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【中医学】月経の遅れ【月経後期】

概念

普段の正常な月経周期(21~35日間)が毎月1~2週間程度長くなり、その状態が2周期以上続いているものを月経後期(別名:経行後期・経期錯後・経遅・経水過期・月経延後・月経落後)と称する。
単回の遅れや、毎回の遅れが1週間未満のものは月経後期に該当しない。また、初潮後数ヶ月以内や更年期で月経が遅延するもので、随伴症状を伴わないものは月経後期に含めない。

血寒(実寒)

寒邪外感や、生冷の食物や寒涼の薬物の過剰摂取による寒邪内生によって血の凝滞と衝任の阻滞が生じ、経血の運行が不調となるため月経後期が生じる。
【経血量】
寒邪による血の凝滞で経血が出渋るため、減少傾向となる。
【経色・経質】
経血が凝滞するため暗紅色となり、血塊を挟む。
【その他証候】
寒邪によって小腹部が冷痛し、喜温拒按となる。
【帯下】
寒邪によって適度な温煦が失調すると、質は水のように希薄となり、色は透明~白となる。

血寒(虚寒)

陽気不足により陰寒内盛することで、気化作用が低下して生血できなくなり、また、推動作用が低下して行血できなくため、月経後期が生じる。
【経血量】
気化作用低下による新血不生のため、減少傾向となる。
【経色・経質】
温煦作用の低下により血色は淡くなり、質は希薄となる。
【その他証候】
温養不足のため小腹部が隠痛または冷痛し、喜温喜按となる。
【帯下】
適度な温煦が得られないため質は水のように希薄となる。

血虚

血不足により衝任の血が虚し、血海が周期的に充足されないため、月経後期となる。
【経血量】
減少する。
【経色・経質】
血虚のため色は薄くなり、質は希薄となる。
【その他証候】
血虚によって小腹部が酸痛または隠痛し、喜按となる。

腎虚

先天不足、後天失養、多産、房労、久病などにより血の化源である腎精が不足し、衝任が虚となり、血海が周期的に満たされないことによって生じる。
【経血量】
精血不足のため減少する。
【経色・経質】
精血不足及び腎気虚による相火不足によって暗く淡い色となる。質は希薄。
【帯下】
腎の陽気不足の場合:腎気不固によって封蔵作用が低下するため、精関不固となり、だらだらと漏れ出す。腎陽火衰の程度によって色は透明~白となり、適度な温煦が得られないため質は水のように希薄となる。
腎の陰気不足の場合:陰虚火旺によって血絡を損傷することで任帯の固摂作用が失調し、粘性の赤白帯下が漏れ出す。

湿痰

外感、飲食不節、脾虚などにより湿痰が生じ、これが衝任に下注して血海を塞ぎ、経血の下行が阻害されるために月経後期となる。
【経血量】
湿痰によって生じた帯下が混じるため、一見して増えているように観察される。
【経色・経質】
経血に湿痰が混入して下るため、色は淡くなり、質は粘稠となる。
【帯下】
白色で膿のような粘稠の帯下が多く排出される。
熱を挟むと黄白色で膿のような粘稠・有臭の帯下となり、陰部に灼熱感を伴う痒みが出現する。

気滞

気機の鬱結により血が滞ることによって、衝任が阻滞し血海が周期的に満たされなくなるため月経後期となる。
【経血量】
血海が充分に満たされてないため、経量は減少する。
【経色・経質】
血瘀により色は暗く、時に血塊が混じる。

伝統鍼灸 心月院
千葉県船橋市印内町599-3 サンライズビル201号室
TEL:047-494-4240


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