告白雨雲(2作品目)【毎週ショートショートnote】
最近、ある発明家が『告白雨雲発生装置』なるものを発明した。告白をしたときに演出で心苦しさを和らげたり、うまくいった場合にはその気持ちを増幅させることができる。
その演出は告白がうまくいくと雨雲がパッとなくなって気持ちが晴れ晴れしくなり、失敗すると雨雲から大量の雨が降り出しびしゃびしゃになるというものだ。
「ちょっと話があるよ」と彼氏に言われ、私は公園に連れて行かれた。
「どうしたの?何かあった?」私は何か不安になり尋ねた。
彼氏は『告白雨雲発生装置』を取り出して地面に置いた。
「特に何もないよ。ちょっと大事な話をしようと思って連れてきたよ」
「大事な話って何?わざわざそんな装置を持ってきてどうしたの?」
「僕と結婚して欲しい」
私も結婚するつもりで付き合っていた彼氏だ。返事はもちろんイエス。
「はい。私も結婚したいです」
『告白雨雲』が作動し、どしゃ降りの雨が降った。
「えっ」
それは彼氏のうれし涙だった。
「うれしいよ。ありがとう」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※エモさを出したかったのですが、やはりなかなか難しいです。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
サポートお願いいたします!執筆活動費にさせていただきます。