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持病の事、言う?言わない?筆者は、聞かれたら言います!(笑)

筆者は現在、気分障害と不安障害があり一般企業で働けず、B型作業所を利用しております(障害者手帳取得済み、障害年金も受給中です)。
こういう状態で悩む事の一つは、出会った人に障害の事や作業所を利用している事を伝えるかどうか、です。
筆者はコミュニティが狭いので、福祉関係以外の場で新しい人と出会う機会はほとんどありません。
が、美容院やネイルサロンには気分転換も兼ねて時々行きます。
で、そういう場所に行くと、美容師さんやネイリストさんに
「お仕事は何をされてるんですか?」
って100%聞かれます(笑)
学生だった時は学生と答えれば済みましたが、大学を中退して学生証を持たなくなってからはそういう訳にもいかず(^^;)
これが嫌でお店に行きたくてもなかなか行けないって当事者の方も一定数いらっしゃるかなと。
あと、精神科以外の病院を受診した時にどこまで話せば良いか、という悩みがある人もいるかなと思います。
薬を飲んでいれば申告する必要がありますからね。
なので今回は、そういう場面で筆者がどうしているかについてお話しようかなと思います。
少しでも参考になれば嬉しいです。
 
『聞かれたら答える』スタンスで良い
話と言っても答えはタイトル通りなのですが(笑)
筆者は『聞かれたら正直に答える』スタンスでいいんじゃないかと思っていて実際そうしてます。
障害を持っていると言うと、差別や偏見の目で見られるんじゃないか、傷つけられるんじゃないか、という不安や懸念が筆者も以前はあり、障害のことは話さずにいました。
 
が、ある日、体調不良で他科の病院を受診した時、お薬手帳だけ出して問診票に病名を書かずにいたら、お医者さんから「てんかんですか?」と聞かれまして。
筆者が服用中の薬がてんかんの治療にも使う薬だったのでそう聞かれたのですが、てんかんではないので「いえ、てんかんではないです…」と言ったら「じゃあ何で飲んでます?」と聞かれ
「(当時は確定診断が降りてなかった為)一応不安障害です‥」と答えたら「ああそうですか」というだけの、肯定的でも否定的でもないニュートラルでごく自然な返事が返ってきまして。
その後も精神障害については特に触れられず、診察と処方薬の説明を受けて終わり、という、他の患者さんと変わらない対応でした。
その後もその病院には時々通院してますが、パニック障害が酷くて待合でいられなかった時は個室で待たせてもらった事がありますが、それ以外は他の患者さんと変わらない対応で、
まさに『配慮はするけど特別扱いはしない』という接し方でした。
そういう接し方をしてもらった経験から
「言っても大丈夫なんだ」と筆者は学習しまして(笑)
 
お医者さん目線で見ると、患者の症状が薬や持病の精神疾患と関係あれば情報が必要だけど、普通の風邪のように精神疾患に関係ない病気なら、その病気の治療ガイドラインに沿った治療をするだけなんだろうなという事にも気付き、それ以来、内科などを受診した時は
『問診票に病名(不安障害など)を記入し、お薬手帳を出してあとは何か聞かれたら答える』という感じでやってますが、どこも同じような対応で特に何も言われないし聞かれないです(笑)
糖尿病や高血圧症の人は珍しくないし、腎不全で人工透析している人や白内障の人など、何かしら持病を持っている人はわりといるので、
「高血圧で薬飲んでます」「糖尿病があります」って言うのと同じ感覚で、精神疾患も「あります」って言って良いんだと気付きました。
なんとなく『精神疾患は別』みたいな空気あるけど、精神疾患だって沢山ある病気の一つだし、変に隠さなくて良いんだ、精神は別って思ってるから距離感がおかしくなるんだ、と。
 
それに気付いてから、美容院みたいな他の場所でも嘘をついて隠したりせず、聞かれたら差し支えない範囲で言えば良いんじゃないかと思うようになりました。
別に悪いこと何もしてないんだから堂々としてれば良いし、病気になったのは自分のせいじゃないし、もし嫌なこと言われたりされたりしても悪いのは相手だし(笑)
世の中いろんな人がいて事情も人それぞれなんだし、自分もそういう色んな人の一人で、たまたまそういう人がお客さんでいてもおかしくない訳だし。
 
