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【ラグビーにおけるワークロードモニタリングについて#8】Looker Studioを利用したダッシュボードの作成①-2

◆はじめに

過去に紹介してきたLooker Studioの利用方法から、さらに細かく分類されたデータを可視化することで、試合に向けた準備を再現性のあるものにしていきます。
また、怪我人が復帰していく過程を定量的にコントロールすることができます。

本記事によってこのようなダッシュボードを作成できるようになります。

ダッシュボードを利用したレポート


*本記事におけるデータは全て架空のダミーデータとなっています





◆Training Session Demands

ラグビーは基本的に試合が週1回なので、その試合に向けたサイクルでどのような負荷がかかっているか?をモニタリングする必要があります。
また、週単位だけでは週内の内訳が分からないので日毎のデータも併せて評価します。


その際、外的負荷(GPSなど)または内的負荷(sRPEなど)のデータを個人別で網羅したファイルでは

1週間の合計で特定のポジションにかかった平均の負荷

をみることは出来ません。



また、上記のカテゴライズでデータを確認する際は、怪我人や練習に部分参加した選手のデータを平均から除外します。


その作業を経ることで算出した平均値をもとに、怪我をした選手へ段階的な負荷をかける際の指針が明確になります。

Game Demands や Worst Case Scenarioだけではなく、 Training Session Demands を定義することで、負荷の急激な上昇を回避することが出来ます。


◆グループ分け

ラグビーであれば

・PRとHO が Front Row
・LOとFLとNo8 が2nd/3rd Row
・SHとFHとCTBとWTBとFBがBK

のように、ポジションを役割によってグルーピングします。このグルーピングは練習内容、チーム戦術によって異なります。


同じような要求があるポジションを同じグループにまとめて、個体差としての差ではない要求としての標準偏差が小さくなるようにしましょう。
ラグビーコーチと一緒に決めるのが望ましいです。



◆怪我人とModified Playerの把握

その日のセッションに参加せず全て別メニューの選手と、ドリルによって参加状況が変わるModified Playerの情報を把握します。
Training Session Demandsを算出する際は、そのような該当者のデータを必ず除外しましょう。

GPSデータやsRPEを処理する過程で抜け、漏れがないようにチェックします。
この作業が非常に大変です。うまく関数やAIを使って正確かつ迅速に処理します。

データ自体に後付けでタグ付けする方法もあります。

1.Participation in all
2.Modified
3.Reconditioning
4.Others

のように列を新規作成して埋めていくことで、全選手のデータを残しながら、フィルターをかけて希望するデータを閲覧することができます。


選手のカテゴリ分け
カテゴリ分けされたGPSデータ


◆平均値の算出

各グループの構成メンバーが ①セッションの正規プログラムに全て参加している ②該当のグループに所属している ことを確認して、各項目における平均値を算出します。

各グループごとの平均値


この平均値を算出するには....






これより先の部分は

【ラグビーにおけるワークロードモニタリングについて#4】Looker Studioを利用したダッシュボードの作成①

の続きとなります。本記事は独立した内容ではなく、既に下記の記事におけるダッシュボードが作成された状態から解説が始まります。


過去の記事を購入し、かつ本記事の内容に興味のある方がご購入頂ければ幸いです。


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