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UNSUNG HEROES-Vol.8_亀村 昇平

アンサング・ヒーローズ。名も無きヒーローたち。シャイニングアークスにも、普段スポットライトを浴びることなく選手を陰で支える、縁の下の力持ちとも言えるスタッフがたくさんいます。そんな彼らに、少し陽の当たる場所に出てきてもらうシリーズ企画です。第8回目の登場は、アシスタントアナリストの亀村 昇平氏。

チームに入った経緯

高校(慶應志木高校)からラグビーを始めました。その時のコーチが浦野さん(浦野龍基データコーチ)だったんです。大学は慶應の経済学部に進んだのですが、高校ラグビー部時代に怪我が多くて、大学ではラグビーを続けませんでした。その浦野さんから大学1年の春休みに連絡があり、1年振りぐらいに会うことになりました。今NTTコムラグビー部でアナリストをしていて、アシスタントを必要としていること、そしてNTTコムラグビー部がどういうチームなのかとか、アナリストの仕事とはどういうものなのかとか、すごくたくさん話してくださりました。

話を聞いて面白そうだなあと思ったので、クラブハウスを見学に行って、練習とか見させていただいて、やってみようかなあと思いました。

一番最初に来た時には、まずこの施設がすごいと思いました。自分が知っているラグビーというのは、高校ラグビーまでだったので、プロ選手の体の大きさだとか、コンタクトの音だとか、ラグビーに対する姿勢であったり考え方とか、すごい驚きというか、高校生の時に知りたかったなという思いはあります。

大学2年の5月頭からアシスタントアナリストとして働き始めました。1年目はインターン見習いとして、交通費だけもらって週に2回〜3回ぐらい仕事していました。他のバイトと掛け持ちしながらやっていたのできつかったです。1年後の大学3年生になってからは、週3日〜4日ぐらい、きちんと賃金をもらって働いています。

亀村ドローン写真合成

浦野データコーチが亀村氏を誘った理由

いやー、それは僕も聞いてみたいところなんですが。まず大学で体育会に入っていないところと、ちゃんと挨拶ができるとか真面目なところと言われました。辞めるまでに訊いてみたいですね。そのほかにも色々と訊いてみたいことがあるんですけど、やっぱりどうしても話す時の関係性が高校生の時に戻っちゃうんですよね。早慶戦とか出ていたすごい方だったので、憧れとか尊敬のイメージが今でも強くて、いまだに話す時に緊張してしまうんですよね。話す時に高校生の自分がいるのが3年間抜けなかったです。

(浦野龍基データコーチに訊く)
大学1年生か2年生ぐらいですぐに働ける人間を探していました。そして若くてもちゃんとラグビーの話ができる人、アナリストのアシスタントができるっていうフィルターでかけたら、候補は一人か二人ぐらいしかいなくて、亀しか残りませんでした。まずラグビーが好きであることはもちろん、アナリスト的な観点でラグビーが好きな人、かつ真面目に仕事ができそうな人、そしてある程度理解力が高い人。そう考えると、自分が持っている人脈の中で彼が一番向いていると思ったので声をかけました。

予想通りといえば予想通りだったのですが、すごくよく頑張ってくれたと思います。手が掛からなかったですし。僕自身がアナリストの仕事を始めたばかりでしたし、手とり足とり教えているヒマもなかったので、勝手に学んで勝手に仕事してくれる感じを望んでいたので、そこはよかったです。

インターンとして何をやるかはその後の人生において大きな影響を与えると思っていましたので、ここでインターンをしていなかった未来よりもよくなってもらいたいと思いました。貴重な時間を預かるわけですから、こっちとしても責任はあると感じていました。とはいえラグビーのアナリストとしてやっていたことが、これからの仕事に直接生きることでは無いかもしれないので、ノースキルの人間がどうやって役に立っていけるかとか、仕事を通じてステップアップしていけるかとか、社会に出る前にここでなんとか身に付けられるうようにすることが、彼へのお金以上のリターンだと思っていました。実際、彼は頑張ったし、その経験はさせてあげられたのかなと思っています。

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やりがいを感じる時

色々教わっている中で、試合のスタッツをつけて、そこからどういうアウトプットを出せるかという思考的なところではコンサルティングと共通する部分があるんじゃないかと感じています。考え方であるとか、ラグビーという競技以外の部分でも日々勉強になっていると思います。

入った時に比べたら、自分の考えていることや視点を、人に伝えられるようになったと思います。拓さん(友井川拓バックスコーチ)やノブジさん(斉藤展士フォワードコーチ)が「僕もそう思う」と共感してくれて、選手にレビューして「今週はこうしていこう」という、チームの意思決定に自分が関われたことが面白みとしてあります。

「俺たちの仕事は、チームの未来のスコアを変えることだ」といつも言われていましたので、そこにどう貢献できるかというのは、練習でも試合でも意識していました。

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シャイニングアークスで学んだこと

常に目的意識を持って取り組めということを、ここで学びました。それは1年目からすごく言われていました。浦野さんがよく例に出していたんですが、昔の中国のレンガ職人がレンガを作る時に、万里の長城を築くために作るのかただ単に家の外壁とかのために作るのかでは、目的が違うし取り組み方も違ってくるだろうと。試合後のコーディング作業とかも、スタッツをつけていく時にただ単に作業ベースにならないで、未来のスコアを変えるためにどういったコーディングをすればいいのかとか、意識づけを学びました。それは、就職した後も使える考え方かなと思います。

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大学生活とインターンの両立。そして社会人へ

大学2年、3年のスケジュールはほぼほぼ埋まっていましたね。僕は授業もちゃんと受けていましたし、社会保障のゼミにも入っていました。バイトもしていて、ラグビー部の仕事もしていて、結構通勤時間もかかるので。

社会人のラグビー部は、シャイニングアークスしか見ていないので他はわからないのですが、アットホームな優しい雰囲気もすごくあって、職場としてはすごく働きやすかったです。困ったことがあったら、スタッフの皆さんだけでなく、選手も声をかけてくださいますし、「亀ちゃん、今日調子どお?」とか、優しさを感じました。

この4月からコンサルティングの会社に就職します。大学3年の時、就職を考える時期になって、どうしようかなって正直迷いました。インターンとしてやっていく中でやりがいも感じていましたし、面白みも感じていたのですが、このままラグビーの世界に入っていいのかという思いもありました。そこで一回外の世界を見てみたいという気持ちの方が大きくなりました。

あと、親に進路を相談した時に「そういうことをさせるために慶應に入れたんじゃない!」と言われてしまい…笑

正直、また戻りたいっていう気持ちもあります。今後どうなるかは自分でもわかりませんが、まずは就職する会社でやってみてからまた考えたいなとは思います。

もちろんトップ4とか優勝するところは、一ファンとして見てみたいなあと思います。そこに自分が関われるかどうかはわからないのですが。

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