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47の居酒屋日記 第5夜 東京都「ふくろ」

池袋西口公園のすぐ側、その名も「ふくろ」という。地元の人や池袋で働くサラリーマンにとっては定番中の 定番で、いかにも大衆居酒屋という店構えで、僕も何度か利用したことはあったのですが、3人以上で行くと、基本的に三階のテーブル席へ通されてしまうので、どちらかと言うと、二次会の駆け込み寺的な感覚で利用していました。しかし、ある晩1人で行ってみると、今まで縁のなかった一階の細長い「コの字」カウンターに座ることになり、そこからがこの「ふくろ」の真骨頂。むしろ、最初からこの店は1人で行くべきだったと後悔するのは、飲み物注文すると、必ず最初の1杯を注いでくれるというおもてなしに始まり、今日のおすすめのホワイトボードを眺めて、店内にいる客の素性を、探偵のごとく想像するのも、またこの店の楽しみ方。池袋という土地柄、様々な人種が肩を並べ、どんな仕事をしているかもわからないような客を肴にグラスを空ける。席の間隔も絶妙で、気取った調度品も一切なく、ただただお酒に集中できる。寝てる客にも動じず叱る女性店員たちは、厳しさの中にも優しさもある。いつ来てもフラットな居心地のある居酒屋です。

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