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N市の消防署のリアルな1日

まず消防署は年中無休です。365日24時間人がいない日はないです。でも消防士も人間なので休みは必要です。なので、二つのグループに分かれて消防署を回しています。このグループを一課と二課と名付けて分けています。なので、1月1日が一課の当番(消防では勤務のことを当番という)なら1月2日は二課の当番になるわけです。これを踏まえて1当番分(朝8:45から翌朝の8:45まで)の流れをかなり細かく紹介していきます。

7:30 消防署出社

 スーツ出勤で公共交通機関です。着いたら急いで活動服に着替えます。全ての出動事案に対応できる服装で、消防士の基本の格好です。


7:40〜8:30 雑務 

・食堂の準備(コーヒメーカー、お菓子の補充、お茶のピッチャー、ゴミ出し、流しの清掃等) ・洗濯機、乾燥機のフィルター掃除  ・昼の弁当注文の表作成(その日の勤務する人全員の弁当の種類、ご飯の量) ・通告準備(昨日の反対の課の当番の報告事項などを毎朝共有する通告という会議の準備)  ・水場清掃(消防署には洗面所が至る所にあります。それらに水垢があると上司に怒られてしまうので常に綺麗に保つ必要があります。)  ・緊急車両にキー刺し(毎朝の車両点検の時にすぐ車にエンジンをかけられるため)


8:40〜9:40点呼、車両点検

 点呼後毎朝のそれぞれが配置されている担当の緊急車両の点検を行います(灯火点検、資機材点検、個人装備等設定等)


9:40〜10:00体操及び体力錬成

 毎朝新人が大声を出して号令をかけながら体操及び体力錬成を行います。(これも順番や掛け声のテンポなど細かいルールがあり緊張します笑)


10:00〜10:20朝の通告

 昨日の反対の課からの申し送りなどを伝達したり市の職員全員に向けた情報などを伝達する言わば会議みたいなのを事務室で全員で行います。


10:20〜11:30事務処理等

 この時間は日によって違いますが消防職員は意外と事務処理が多くそれぞれ担当の業務が振り分けられており ・消防団・情報(市内の通信関係)・管理(所内の設備や備品、個人装備、車両の管理)・地域(個別訪問という地域の防災意識を高める活動のまとめ)・訓練 の五つに振り分けられます。この担当の仕事は一年目では割り振られておらずひたすら雑務をするか自主訓練をするかなどです。たまにやる気のある上司が暇をしていると訓練を行なってくれます。


11:30〜13:00昼休憩

 一応昼休憩ですが新人に休憩はなく先輩たちの食事の片付けや用意をする他に、風呂場の掃除等雑務をみつけて時間を潰します。(昔は若手がご飯を作っていたようですが今はコロナ対策やパワハラ防止などの観点から昼は各自で用意しています。)新人は先輩たちが食事を済ませた隙を見て急いで済ませます。


13:00〜17:00事務処理等

 午後はたいていは訓練担当の上司が訓練をしてくれます。三連梯子の取り扱いや、火災現場を想定したホース延長訓練、防火衣の早着替え練習などを行います。


17:00〜17:25夕方の通告

 朝の通告同様1日あった出来事や署員全員への徹底事項など様々な事を伝達する会議をします。


17:25〜17:40車両点検、点呼

 朝の車両点検ほどではなく、車両の外観を点検するのみです。そして署前に一列に並び敬礼をしてA勤(8:45〜17:30の勤務時間のこと)を終えB勤(17:30〜翌朝の8:45)に入ります。B勤がはみんな少し気が抜けて優しくなります。(人によるかも笑)


17:40〜22:00夕食、事務処理、風呂

 この時間で夕食を済ませ、風呂に順番に入り事務処理等を済ませます。もちろん若手はご飯も風呂も最後の方です。用意や片付けもすべて若手の仕事です。お風呂の用意、国旗の片付け、車庫のシャッター閉鎖等の雑務

そして一番若手が寝れなくなる原因が洗濯物です。上司全員が風呂を順番で入るので最後の人が終わるのが大体0:00くらいです、そこから洗濯物を回して乾燥機にぶち込むまでは寝れません笑この洗濯をいかに早く終わらせるかが少しでも仮眠時間を作り出せるかの勝負です。笑


22:00〜7:30夜勤

 この時間は夜勤の時間で6班に分けて交代で仮眠をとります。起きている人は出動指令に待機するため通信室で起きています。出動指令がかかった場合、該当する隊員の仮眠室のライトと音声を流す仕事があります。その他通信室の隊員は警察に電話をかけたり、無線の内容を聞き取ったりと意外とやることが多いです。これを夜勤の時間は6班に分け1班3時間半の夜勤をして回しています。若手は仮眠を取るのにも気を使います。先輩の「もう寝ろよ〜」の声かけが3回くらいもらえないと寝ることが難しいです笑 朝もみんなより早く起きてやることがあるのでほとんど寝れないと思ってもらっていいです。笑 最近は昔に比べてましになっているらしいですが、、、。汗


6:00起床 新人は大体この時間に起きます。

6:00〜8:45雑務

  朝食の準備(作るわけではないです)、シャッター開け、国旗上げ、洗濯物たたみ、風呂場の水抜き、洗濯機乾燥機のフィルター掃除、洗い場清掃、ゴミ出し、放送範囲の設定、水道ガス電気のメーターの記録、車両拭き、個人資機材撤収、コーヒーメーカーお茶のピッチャーの撤収、食器の片付け等 これらの雑務が終わると自然と8:45になり帰ることができます。


もちろん上記のスケジュールの中で自分の編成されている車両に指令がかかればなにをしていようと中断して出動します。風呂に入ってぐちゃぐちゃの状態でも仮眠をとって寝ぼけていてもです。


あと消防職員は残業はどうなんだといわれると、ほとんどないです。8:45には反対の課が出勤してくるので邪魔になってしまいます。そして一課と二課は共同で資機材やデスクなどを使っているのも理由の一つです。

一つだけ例外があるとしたら翌朝の8時あたりに指令がなると残業確定ですね笑 救急指令だと出動から帰署までが平均2時間火災指令は規模によりますが、大きいと十時間を越すものもあります。そしてなにより帰ってきてからの出動内容を打ち込む事務処理が一時間くらいかかります。


いかがでしたか?少し細かすぎたかもしれませんがなかなかここまで細かく紹介している記事は少ないと思い投稿してみました。笑 

なにかのきっかけで見てくれた人が面白いと思ってくれたら嬉しいです。

ここまで読んでいただき本当にありがとうございます!!これからも消防の公開可能な知識や体験を発信していきます!他には自分自身の人生の熱血エピソードなんかも発信していますので閲覧してくれたら嬉しいです!

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