あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方を読みました

統計ユーチューバーとしても有名な佐藤舞さんの『あっという間に人は死ぬから 「時間を食べつくすモンスター」の正体と倒し方』を読みました。

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佐藤さんはデータ分析と活用のコンサルタントとして活動し、桜花学園大学の客員教授も務める統計の専門家です。彼女の専門的な視点が反映されており、非常に説得力のある内容でした。私も、優先順位の付け方について自分に不足しているところがあると感じており、勧められてこの本を手に取りました。

この本は「人生を幸せに生きるための時間の使い方」をテーマにしています。単なる自己啓発書のように「こういう時はこうする」という表面的なアドバイスにとどまらず、なぜその方法を実践するべきなのかまで深く掘り下げて説明されています。また、それを実行するための具体的な方法も示されています。

特に印象的だったのは以下の3点です。

  • 幸福には自己決定が不可欠であること

  • 人生は短いのではなく、無駄なことに時間を費やすことで短く感じてしまうこと

  • 無駄なことに時間を使う原因として、死や孤独、責任への不安があること

これらは表面的には理解しやすい内容ですが、著者がしっかりと深掘りしてまとめているため、再考する良いきっかけとなりました。また、リファレンスがしっかりしており、具体的な方法がワーク形式で提供されている点も非常に実践的です。

本書には「心理的な抵抗から逃げるために理屈をこじつけ、自分をだますことで、実際には目標達成から遠ざかっている行動をしてしまうこともある」と書かれていますが、これはまさに自分にも当てはまる内容でした。必要なことを分かっていながら、つい他のことに手を出してしまうという習慣を振り返る良いきっかけになりました。

さらに「自分にとって有意義な時間ややるべきことが何なのか分かっていない」「人生において本当に大切なことに向き合おうとする時に現れる邪魔者の正体が分かっていない」という指摘も、その通りだと感じました。自分でも何をすべきか迷うことがあり、目的を見失ってしまうことが多いと感じます。著者は、そうした不安に向き合い、自己決定を行うことの大切さを強調しており、そのための具体的な方法も詳しく説明されています。

また、著者は「メタ認知の視点」を持つことが重要だと述べており、自分を客観的に見るためのワークも紹介されています。一朝一夕で身につくものではないかもしれませんが、自分に問いかけ続けることで、人生の質を高められるのではないかという気づきがありました。世の中には「やらないよりはやったほうが良いこと」が多いですが、それに時間を費やしすぎると、結局人生の時間が足りなくなってしまいます。自分にとって価値を生み出さないものには、あらかじめ時間を割かないと決めておくという考え方も非常に印象的でした。

この本は、日々の生活に疲れていてスマホをよく触ってしまう人や、私のように自分の能力に不満を感じている人に特におすすめです。学生にはこの切迫感や焦燥感が伝わりにくいかもしれませんが、社会に出て働いている人にとっては、きっと役立つ内容です。

最後に、この本を通じて、メタ認知の重要性や物事から逃げないこと、そして自分の人生を戦略的に進めることの大切さを学びました。そのためには、自分自身と向き合い続ける姿勢が不可欠であることを強く感じました。

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