特に美容院や理髪店は世の中のほとんどの人が行くので中には持病のある人もいるだろうし、美容師さんのブログなんかを見てると抗がん剤治療に合わせてヘアスタイルを調整して欲しいという注文も一定数あるみたいです。
美容院・理髪店に関してはそんな感じで、デリケートな事情を抱えたお客さんも一定数来るので持病あって仕事できないって言ってもたぶん大丈夫です(筆者は大丈夫でした)。
 
あと単純に嘘をつき続けるのがしんどいし面倒ってのもあります(笑)
会話で一回嘘をつくと、最初の嘘に合わせてさらに嘘をつき、嘘に嘘を重ねることになりますが、何もやましい事ないのになんでこんな事しなきゃいけないのかなって。
行くお店を毎回変えたら?って言う人もいるかもですが、筆者は美容院などはクオリティのためになるべく固定したい派です。
あと単純に遠出できず、基本自宅から徒歩15分圏内でしか行動できないので(これガチです笑)毎回お店を変えるというのは現実的にも無理なんですよね。
 
そんなわけでここ数年、美容院やネイルサロンで
「お仕事は何されてるんですか?」と聞かれたら
「あー実は持病あって仕事できなくて…代わりに作業所行ってるんですけど」という感じで答えてますが、
「あーそうなんですか」と言われるだけで今のところ嫌な思いしたことないです(たぶん色々察してそれ以上触れないでくれてるんだと思う笑)。
 
美容院に至っては話しても美容師さんみんなフレンドリーに接してくれるのでここ3年ぐらい同じところでお世話になってて、この前なんか
「今度作業所でクリスマス会あるからそれに合わせてカラーして!」とオーダーしました(笑)
 
ちなみにですが、美容師さんが職業や仕事内容を聞いてくるのはその人のライフスタイルも考慮して髪型を作るかららしいです。
職場に頭髪規定があるならそれに合わせたヘアスタイルにする必要があるし、看護師やCA、受付、飲食関係など、仕事中は髪をきっちり結ばなきゃいけないって人は纏めやすい髪型にしたりとか。お客さんのライフスタイルや仕事内容によっては髪型も工夫する必要があるので色々聞いてくるみたいです。
ネイルも同様らしく、美容師さんやネイリストさんが職業などいろいろ聞いてくるのは『施術上必要だから』みたいなんですよね。
なのでどこの美容院に行っても仕事はたぶん100%聞かれます(笑)
※裏を返せばライフスタイルを正直に伝えた方が自分の希望に近い仕上がりになる可能性が高く、例えば「体調が不安定で頻繫に通えないから伸びてきても形が崩れない髪型が良い」とか、「シャンプーやドライヤーに時間が掛かってしんどいから手入れが楽な髪型が良い」など、持病の影響で困っている事があればそれを相談しちゃっても良いと思います。美容師さんとかは(たまに上から目線の人もいるみたいですが笑)基本お客さんの事を第一に考えてくれるのでそこは遠慮しなくて良いかと。
 
世の中『優しくない人』は一割ぐらい、でも言いにくかったら無理しないで
『言っても案外大丈夫だよ』というお話ですが、そう言われてもやっぱり言いにくい…という方。お気持ちはよく分かります。
特に無職だとネットでいろいろ書かれてたりするのでなかなか言えないですよね…
でもね、ネットで過激な意見を言う人って、人口のほんの数%なんですよ。
どんなジャンルの話題でもそうなんですが、ネットはその性質上意見が両極化しやすく、発言しない多数派である『サイレント・マジョリティ』の存在が見えにくくなるんですよね。
なので、ネットで極端な意見を見かけたら、その意見はマイノリティだと思った方が良いです(そういうのをノイジーマイノリティと呼ぶらしい)。
 
「でも、話したら酷いこと言われたって体験談聞くよ?」と思った方。
確かにそういう人もゼロではないです。
精神に限らず、ヘルプマーク付けてたら避けられたとか、車椅子に乗ってたら罵倒されたとか、マタニティマーク付けてたら突き飛ばされたとか…そういう事例は残念ながらあります。
でもね、そういう心無い事をしてくる人も実はマイノリティなんですよ。
そんな人が世の中に半分もいたら怖くてみんな外出るの止めようってなるしマークもとっくに廃止されてます。付けてても危ないだけですから(^^;)
でもそうなっていないという事は、そういう事態に遭遇する確率はゼロじゃないけどそんなに高くもないという事。
 
