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友井川拓note -Vol.9 『失敗セヨ』

こんにちは、今週末いよいよジャパンラグビートップリーグ開幕です。
ラグビーをこうしてまた皆様の前で出来ることを幸せに思います。様々な人の努力で開催出来ることに感謝して選手達に思いっきり楽しんでもらいたいですね。

話をいきなり変えますが。笑
ラグビートップリーグは日本ラグビーの最高峰のリーグです。日本のトップ選手はもちろん海外のトップレベルの選手も多く来日し活躍しています。そんな刺激的な環境でコーチという仕事をしていると気がつくことがあります。それは、世界のトップクラスの選手でさえ、毎日本当に多くの失敗をしているということです。私も現役時代には数え切れない失敗をしてきましたし、現在もそれは変わりません。

失敗を避けては成功はない。といった名言を多くの著名人が残していますが、それは真実でしょうか?

私は真実だと確信しています。
なので今回は「失敗と成長がどのように繋がっているのか」について書いていきたいと思います。

失敗を恐れない

私には5歳と3歳の2人の可愛い可愛いとても可愛い娘がいます。
子供達と接していると驚かされるのは、成長のスピードが半端ないということです。笑
先週に出来なかったことがあっという間に出来ていることに日々驚かされます。
スポーツで例えるとルーキーが著しく成長し、ベテランよりも大きな成果を上げることも珍しくないですよね。

2つの例えに共通するのは、月並みですが失敗を過度に恐れないということだと思います。しかし、スポーツ界では長きに渡り活躍している選手・活躍した選手がいます。その選手達も同様、失敗を恐れずに日々試行錯誤を繰り返し、成長を止めないことが素晴らしい成功の大きな大きな要因だと思っています。

後ほど紹介しますが、『失敗の科学』という本でこのような記述があります。

『成功への一番の近道は、失敗を超高速で繰り返すこと』

「成功する為には、失敗してはいけない」ではなく。「成功する為に失敗する」と捉えることが大事ですね。

PDMCA(Plan Do Mistake Check Action)

私はインスタグラムでNewsPicks[ニューズピックス]のアカウントをフォローしています。その中の1分読書というシリーズが好きなのですが、Jリーグの村井チェアマンのインタビューの抜粋に関する投稿がありました。やっぱり村井チェアマンはすごいですね。


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MISTAKEを置く。PDMCA...。
ミスが成長の為に欠かせないと確信していますね。そして、それを働く従業員にも公言するというところが素晴らしいですね。

「失敗の科学」から考える

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「失敗の科学」という本でこのような考え方を学びました。
 
失敗を隠し何も学ばないことを「クローズドループ」、失敗をチャンスと捉え進化することを「オープンループ」。といいます。失敗を隠していては成長はありません。それは個人においても組織やチームにおいても同じですね。皆様の組織はどうでしょうか?オープンループかクローズドループか再考してみるのもいいと思います。

本書ではマージナルゲインという思考法の重要性についても書かれています。これは「1%の戦略」とも呼ばれ、目標を細かく分解して小さな改善を1つずつ改善していくことです。毎日1%ずつ試して失敗を改善していくと1年後には38倍の成果が得られるといいます。詳しくは省きます、小さな失敗を改善する=成功のもとということですね。

失敗はした方がいいではなく、欠かせないもの

村井チェアマンのお話と、「失敗の科学」の2つの例をあげましたが、ただミスをすればいいということではありません。

レアル・マドリード監督のジネディーヌ・ジダンもこう言っています。
「失敗は致命的なものではないが、変わろうとしなければ致命的なりうる。」

大事なことは失敗を成長に繋げるということです。失敗し、検証し、改善する。それを繰り返す。また繰り返す。また繰り返す。
成長する選手、成長しない選手では失敗の受け止め方が違います。成長する選手は失敗を自分の能力を伸ばす上で「欠かせないもの」としています。そして知性や才能は努力次第で伸びるという「成長型マインドセット」を持っていることが多いように思います。

個人のマインドセットも重要ですが、それにも増して組織のマインドセットも重要になります。それは企業やスポーツチームもそうです。「固定型マインドセット」の企業やチームではミスや非難を恐れて社内で失敗・ミスの隠蔽が目立つといいます。そこに成長はありません。

指導者やコーチは失敗ができる環境を作ってあげることが重要です。それは学生でも社会人でも同様、小学生でもトップアスリートでも同じです。失敗から積極的に学習する環境を与えることでより成功する人間になることが出来るはずです。

気をつけなければならないのは、経験が増すと「わかったつもり」になり、学び難くなるものです。『失敗の科学』にも以下の記述があります。

ダートマス大学の経営学教授、シドニー・フィンケルシュタイン氏は『名経営者が、なぜ失敗するのか?』で致命的な失敗を犯した50社強の企業を調査した。すると、会社の上層部に行けば行くほど、失敗を認めなくなることが明らかになった。

「わからないこと」よりも「わかったつもり」でいることの方が余程問題です。しかし人間は油断すると誰でもそうなりえます。いい意味で自分の考えにも常に否定的な目を向けて、自分の中の当たり前を疑うマインドを持っておくことが「成長」には欠かせないものだと思います。

#モンキー・ファースト

最後に、その失敗は本当に「実現したいことに必要な失敗なのか?」ということも立ち止まって考える必要があるということだけ理解すべきだと思っています。グーグルの研究所「X」では「問題の一番難しい部分から始める」ということを促しており、モンキー・ファーストという例えを用いています。

[モンキー・ファースト]
柱の上で猿にシェイクスピアの話を暗唱させるといういう夢を実現したい場合、普通のチームであれば柱を立て、そのてっぺんに台を設置することから始めるだろう。その部分はすでにどう取り組めばいいかわかっているから。しかし言うまでもなくむずかしいのは猿を調教する部分である。それが不可能であることがわかれば、それまでに他の部分に費やした時間は無駄になってしまう。

失敗することはとても重要です。ただ実現したいことにその失敗が必要なのかは常に振り返る必要があります。上司やコーチも部下や選手が見当違いの方向性であれば質問を繰り返しながらどのような失敗を積み重ねるべきか軌道修正を行う必要があるかもしれませんね。

まとめ

失敗は怖いものですよね。特に歳を重ねると...。
私も失敗をする勇気をもっともっと持とうと思います。ルーキーの時は何も恐れずに高速で成長していたような気がします。竹原ピストルが「必要なのは走り続けることじゃない、走り始め続けることだ。」と歌ってますが、成功の為に失敗し続け成長し続けることが重要ですね。最後までありがとうございました。

それではまた。トップリーグの開幕が楽しみです。

#ラグビーで会いましょう



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