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【本の感想】【第2章】公務員のタマゴに伝えたい話第2集 著;福島 太郎

こんにちは、shingoです。

前回に引き続いて第2章の感想を書いていきたいと思います。

▼アウトライン

第2章は公民館物語と題し、筆者を主人公とした「公民館の平準化」への取り組みについての創作物語です。このときの年齢は30代前半という設定です。

公民館の平準化とは、

正規 職員 の いる「 中央 公民館」 と「 パート 職員」 のみ の 配置 による「 9 地区 公民館・15 地域 公民館」 という、 新しい 体制 に する こと

福島 太郎. 公務員のタマゴに伝えたい話 第2集 (Kindle の位置No.648-649). Kindle 版.

とのことです。

もうちょっと具体的に言うと、「中央」以外の公民館はいま正職員メインで運営されているけど、これをパート職員にとってかわらせるというもの。

察しの言い方はお気づきだと思いますが、乱暴な見方をすれば人件費が高い正職員を減員させるリストラ的な取り組みです。違う見地から見れば、職員数削減、予算効率化といったメリットがあり、デメリットとしては「本当にパートで大丈夫か」という心配もあると思います。

そのため、今後予定している取り組みと位置付けられていたものの、タッチーな問題だけに手つかずの状態になっていた。それを筆者が怒涛の行動力で推進するという物語です。


▼印象に残ったこと

ネタばれに注意し、印象に残ったことラインを三つピックアップ。

「課長 補佐、 こんな ところ で 何 です が、『 公民館 の 平準 化』 に 本気 で 取り組む ので あれ ば、 明日 以降 に、 あらためて 係長 抜き で 相談 する 時間 を いただけ ませ ん か。 早急 に 私 なりの 作戦 を 考え て み ます。
福島 太郎. 公務員のタマゴに伝えたい話 第2集 (Kindle の位置No.657-659). Kindle 版.

30代前半の職員が発したとは思えないこの行動力よ!!!(*´ω`)ちなみに私はこんなこと言ったことがありませんし、聞いたこともありません。


人件費 を 削減 する こと も「 市民 サービス」 に なる ので ある が、 サービス を 享受 し て き た 者 から すれ ば、 既得権益 が 阻害 さ れ た と 感じる で あろ う。
福島 太郎. 公務員のタマゴに伝えたい話 第2集 (Kindle の位置No.671-672). Kindle 版.

そうそう!まさにそう!
我々の業界では一度始まってしまったことを止めようとすると、開始時以上に労力がかかります

結婚と一緒www

私自身経験上この重みは感じていたことから、財務部門時代には、新規の予算要求は基本的に認めない姿勢を心掛けていました。


なお、『 公民館 の 平準 化』 について は、 降っ て 湧い た よう な「 余計 な 仕事」 で ある。
福島 太郎. 公務員のタマゴに伝えたい話 第2集 (Kindle の位置No.919-920). Kindle 版.

わかる!わかるよ!

前述したように公民館の平準化は、ずっと課題となっていた事項ではありましたが手つかず状態でした。ここで一発奮起してやろうと思っても、

「完全にプラスアルファの仕事で残業増えるし」、
「なんで私がやんなきゃいけないの?今までやってないのに」

となります。実際にほとんどの職員は無用なトラブルや負担を避けるために、この手のことは避けて通る傾向が我が社でもあります。同期の言葉を思い出しました。

うちの会社ビルドビルドビルドで、スクラップが一切ないΣ(゚Д゚)

なので、こういうことをやってくれる人材は役所では本当に貴重だと思います。

▼感想

第1集のフロンティアスピリットと同様に、主人公の行動力の高さが印象的な物語だと思いました。

また、主人公を取り巻く課長補佐をはじめとした登場人物も魅力的、バラエティーに富んでいてリアル。公務の現場はこうです!これが現実です!

というか、よくここまで30代前半でがんばりましたね!というのが率直な感想です(上から目線ではありません)。すごすぎる。

また、公民館の平準化にあたって必要とされるクッション施策も複数考案されており、これであればネガティブなこともポジティブにとらえることができる工夫がされており、住民への配慮が感じられます。


今回も読んでよかったです(*´ω`)

タマシイ伝わりました、心に。

最後に読了した際に私が感じたこと(上から目線ではありません)↓

太郎さんには今後も足掻きつつ、住民のために頑張ってほしい。また、第2章にあるような血気盛んな若手職員を育成したり、見守ったり、応援していってほしいと思うのである。

太郎さん、お体にはくれぐれもお気を付けくださいm(__)m



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