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自作品とコンセプトととット


今日は本業の自分の作品の事をタラタラと。
作品って、観てそのまま何かを感じる考えるってのもあるけど、作者の背景やコンセプト知るとまた違った観方が出来て楽しいよね。
そのコンセプトが過去や現在、未来を行ったり来たりの旅をさせてくれたり、色んな場所に連れてってくれたりと自由自在!
そんな幅の広さや深さのある立体的な作品作れればなって思いながら作品作ってます。

さてさて、という事で其々の僕の作品について話していこうと思います。どうぞ宜しくです。

先ず、自分が作品作りで考えてる事は以下です↓

私のコンテクストの根幹の1つには、日本が創るアイデンティティの探求があります。
それは、日本の風土から来る宗教観を元にしたテーマ設定で、日本が近代化する中でも、尚、残り続けた日本特有と考えられる価値観や文化をテーマにした作品になります。
私の作品をみると、古代から現代が混ざり合った作風になっています。それは、時間の流れを描写する事で、普遍を表現したいという思いがあります。
時代は常に移ろい、姿や形を変えて行きます。
しかし、その中でも、変わらないモノもあります。
そういった時代の変化の中に於いても変わらないモノにこそ、ある種の普遍が在ると考え、其々のモチーフのテーマの中にある時の流れを1つの作品に組み込み、それを表現しています。
そして、影響を受けた表現といえば、漫画やゲーム、アニメといった、幼少期より親しんできた表現です。
漫画やゲーム、アニメといったサブカルチャーが日本的表現の延長線上にあると見たときに、その先にある表現の未来は何なのか?それを私が産み出すことができればと思っています。

次に、其々の作品の事を話しまする。

1.招キ猫様シリーズ

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招き猫は古くより日本で願いの対象でした。その招き猫の背景には太陽の様な光が放射線状に出ていて、それ自身からは光が溢れかえっています。
それらのイメージは私自身が幼少期より美的感覚の形成に大きな影響を与えたアニメ「ビックリマン」のオープニングから受けたインパクトの記憶のイメージにより生み出されました。
ビックリマンは登場人物に天使や日本武尊と素戔嗚尊をモチーフにした主人公、ブッタや七福神とあらゆる宗教の垣根を越えた登場人物達によるアニメで、当時の私にはとてもカオスで、それが美しくも見えていました。
そのカオスの中に産まれる美をこの招き猫に重ねて描きました。
招き猫には疫病退散の意味もあります。このコロナにより、更に混沌を極めている時代に於いて、少しでも人の心の助けになる事を願うばかりです。

2.達磨大師シリーズ

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禅の創始者とも言われる達磨をモチーフに制作しました。
自作のモチーフの一つとして、日本美術の伝統をベースとして、その延長線上にいる自分が、今生み出せる作品は何かという考えで制作しています。この達磨図はその挑戦の一つです。

3.シシ神様シリーズ

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これは日本の山岳信仰における、山神様をモチーフに制作しました。
国土の7割が森林である日本は、古くより自然を意識せざるおえない環境下にありました。そういった風土によって自然は畏怖の対象となり、現代にもその考え方は有り続けています。そういった日本人としての在り方の一つを表現できればと思いました。

4.寒山拾得

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この寒山拾得は2015年に水墨画として初めて制作した作品です。京都でご縁を頂き、様々な方とお会いする中で産まれた作品です。
寒山拾得は普賢菩薩、文殊菩薩とも言われ、禅画でよく画題として描かれたモチーフです。
当時、自分の実力の誤魔化しが効かないと言う理由で、水墨画を描く事を避けてました。しかし、この寒山拾得の画題をある方から頂き、それならと挑戦して描いた結果、思いもよらずご好評を得て、これをきっかけに多くの仕事やご縁も頂きました。
寒山さんと拾得さんは其々、奇行が目立ったと言われる人で、様々な解釈がされている画題です。
禅仏教には「あるがまま」という言葉をよく言うそうです。自分が絵を描けないという現実を受け入れて、そのままを描く事で良いんだと言う教えをこの絵に頂きました。

ってな感じで、僕の作品の一部のコンセプトをお話させて頂きました。
まだ他のシリーズ作品もあるけども、また追い追いその時々でお話出来たらなって思ってます。

最後まで読んで頂き有難う御座いました。

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