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仕事とはなに?

仕事とはなんでしょうか?

先日、小川仁志著『図解小川仁志のやさしい哲学教室』の「哲学者トマス・アクイナス(1225?〜1274)」の項を読んでいてふと思ったことは、

仕事🟰公共善

なのではないか、ということです。

公共善とは、「個人のための善と対比して、個人を含めた社会全体のための善。」(コトバンク)

と書かれています。

つまり自分だけのためではない。しかし、相手のためだけでもない。自分と相手双方が利益となるようなことをする、ということなのではないかと思います。自分も含めた社会のためにすることが仕事なのでしょう。

よく言われているような

自分のやりたいこと(欲望?)✖️他人のやって欲しいこと(ニーズ)

🟰公共善

と言う意味なのでは、と思います。

またハンナ・アーレントさんの項を読んでいて人間に必要なことは「労働」「仕事」「活動」であるということが書かれていました。

「労働」(labor)
生命を維持するために必要なものを作り出ことや消費すること(料理すること、食べることなど)

「仕事」(work)
ある程度の耐久性を持つ消費の対象を作ること。人工物(例えば道具・建築物など)を作ること。

「活動」(action)
言論による草の根の政治活動。(地域活動など)

(小川仁志著『図解小川仁志のやさしい哲学教室』より)

こう考えてみると今までの「仕事」の概念が少し変わったように思います。自分の考えていた仕事というのは、ここでは「労働」と「仕事」を合わせたような意味合いでした。そして「労働」や「仕事」はお金を稼ぐということ以外に生きる上で必要なものである、ということを思いました。労働とは古代ギリシアにおいて奴隷が担っていた、ということですが、やはりある程度労働することも必要なのでしょう。

余談ですが、昨今の議論の中にBI(ベーシックインカム)というものがあるのですが、(これは機械に労働を担ってもらい、その利益で国民の生活費をまかなう、という制度です。)「労働」とは先も言ったように、「人間にとって必要なこと」であるとすると、労働するということが言ってみれば「奪われる」ということに繋がらないか、ということをふと思いました。。

話は変わりますが、「仕事とはなんですか?」とBing(AI)に尋ねてみると、

「仕事とは、何かを作り出したり成し遂げたりするための行動や、生計を立てるために従事する職業のことです。仕事には様々な種類や定義がありますが、一般的には、 仕事とはお客様に価値を与えることだと言えるでしょう。仕事をすることで、自分の能力や人間力を発揮したり、社会に貢献したりすることができます。仕事に対する姿勢や考え方は、人や組織によって異なりますが、仕事の定義を自分なりに明確にすることで、仕事の質ややりがいを高めることができます。」

ということでした。
つまり誰かに何かを提供するということなのでしょう。例えば音楽を聴くことは娯楽かもしれませんが、自分が音楽を提供するならそれは仕事になりえます。おっと、これは私の願望でした。

もちろん仕事はお金を得ることが前提な訳ですが、「生きがい」とか「やりがい」とか「やりたいこと」とかそのために行うことも仕事であると思います。

岩橋文吉著『人はなぜ勉強するのか 千秋の人吉田松蔭』の中で吉田松蔭は、まず自分の「これがやりたい」ということや向いていることを見つけて、それを公(おおやけ)のためになるくらいまでブラッシュアップする。それがその人の新骨頭(真骨頂)でそれを発揮するために勉学、学問をする、ということが書かれていて、まずはそのような自分のやりたいことを探してみる、ということからスタートして良いと思います。

それが結果的に他人のためになっていてば、ひいては「公共善」ということに繋がるのではないでしょうか。

以上です。

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