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U23ドーハカップ2023・順位決定戦 U23ベトナム 対 U23キルギスタン

2023年3月29日(水)
U23ドーハカップ・順位決定戦(インドシナ時間0:30キックオフ)
インターネット中継観戦(ハイライト映像は当記事末尾に置きます)
U23ベトナム(赤)0(前半0-0、後半0-0)0 U23キルギスタン(白)
PK戦 4‐5
主審:Abdulsamad Bakri(サウジアラビア)
Al Gharrafa Stadium (Thani bin Jassim Stadium)

連敗で最下位争いをすることになったU23ベトナムのドーハカップ。前記事で書いたとおり、対戦相手のFIFAランキングが大会参加10ヶ国の中では4番目のイラク、5番目のUAEで、ベトナム8番目だったので、連敗は妥当な結果。そして今回は7番目のキルギスタンとの対戦。

キルギスタンは、日本では「キルギス共和国」、正式な英語表記も Kyrgyz Republic とのこと。通称 Kyrgyzstan ということらしい。どっちにしても英語表記の綴りは覚えられそうにない。これだけアルファベットが並んでいても、日本語で母音とされるものが a しか見当たらないせいだろう。実際には y が母音なわけだが、日本人にはわかりにくい。世界史や地理の勉強で出てきた「匈奴」という民族もキルギス人なのだそうだ。中央アジアの内陸国の位置関係は覚えにくいが、とりあえず国民の90%がイスラム教徒ということは覚えておこう。

インターネット中継のFPT Play、中継開始の時間調整をミス。直前まで解説者の話を流して、CMの後、なんとベトナム国歌の途中から中継が始まるという失態。

ベトナムは、今大会初めての、つまりトルシエ監督のゲームでは初めての赤ユニ。今日もレー播戸ことレ・バン・ドー(⑩)は最後尾で入場。ゲームキャプテンは、中継映像では⑮フィン・コン・デンとなっていたが、実際はGK①クアン・ヴァン・チュアンすなわち東出似。

ちなみに、前のゲームでゴールポストに頭をぶつけて負傷退場したGK⑬フイ・ホアンは、傷口を縫合して済んだということで、大事には至らなかったそうだ。それでも頭を打っているだけに、心配ではある。

ベトナムのラインナップと私が付けた呼び名を自分の備忘のため記しておこう。

①クアン・ヴァン・チュアン、GK、キャプテン、「東出似」
⑩グエン・タイン・ニャン
⑫ファン・トゥアン・タイ
⑭チャン・ヴァン・タン
⑮フィン・コン・デン
②チャン・クアン・ティン
㉑レー・クォック・ニャット・ナム
④ヴォ・ミン・チョン、「タケ風味」
⑤ルオン・ズイ・クオン、「亮平似」
⑦レー・ヴァン・ドー、「レー播戸」
⑨グエン・ヴァン・チュオン、「細鎌田」

FPT Playで流れた映像(国際映像)順に書いたが、ポジションがめちゃくちゃな上に、相変わらず名前がミドルネームを抜かしていたり、ファミリーネームを抜かしていたりと統一性なし。上記は名前の日本語表記については私の基準で統一した。

立ち上がり、芝が浅いのか、Vの選手が滑る場面が目立つ。

2分、V⑩タイン・ニャンから⑦レー播戸に展開。レー播戸が独特の間合いでクロス、中央の選手には合わず。

4分、V⑮フィン・コン・デンとK⑫KENZHEBAEV ERMEKがやり合ってレフェリーが間に入り、両者に注意。

12分、V⑩タイン・ニャン、右サイドで倒されFK。㉑ニャット・ナムが右足でGKとラインの間に入るボールを蹴るかに見えた(というかカメラがずっとニャット・ナムが助走に入るのを映していた)が、実際には④「タケ風味」ことミン・チョンが左足でゴールに向かっていくボールを蹴り、相手DFがヘッドでCKに逃げた。

13分、右CK、ショートコーナーでもう一度右CK。V④タケ風味が左足で蹴り、左に流れたボールを⑦レー播戸がカットインしてシュート、枠外。

16分、トルシエ監督、今日はベンチ前に立っている。テクニカルエリアの最前線までは出てきていないが、前の2試合はベンチに座っている時間がほとんどだったので、今日は負けられないという気持ちが出ているように思う。

17分、V㉑ニャット・ナム、ハーフウェーより10mほど高い相手陣内からGKまでのバックパス。完全にパスコースをすべて塞がれていたし、味方のディフェンスラインも押し上げてスペースがなかったので、ビルドアップのやり直しのための好判断。

