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BtoBインサイドセールスの徒然なるままに(営業?の返し方編③)

みなさまご無沙汰しております。前回の続きです。

新人営業マンAさんの質問
新規営業活動でテレアポをしたら、受付に「営業ですか?」と聞かれます。「営業です」「営業じゃありません」のどちらが正しいですか?

と言うご質問に対し、受電者何はを基準に「営業ですか?」と断り文句を発するのか?

「怪しい?」と思う 受電者の経験則から判断する「NGセンサー」
・意識した喋りかた/元気な喋りかた
・まるで文章のような敬語(贅肉)
・間が持たない ・間が持たない

今回は「間が持たない」について説明いたします。


一般的な電話コミュニケーションの「間」とは?

電話先の相手に「理解してもらう時間」を確保する、もしくは相手に「考える時間」を確保することが「間:マ」と呼ばれています。

顔が見えないコミュニケーションである電話は、相手の表情がわかりません。そのため物理的な時間を相手に与える「間」を作ることで、相手と円滑なコミュニケーションを取れるという寸法です。


一般的な電話コミュニケーションの「間」って何秒?

間の取り方は場面によって様々ですが、電話テレコミュニケーションの研修を受けると大抵は「1秒」だったり、それこそ「マ」と発声するくらいの時間だったり教えてもらいます。理由は忘れましたが・・・なんかちょうど良いらしいです(笑)

ここら辺のお話は、電話コミュニケーション研修などで調べると色々とブログなどが出てきますので、そちらで勉強してください。


「間」があると断られるんじゃないの?

ここからが本題

新人スタッフさんに「間」を持たせろと教えると、「受電者から断り文句の反撃をくらう」などとネガティブな意見を多く貰います。

確かに「間」を持たすことにより、相手が切り返すタイミングを作ってしまうことになり、断られる確率が上がってしまうようにも考えられます。

では、本当に「間」を持たせれば、受電者からキーマンに取次ぎがスムーズに行くのでしょうか?普段から「間」を活用している新人スタッフさんの会話ログを例に、確認してみましょう。

新人スタッフの「間」を活用した会話ログ
スタッフ
「〇〇サービスの△△と申しますが、(マ)お世話になっております。(マ)総務のご責任者様にお取り次ぎ頂けますでしょうか?」(マ)
受電者「・・・」
スタッフ「本日は総務の責任者さまに、弊社の〇〇サービスについてご案内差し上げたいと思いお電話いたしました!」(マ)
受電者「・・・」
スタッフ「失礼しました。(マ)この〇〇サービスは、総務部門の〇〇業務を大幅に改善できるサービスでして、御社と同業社さまでの実績も多くあり、御社にとってもニーズがあると思いお電話いたしました!」(マ)
受電者「・・・」
受電者「・・・営業ですか?」

受電者の圧勝です(笑)


「間」よりも怖い「沈黙」

「間」を持たせたところで、相手が話さなければ、「沈黙のプレッシャー」により、スタッフは色々と説明してしちゃいます。

最終的には受電者に営業トークまでしてしまう始末。受電者は「NGセンサー」に引っかかる「キーワード」を放つまで無言で応対されたら敵うはずもありません。

こうなると、スタッフは「蜘蛛の巣に落ちた羽虫」です。もがけばもがくほど受電者に断られてしまいます。


「雄弁は銀、沈黙は金」

ここからは一般的な電話コミュニケーションでは教えない「沈黙」スキルを伝授します。

「間」を持たせたところで相手が「沈黙」したら、こちらから話さないといけない。この考え方が負けパターンに繋がることは上記の会話ログをみてお分かりいただけたと思います。

では逆転の発想で、「こちらから沈黙する」とどのように変わるのか?
おなじみ大ベテランの「Y師匠」の「沈黙術」の会話を例にしましょう。

Y師匠の「沈黙」を活用した会話ログ
師匠「〇〇サービスの△△ですけど、総務の責任者に取り次いでもらえますか?」
受電者「・・・」
Y師匠「・・・」
受電者「・・・」
受電者「・・・どのような用件でしょうか?」
師匠「・・・」
師匠「・・・はい、業務改善の件です・・・」
受電者「・・・」
師匠「・・・」
受電者「・・・」
受電者「・・・失礼しました。少々お待ちください」