犯罪行動学か何かの話で『1:8:1』の法則というのがあるらしく
『世の中進んで犯罪を犯す人が1割、何があっても犯罪を犯さない人が1割、基本犯罪を犯さないけど時と場合によっては犯すこともある人が8割』というのを以前テレビで見たことがありまして。
 
この法則を聞いてから、世の中心無いことを言ったりやったりする
『優しくない人』も1割か、多くても2割程度じゃないかと筆者は考えるようになりました。
進んで助けてくれる人が1~2割、意地悪してくる人が1~2割、あとの8割は悪意は向けてこないけど進んで助けてくれる訳でもない人達。
ネットでネガティブな情報をたくさん見るけど、実際に言ってみると案外大丈夫なのはおそらくこの法則が合っているから。
 
なので、世の中『優しくない人』は1~2割です。
あとの8~9割の人は親切か何もしてきません(笑)
 
ただし…目の前にいる相手が1~2割の『優しくない人』か、8~9割の『親切な人』かは、実際に話してみないと分かりません(^^;)
おみくじで凶を引いてしまう事があるように、運悪く1~2割の『優しくない人』に当たってしまう可能性はあります。
そして確率というのは常に『〇%』という不確実な値でしかないので、確実に避ける事は不可能です。
だから知り合った人に障害をオープンにするという事は、常に10~20%の傷つく可能性を負うという事。つまりリスクはあるんですよね。
※筆者も最近参加したコミュニティで、明確に否定はされなかったけど微妙な反応をされた人が一人だけいました(^^;)
傷つきはしなかったけど『持病があって仕事が出来ない』ことに理解がある人ばかりではないんだなと改めて実感しましたね。
 
これを念頭に置いておかないと、もし1~2割の『優しくない人』に当たってしまった時に
「やっぱり差別されるんだ…話すと傷つくんだ」
「やっぱり世の中そんなもんだ」
みたいな思考になりかねないです(^^;)
特に精神障害をお持ちの方は、おみくじで凶を10回連続で引いてしまうような不運に見舞われた経験がある人も多く(筆者もハズレくじ引きまくって今に至ります笑)、対人関係でもさんざんハズレを引いて傷ついてきた経験があったりするので、もし1~2割の人に当たってしまうとそれがたった一回でも古傷をえぐられる可能性が…
 
なので、ここまで読んで
「理屈では分かるけどやっぱり怖い」
「傷つく可能性がゼロじゃないと無理」
と思った人は、無理にオープンにしなくて良いです。
まずはその恐怖心を治療なりカウンセリングなりで和らげるところからスタートしてください(このレベルの人は出掛けるという行為自体が難しい状況かもしれませんが)。
そして、恐怖心が和らいできて
「一回チャレンジしてみようかな」と思えるようになったら、病院でも良いし美容院とかでも良いので筆者みたいに聞かれたら軽く話してみてください。
『客と店員』の関係であればサラッとしたもので基本そんなに踏み込んでこられません。
それで『大丈夫だった経験』ができれば大収穫です。
ちなみに、地域のコミュニティとかだと筆者みたいに微妙な反応をする人に出会ってしまうかもしれないので、客と店員の関係の人に話す方がまだ安全かと思います。
※ご家族やご友人の方は、ご本人が不安や恐怖で無理だと言っている間は強制しないようお願いします。不安や恐怖は本人のペースを見ながら少しずつ和らげていくものなので、本人が「チャレンジしてみようかな…」と言い出した時に「きっと大丈夫。万一ダメでもまたチャレンジすれば良いよ」と背中を押してあげれば良いと思います。
 
で、恐怖心はないけど仕事のこと聞かれた時にどう答えたら良いか困っている、他科の病院を受診した時どう伝えれば良いか分からない、と困っている方は、筆者のように『聞かれたらサラッと話す』で大概は大丈夫だと思います。
ただ、嫌な思いをする可能性はゼロじゃないので、否定的な反応をされた時にどう返すか、自分の心をどうやって守るかは一応シミュレーションしておく事をお勧めします(^^;)
準備なしだと咄嗟に言葉が出てこなくて何も言い返せず悔しい思いをするという事態になりかねないのでね…1人でシミュレーションするのが難しければ普段利用している医療機関や福祉サービスの方に相談してみてください。
 
