか見えない。 多くの要素が溜まっているはずが 実はそれほど深い井戸などではなく 水は絶えず新しい道を作り流れ続ける。 光を感じる方へ意識を向け、 そこが目指すべき道に見えても たどり着く前に煙と化す雲のよう。 突き動かしている熱情が途切れないよう 薪をくべる、さらにくべる。 燃えきって炭化したカケラを、 壊れないように丁寧に集める。 しかし、かつて愛したものはもうそこにはなく 姿を変えて遠い記憶の向こうへと消え入る。

"言葉の有効性" アーカイブ#02

他人と関わって生きるということを考える。 ある程度の親密な関係になれば何かしら精神的なつながりを 求めるようになる。 しかしそれらはどこまでいっても一つになるわけではなく、 二つの糸が巧妙に絡み合って続いていくだけ。 確信的な何かを得たと思ったのもつかの間、 手の間をするすると通り抜けて落ちる。 音楽を作る作業にも似ている。 ほぼ無意識に音を紡いで気がつけばある程度の尺の音楽になっている。 どうやってそこにたどり着いたのか説明も出来ない。 人との関係も同じ

クリエイション

独創性、創造性を含んだものをクリエイションと呼ぶ。 巷に溢れているものを更に増幅させることをそうは呼ばない、 僕の場合。

2019

人生で初めて初日の出を見に行った。 誰も知り合いの居ない海沿いの街で、 雲間から強烈な光線を放つ太陽の力強さを堪能した。 1億4960万kmもの距離から地球を照らし続けている。 元旦。 礼節は重んじても、 新年に際してごく身近な大事な人以外と 共有すべきことなんて僕にはないと分かった。

アーカイブ#01 "12.18.2018"

写真のデータから2008年12月18日、要するに10年前の今日の撮ったもの。 恐らく早めの時間自宅で時間を過ごし何かしらのプライベートなパーティーぽいことのために外出した。 本当はこの後にいろんな写真があって、その中には自分を含む楽しげな光景が展開されている。でもその中に若くしてこの世を去った友人が写っていて載せる気にならない。 人生の長さや内容が平等かどうかは個々の物差しで変わる、しかし死は平等にいつか必ず皆にやってくる。 悔いのない人生とは何なのだろうか。 突然やってくれ

What is life.

昨年の夏の初めごろ、30年以上の付き合いになる友人を亡くした。 人が死んで行くのはむしろ当たり前のことだけれど、 その理由や逝き方によって何とも遣る瀬無い気持ちになる。 言葉にするのが難しいけど、決して良い別れではなかった。 すぐ上の姉と同級生だった彼は5歳年上で、 十代の半ばを過ぎたばかりの僕に音楽をキッカケに様々な尖ったカルチャーの扉を開けてみせてくれた。 その後僕は二十代の前半に上京して、人生の半分以上を東京を中心に、世界をも知る機会に恵まれている。