19分、キルギスタン、FKからボックス内の⑪ARTYBAEV RYSKELDIに渡り、振り向いてシュート、枠外。

21分、V㉑ニャット・ナム、右サイドボックス角までフリーで進む。シュート狙えたが味方のサポートを待って止まってしまった。

23分、V⑮デンとK⑫ERMEKがまたやり合う。結局、K⑫がファールを取られた。

25分、K㉑ABILOV ERNAZ、右サイドボックス角付近からシュート、ディフレクションになった。ヒヤッとさせられる。先ほど、V㉑ニャット・ナムは同じような位置で前が空いていたのにシュートを狙わなかった。K㉑は2枚のシュートブロックがあってもかわしてシュートしてきた。シュートすればディフレクションもある。積極性の差が見える。
なお、K㉑はお笑い芸人のかまいたちの山内さんに雰囲気が似ていると私は思うので、「山内似」と呼ぶことにする。顔は似ていない。

27分、V④タケ風味ことミン・チョン、左サイドで滑って右肩をひねる形で倒れる。カートが出て治療。交代選手が準備するも、戻れる模様。

29分、ポゼッションのデータ、ベトナム61:39キルギスタン。

30分、キルギスタンのタテパスが裏に通り、GK東出似ことヴァン・チュアンが飛び出して防ぐ。ファールにも見えたがお咎めなし。キルギスタンの攻めに迫力がなかった。

どんな試合展開でも、GKと1対1になったり、相手のミスで思わぬチャンスが巡ってきたりしたとき、「いただきぃ」という感じでゴールに迫れるのが良い。私はこれを「迫力」と呼んでいる。「勝者のメンタリティ」の局面での発露とも言える。自分の形にはまった時に自信をもって仕留められるところまで練習して、それを当たり前のようにゲームで発現してもらいたい。いささか印象批評的だが、そもそもこのマッチレビューは私の印象批評に過ぎないので悪しからず。

32分、K㉑山内似、V⑭ヴァン・タンに後ろからチャージしてイエロー。

37分、スローインの判定にトルシエ監督憤慨。判定覆る(というか、主審と副審とで違う判断だった模様)。

38分、ベトナム、左サイドで⑦レー播戸がためて、落としたボールを④タケ風味がクロス。ファーサイドで⑨細鎌田ことヴァン・チュオンが折り返し、中央で⑩タイン・ニャンがヘディングシュート。GKが押さえる。

40分、K⑥キャプテンのKANYBEKOV ADILETがV⑩タイン・ニャンへのファール。イエロー相当と思う。

40分、K⑫山内似、V⑤亮平似ことズイ・クオンへのファール。イエロー相当と思う。

41分、V⑦レー播戸、左サイドを持ち上がってクロス、精度を欠く。

44分、カザフスタン左CK、ファーに上がり⑪RYSKELDIがヘディングシュート。GKが辛くも防ぐ。

アディショナルタイムは1分

後半、K㉑山内似がOUT、⑲KEREZBEKOV MIDINがIN。
V⑤ズイ・クオン、⑨細鎌田ことヴァン・チュオン、⑮コン・デンがOUT、③ティエン・ロン、⑰ドゥック・ヴィェット、⑲クォック・ヴィェットがIN。③ティエン・ロンは今大会1ゲーム目の前半早々に一発レッドで出場機会を失っていたものの、ここで戦列復帰。

51分、V⑦レー播戸、ボックス内でシザーズからシュート態勢に入るも滑って手をつきロスト。何とか⑩タイン・ニャンがつないで右に走り込んだ㉑ニャット・ナムがボックス右角辺りからシュート、ふかす。前半に同じ位置でシュートしなかったニャット・ナムが改善。次の改善点はふかさずに枠をとらえること。

54分、V⑩タイン・ニャンが右サイドでためて中央の⑲クォック・ヴィェットへ。一旦、⑰ドゥック・ヴィェットに落として再びクォック・ヴィェットに通り、振り向きざまにシュート、ふかす。

56分、V④タケ風味、左ハーフレーンでパス交換を受けてシュートまでいくもふかす。

57分、V③ティエン・ロン、右サイドをドリブルで3人かわしてボックスに侵入、相手DFを引き付けて中央の⑲クォック・ヴィェットへショートパス。シュートできずにカウンターを受け、ティエン・ロンがいない右サイドを突かれる。V⑰ドゥック・ヴィェットが長い距離をついて行って対応。最後はK⑦(後半から入った選手)が滑って空振り、ゴールキックになる。それにしても、両チームとも滑る選手が多い。

