(2)無料の労働相談で何ができたか。当てにしてはいけない。味方ではない。

労働局に相談に行った。受け身では絶対にいけない。労働局は味方ではない。

一方的な減給を提示され、「イエスかノーか返事は明日。話し合いの余地はないから」など、散々ひどい言い方をされた私は、厚生労働省の管轄の、労働局の無料の労働相談に行きました。全国各地にありますね。

ここで大事なことは、まず自分の状況をしっかり伝えること。これはどういうことかというと、まず就業規則とか雇用契約書とか、雇用形態がどうだったか。いつから雇用されてるのか。労働時間はどう管理されているのか。タイムシートはあるのか。給料明細はどうなってるのか。とかです。

「お給料下げるって言われたんです!ひどいですよね!一方的にやってはいけないんですよね!罰を与えて下さい!」は通じません。会社の仕打ちがひどいとしても、それをきちんと証明できなければいけないんです。

就業規則はありますか。零細企業だったらそんなものない、ということもあるでしょうし、10人以下の企業だったら作成しなくていいことになっている場合もあるようです。大体、そんな法律はほとんど知りませんね。でもこれがかなり大事になります。就業規則がないならないで、ちゃんと確認しておくことです。なぜなら、全部就業規則に書いてあるからです。
ネットで見本の就業規則をそのままコピーして使っている会社もあるでしょう。会社側も社長次第、担当者次第ですが、無知な会社は相当多いでしょう。
就業規則には懲罰とか、社員の義務とか結構細かく書いてあるもので、解雇を言われる場合は、「就業規則の〇条に違反したから」と言ってくるわけです。
実にそこは会社が都合よく解釈するでしょう。「仕事の能力が」とか「連絡がつかなかったのは業務放棄だ」とか。
就業規則は会社の憲法みたいなものです。といっても、もちろん一般社会の労働法の方が上です。

日頃の業務の状態も大事です。労働相談には、会社からの入社案内とか募集要項、給与明細とか規則類、メールのコピーなども含めて持っていった方がいいでしょう。

そして、どうしたいのか、というのが非常に大事です。「その会社を怒ってください」じゃ通じません。隣のブースで相談していた人はパワハラで退職したようで、泣きながら在職中のパワハラを訴えていましたが、相談員はそっけなかったですね。「でもさ、あなた会社もう辞めちゃったんでしょ。だったらパワハラやめてください、っていうのは言えないよね」。
「でも辞めると言うまですごく言われたんです」「でも辞めたんだよね、辞めたんならパワハラやめろっていうのはできないよ」という感じ。
確かにそうなんですよね。在職中のパワハラを訴えたいなら、自分が受けた被害をもっとしっかりと言わないと通じません。ただ「ひどいんです!」とだけ言っても相談員が相手にするわけないんです。

わたしは在職中に何とか時間を作って何回か通いました。そして少しずつ要領を得ることができました。まず在職中と退職後では、出来ることがちがいます。在職中でも、「実際に被害が生じているのか」もポイントになります。「給料下げるから」と脅されても、実際にまだ下げられていないのだったら何もできないよ、というようなことを言われます。
ちょっと意地が悪いように感じましたが。

「給料下がるのは嫌だって言えばいいでしょ」とか、「そんなのおかしいです、って会社にちゃんと言ったの?」とか。そんな抗議がちゃんと通用するような会社じゃないから困ってたんですけどね。でも相談員からは「自分である程度は会社と交渉してから来い」っていう感じでした。

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