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戦国時代の自動操縦【毎週ショートショートnote】

20XX年、生活家電自動操縦戦国時代、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、風呂、あらゆる場所に全自動AIが備わっていた。

そんな戦国時代の自動操縦AIが備わった完全オリジナル新商品が発売された。それは、ゲーミングチェアを少し大きくしたような移動式変形自動操縦椅子だ。小さいタイヤが着いており、部屋の中を自由自在に動くことができる。搭乗者が空腹になると、自動的にキッチンへ移動する。搭乗者が眠くなると、背もたれが自動的に倒れ、ベッドに変形する。ベッドにしたままの人も少なくないという。

生活まわりのものが自動操縦になる一方、それに頼りきる人間はトイレに行くことすら億劫になって、もはや思考すら停止していた。

自動操縦AIの台頭により、民衆は堕落さを極めていた。それは結局のところ、AIによる無機質な精神的支配でもあった。

人々の一部からは『生前棺桶』と呼ばれ、AIによる自動操縦廃止を求める声も上がったが、その支配が止まることはなかった。


(410字)


たらはかに(田原にか)さんの企画に参加させていただきました。

※ハードボイルドショートショートSFにしてみました。


*この記事は、以下の企画に参加しております。


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