洞窟の奥はお子様ランチ【毎週ショートショートnote】
「ついにここまで来たか」
勇者パーティーは魔王を倒したあと、魔王城の裏の洞窟の前までやってきていた。
『洞窟の奥はお子様ランチ、そのお子様ランチはほっぺたが落ちるほど美味しいらしい』そう語り継がれている伝説のお子様ランチを求めて、勇者達はここまでやって来た。
「奥に入ろう」そう言って勇者達は洞窟の奥へと進んだ。
「あった、あった」
「これだ。伝説のお子様ランチ。封印されているぞ」
「めちゃくちゃ美味しいらしいな」
「よだれが出てきたよ」
「ほっぺたが落ちるほど美味しいらしいぞ」
「よし食べてみるか」勇者がスプーンを手に取り、オムライスをすくって口へ運んだ。
「どうだ?美味しいか?」
みんなが勇者に注目した。
「ふ、ふ、ふ、普通だ」
「おい、ほっぺたが落ちたぞ」僧侶が叫んだ。
比喩ではなく実際に勇者のほっぺたが落ち、穴が空いて奥歯が見えている。
お子様ランチには『ほっぺたが落ちる呪い』がかかっていた。
勇者のほっぺたがどろりと全部溶け落ちた。
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※これが冒険小説と言えるのだろうか。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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