58分、K⑫ERMEKがOUT、⑭KIMI MERKがIN。読み方不明。

59分、V⑲クォック・ヴィェット、クリアボールを処理しようとした相手選手2人が勝手に交錯して裏に抜け出る形になる。中央で⑩タイン・ニャンがフリー。右足アウトサイドで三笘気取りのパスを出してDFに引っかかる。自分の前にもまだスペースがあった。つまりDFを引き付け切れていない。そしてタイン・ニャンとの間に引いてきたDFにわざわざぶち当てるパス。精度が低すぎる。

61分、V⑦レー播戸OUT、⑪ヴァン・カンIN。

63分、V④タケ風味、ベトナム側のゴールキックかキルギスタン側のコーナーか微妙なところ、「正しく」ベトナム側ゴールキックと即座に判定した副審に感謝の「いいね」ポーズ。

K⑲MIDIN、V⑰ドゥック・ヴィェットに足裏見せてのタックルでイエロー。
K⑥キャプテン、V⑭ヴァン・タンへのファールでイエロー。K⑥は2枚目では?と思ったが、前半のファールにはイエローが出ていないのだった。

67分、ゲームが停滞。ベトナムは「引き分けでは最下位」ということを忘れたか。

68分、ベトナム、左サイドで⑲クォック・ヴィェットが倒されてFK。普段、キッカーを務めるレー播戸は既にOUTしている。④タケ風味が左足でクロス、GKがキャッチ。

69分、V⑪ヴァン・カン、ボックス内でシュート、GK正面。

71分、K⑭MERK、FKのこぼれ球をシュート、GK正面。

72分、V⑩タイン・ニャン、右サイドでドリブルで仕掛けてチャンス作る。最後はクロスに⑪ヴァン・カンがヘディングシュートするも合わず。

74分、V⑪ヴァン・カン、左サイドでCK得る。④タケ風味が左足でファーに上げるも、誰とも合わず。

76分、V⑩タイン・ニャンのミドル、枠外。

77分、K⑪、⑥OUT、㉔ZARYPBEKOV ELDIIAR、⑧SHARSHENBEKOV ARSENがIN。キャプテンマークは⑮NURLAN UULU ADILETへ。

80分、V⑭ヴァン・タンがOUT、㉓ホアン・ヴィン・グエンがIN。映像ではHOANG VINHと紹介されていたが、私はこの選手のギヴンネーム(ファーストネーム)がグエンだと認識している(名字はホアン)。サッカー選手の呼び名としては、ミドルネールを含むギヴンネームで、ヴィン・グエンとするべきだろう(VPFのウェブサイトには、First Name: Hoàng Vĩnh、Last Name: Nguyênとなっているが、それが誤りであるというのが私の認識)。実況も「ヴィン・グエン」と言っていた。

OUTした⑭ヴァン・タンについても、映像ではTRAN VAN(チャン・ヴァン)と表示されているので、「名字+ミドルネーム」を表示することで統一しているとも言えるが、それではベトナム人にはわからない。

81分、V⑩タイン・ニャン、右サイドで2人かわして持ち上がり、中央の⑪ヴァン・カンへ。シュートはブロックされる。

K⑮ADILETがOUT、㉗NASIROV BEKZATBEKがIN。キャプテンマークは④BAIAMANへ。

82分、K⑲MIDIN、2枚目のイエローでレッド。後半に出てきてイエロー2枚。親善試合大会の最終節とはいえ、いくらなんでもひどい。

84分、V⑪ヴァン・カン、ボックス内左サイドに流れたボールを④タケ風味に落としてクロス。中央でクリアされる。

ベトナムのアシスタントコーチ・Mouleyが選手を鼓舞する声が響く。トルシエ監督はテクニカルエリアで後ろに手を組んで立っている。

89分、V⑩タイン・ニャン、中央25mの距離でファール受けてFK。キッカーは⑪ヴァン・カン、左足振り抜いたが、わずかに枠外。

アディショナルタイムは4分。

スコアレスでタイムアップ。PK戦へ。両チームともピッチ上で滑っているのが気になるところ。

  右へ 右へ 右へ 左へ 中へ
K ⑭〇 ㉓〇 ㉔〇 ⑧〇 ⑦〇
V ㉑〇 ⑪〇 ④〇 ③〇 ⑲×
  左へ 右へ 右へ 中へ やや左GKストップ

Doha Cupは参加10ヶ国中、最下位で終了。ちなみに、同じく勝ち点1ではキルギスタンと開催国のカタールがそれぞれ9位、8位となりました。


ファール数 8:18、イエロー 0:4、レッド 0:1、タックル数 30:25
U23ベトナム、上品です。最下位だけど。