台にアニバーサリー【毎週ショートショートnote】
「台にアニバーサリーだ!」
ソファーで寝ていた部長はむくりと起き上がり、突然大声で叫んだ。
「うわっ、部長、唐突にどうしたんですか」
「いや、いいことを思いついたんだよ」
「なんですか?」
「イカ室に台がおいてあるだろう。その台に記念日をつけようかと思ってね」
「あの台ですね。あの台ももう10年近く使ってますね。10年記念ということですか?」
「そうだ。まあ、いわゆるパーティーの名目だよ。記念パーティーを開催して資金を集めるんだ」
「そういうことですね。会費は一人当たりいくらにしますか」
「一人当たり2万円だな」
「結構いい金額設定ですね」
「美味しいイカを用意するからな」
「イカも美味しいですし、部長の作るイカ料理も美味しいですからね」
「ちゃんと人を集めろよ。集めなかったら後ろ蹴りだぞ」
「ちゃんと人を集めたら、いつもの『蹴り後ろ』をくれるんですよね」
「わかってるじゃないか、君」
「恐れ入ります」
「よし、祭りじゃ~」
「さすが部長です」
(410字)
たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。
※この物語はフィクションです。
*この記事は、以下の企画に参加しております。
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