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自信を失くしたあの子へ

※前blog 2020.02.08 Saturdayの記事です。
先日、高校時代の友人達と集まっていた時の話。
みんな幼児~小学生の子持ち。
話題は自然と子供のことになるもので…
 
現在、年長さんの子供がいる彼女は、旦那さんの海外勤務で、
去年ロンドンから家族で帰ってきたばかり。
  
ロンドンの幼稚園では、少し小さい子達のクラスにいたせいか、
簡単に言うとその中で「できる方の子」だったらしいです。
それが、帰国して日本の幼稚園に通い出した途端、
早生まれの彼はクラスの中で「できない方の子」になったらしく、
すっかり自信をなくしてしまったとか。
元々は、むしろ自信があってビッグマウスな方だったのに、
僕はできないから…と口にするようになってしまったそうです。
 
幼い頃の身体が大きい、小さいとか、月齢の差、少しの発達の差なんて、
大人からしたらそのうち関係なくなるって、分かってます。
でもそれが当事者の子供にしたら切実な問題かもしれません。
幼心を痛めているのだとしたら、やっぱり悲しい。
親ならなおのことです。

帰りの電車の中、私は急に思い立って、LINEを送りました。
そしてこんな絵本を2冊、お勧めしました。


「あすはきっと」(童話館)

今日はどんなことがあった?
あすはもっと楽しいことがあるかもしれない。
今日できなかったことができるようになるかもしれない。
新しい友達ができるかもしれない!

明日をワクワク楽しみにしながら眠るってどんな時ですか?
楽しみにしていた旅行の前日とか?
大人になると、普段はそういう感覚を忘れてしまいがちですが、
たぶん、子どもの日々とは本来そうしたものなんじゃないでしょうか。

毎日が初めての経験や新しい発見で、新鮮さと楽しさに溢れた世界。
成長や、母子分離につれ不安も増えるかもしれない。
不安が楽しさを上回ってしまうようなら、ぜひこの本を読んであげてほしい。
読んでいる大人も気づかされる部分があるはず。
生きていく上で一番必要なものは、明日への希望。
世界中の大人が、子供達に与えるべき心の栄養じゃないでしょうか。
こういう希望に溢れた本こそ、子どもに読んであげてほしい本だと思います。


「ラチとらいおん」(福音館書店)

世界で一番弱虫の男の子・ラチが、
小さくて強いライオンとの特訓と友情のおかげで
少しずつ強くなっていく物語。

どんな子でも強くなれる、成長できる。
勝てなかった相手にだって勝てる時が来るかもしれない。
小さく縮こまった心に勇気を与えてくれるお話。

最後はちょっぴり寂しい終わり方なのですが、
それもまた主人公が弱い自分から卒業したことを表しているようで、
いいんですよね…ラストシーンは心に残ります。

人にこういった本をこちらからお勧めするのは、
実は結構、私にとっては勇気のいるもので。
押し付けがましくないかな…とか色々考えてしまうわけです。

でもLINEしたらとても喜んでくれました。
彼女は「これで何か感じてくれたらいいな…」と書いていましたが、
本当にそう。
彼が何を感じるかは分からないし、
前向きになってくれたら…というのはそれこそ大人側の希望でしかありません。

それでも、
この絵本を読むことが二人に穏やかで楽しい時間を運んでくれればいいなあと思います。
お母さんが安らいだり幸せな気持ちになるだけでも、
きっと子どもに伝わるものが全然違うはず。
子どもと絵本を読むって、親側に与える影響もかなり大きいと思うんです。
少なくとも、私自身はそうだから。


今日泣いてた子も、悲しかった人も、
明日にはきっと笑顔になれる!
そう信じて。
おやすみなさい。

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