怖いですねー・・・。恐ろしいですねー。

鋼鉄のハート(笑)を持っているY師匠ならではの「沈黙術」です。
受電者からキーマンに取り次ぐことに成功しております。


沈黙をしているわけでは無く「想像している」

そうなんです!お気づきになられたと思いますが、受電者は故意に「沈黙」をしているわけではありません。「沈黙」の間にNGセンサーに該当するのか想像しているわけです。

では受電者が沈黙している間にどのようなことを想像しているのか?先ほどの2人(新人スタッフ/Y師匠)の会話ログを例に受電者の心の声を追加してみましょう。

新人スタッフの「間」を活用した会話ログ
スタッフ「〇〇サービスの△△と申しますが、お世話になっております。総務のご責任者様にお取り次ぎ頂けますでしょうか?」
心の声・・・ん?だれだっけ?聞いたことない名前・・・
スタッフ「本日は総務の責任者さまに、弊社の〇〇サービスについてご案内差し上げたいと思いお電話いたしました!」
心の声「聞いても無いのに話を進めてきたな。怪しいな・・・」
スタッフ「失礼しました。この〇〇サービスは、総務部門の〇〇業務を大幅に改善できるサービスでして、御社と同業社さまでの実績も多くあり、御社にとってもニーズがあると思いお電話いたしました!」
心の声「ああ・・・やっぱり新規の営業か!よし断ろう!」
受電者「・・・営業ですか?」
Y師匠の「沈黙」を活用した会話ログ
Y師匠「〇〇サービスの△△ですけど、総務の責任者に取り次いでもらえますか?」
心の声「・・・ん?だれだっけ?聞いたことない名前・・・
Y師匠「・・・」
心の声「わからないから、先ずは用件を聞いてみよう」
受電者「・・・どのような用件でしょうか?」
Y師匠「・・・」
Y師匠「・・・はい、業務改善の件です・・・」
心の声「業務改善の件?・・・なんだったっけな?」
Y師匠「・・・」
心の声「あれ?また沈黙・・・もしかして取引先だったけか?」
受電者「・・・失礼しました。少々お待ちください」

もちろん全てがこの「心の声」とは限りませんが、概ね受電者は上記のように「想像している」と思います。

つまり前回の記事のさらに発展型と言える方法が「沈黙術」です。

言葉の贅肉を削ぎ落す(必要最小限の情報のみ与える)ことで受電者のNGセンサーの反応を鈍らせる話を前回では説明しましたが、更に沈黙を故意に作ることで、受電者に「いつも通りのテレアポ」では無く、「取引のある会社からの電話」と思わせることが可能になったのです。


高難易度の「沈黙術」を実践する方法

「いやいやわかるけど・・・新人スタッフには無理でしょ!」
「ベテランY師匠だからできるんでしょ?」

そんな言葉がうっすら遠くから聞こえてきましたので、「沈黙術」の方法を2つだけ伝授いたします。「沈黙」が難しいと考えている人は、今日からでも実践してください。

こちらから質問を投げかけたとき、その後相手が喋るまで無言

練習が必要ですが、沈黙ゲームの「ルール」として実践してください。

沈黙は慣れないと不安でしかありません。しかし、何度も何度も続けることにより沈黙は「耐える時間」から「心地よい時間」に変わります。


※10秒待っても反応が無ければ、さすがに相手が聞いていない可能性があるので、その場合は同じ質問を投げかけましょう(笑)

当たるも八卦当たらぬも八卦・・・是非お試しください!


そろそろお腹が減ったので今回はここまで、次回は「沈黙を苦にしない耳の話」をします。


まとめ

・「間」よりも「沈黙」のほうが怖い
・雄弁は銀、沈黙は金
・受電者は沈黙で「想像」している
・沈黙は使いこなせれば武器になる
・相手が話すまで話さなければよい


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