他の注意点として『聞かれたら話す』が鉄則で、
『聞かれていないのに自分から話す』のはNGです。
聞かれてないのにいきなり「持病があって仕事できなくて…」
と話し始めてしまうと、
相手に「え?いきなり何?この人なんか重そう」とか「だからなに?」って思われる可能性大です(^^;)
特に病院だと、症状に関係ないのにいきなり話しちゃったら「だからなんですか?」ってお医者さんは思っちゃうかなと。
会話の流れを無視していきなり話されると
「それがどうしたの?」って大体の人はなってしまうので、聞かれるまでは話さないのが上手くいくコツかなと筆者は思います。
なので、お店とか趣味の集まりとかでは「お仕事なにされてるんですか?」って聞かれたらサラッと伝える、病院では問診票の治療中の病気の欄に病名を記入しておくすり手帳を出すだけ、あとは診察で聞かれたら答えられる範囲で話すのが一番無難というか、相手をなるべく戸惑わせず、自分も嘘をつかなくて済む方法かなと。
 
もう一点気を付けて頂きたいのが、
『理解があるのと差別しないのは別だ』という事です。
精神医学に限らずですが、一般的な人は医学上の知識がそこまであるわけじゃないという人が大半です。
なので「いつも焦燥感があって…」とか「身体が怠くて動けなくて…」みたいな、具体的な症状の辛さは話しても理解されず、気にし過ぎと言われたり的外れなアドバイスをされたりする可能性があります(相手に悪気はないけど知識がないから…知らないって怖いですね…)
『差別しない=自分の辛さを理解して受け止めてくれる』という認識で話してしまうとそれも傷つく原因になってしまう可能性があるのでこの点は重々気をつけてください。
家族や近しい人には理解してもらう必要がありますが、浅い関係の人に同じ事を求めない方が良いし、そもそも求めてはいけないと思います。
自分の辛さを理解してもらうという事は、相手に自分の辛さの一部を背負わせるという事でもあります。それを求めて良いのはごく一部の人ですからね。
 
あと、自分の事をどこまで話すかは自分の自由ですが、病名に関しては一般の人には『うつ病』以外の病名は伝えてもピンとこない可能性があるので、本当は違う病名でもうつ病などと言っておいた方が話がややこしくならなくて良いかもしれません。(特定の病名に偏見を持つ人もいますしね…)。
医師や看護師であれば基本は勉強してるし薬の事もあるので、医療機関では正直に伝えたほうが良いと思いますが、それ以外の場面では病名はあんまり自分から言わない方が良いかもです。
まあ筆者の経験上、持病があると伝えたらそれ以上聞いてこない人が大半だったので、浅い人間関係の中ではそもそも自分から病名を言う必要はないかもしれません。
(筆者もヘルプマークを付けてて何か持病があるのか聞かれ、精神障害と伝えたのがせいぜいです)。
 
※一応言っておきますが、今回の話は客と店員のような浅い人間関係を前提としていますので職場や学校といった集団の中での関係には当てはまりません。職場や学校では集団心理の方が強く1:8:1の法則も無効ですのであしからず。
 
まあ色々書きましたが、相手との距離感を測ったうえで軽くオープンにする、詳しい話はあまりしない、聞かれたら自分が話しても良いと思う範囲で話す、という感じでやるのが無難かなというお話です(笑)
大体の人は「持病があって仕事できない」と言えばなんとなく察してくれますし、お店や病院ではそこのルールとマナーを守り、きちんとお金を支払っていれば他の人と変わらない対応をしてくれるところがほとんどです。
 
ただ、今回ご紹介したやり方は
『流れを読む』『防衛方法を身に着ける』『割り切る』という、わりと難易度の高いスキルが必要です。
筆者は変に図太いところがあるので出来ますが(笑)、いきなり出来ないという人もいるかと思います。
そういう人はぶっつけ本番ではなく、相談できる人に相談してシミュレーションやイメトレから始めてみてはいかがでしょうか?
なんならこの記事を見せて「こんなこと書いてるけどここ難しい、どうしたら良い?」って相談しても良いと思います(笑)
それに、筆者のやり方が100%正解でもないでしょうし、自分に合わないと思ったら無理に取り入れる必要もなく、自分に合う考え方や方法を見つけていけばいいんじゃないでしょうか。
 
世の中、優しい人や理解のある人ばかりではないので、100%受け入れてもらえる保証はありません。
ですが、万一理解されず、受け入れてもらえなくても、あなたは悪くありません。病気、障害は仕方のないことです。
オープンにする時はその事を忘れないでください。
うつ歴10年の筆者からのエールです(^^)
 
静野沙奈巳

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