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ACL・グループステージ1節・HAGL 対 横浜F・マリノス(2022.4.16ホーチミン)備忘録

個人的な印象批評です。「そうじゃないよ」というところがあったら、ご指摘下さい。意見・印象・感想の違いもそうですし、事実誤認がある場合はご指摘いただいた方が勉強になります。

2022年4月16日(土)ACL・グループH・第1節
ベトナム・ホーチミン・トンニャット・スタジアム(有観客)
インドシナ時間18:00キックオフ 曇り 
インターネット上の天気表示で27℃

*私はベトナム・ハノイにおりますので、私が見た時刻を記しています。
VTV6(ベトナムのテレビ局)生中継
ホアンアイン・ザーライ(青) 1(前半1-2、後半0-0)2 横浜F・マリノス(白)

ベトナムで1、2を争う人気クラブ・ホアンアイン・ザーライ(HAGL)が、横浜F・マリノスとホーチミン市で対戦するという、現地在住日本人サッカーファンにとって楽しい機会。私はハノイで所用があってスタジアムには行けず、VTV6の生中継でTV観戦。

ホーチミン市(旧名サイゴン)は、ベトナム最大の商都。経済的にも人口規模的にも首都ハノイを上回る大都会です。ホーチミン市内のタワーマンションに住む日本人も多いです。

HAGLは、ザーライ省という、カンボジアと国境を接する高原の省のクラブ。ホーチミン市からは500㎞くらい離れていて、年間を通して最高気温は28℃くらいと、ホーチミン市と比べると涼しいようです(私は行ったことがない)。ベトナム戦争のことを調べていると、たまにザーライ省が出てきますね(ベトナム戦争の兵站路「ホーチミン・ルート」が通っていたところなので、個人的には、高原というより山奥のイメージが強い)。

そんな田舎のクラブでも、育成と監督の力でACLに出るんですね。HAGLがベトナムで人気のクラブになったのは、1995、1996年生れの選手たちがこのクラブのアカデミーで育ち、年代別代表として好成績を収め、現在のフル代表の中心選手となって活躍しているからです。

HAGLの選手たちの代表での活躍ぶりは、W杯アジア最終予選での日本代表との対戦の例をみて見ればわかるでしょう(昨年11月、今年3月の対戦時)。代表とクラブとで同じ背番号なのでわかりやすいです。

⑥スァン・チュオン(11月途中出場、3月はコロナ感染のため召集外)
⑦ホン・ズイ(11月フル出場、3月はコロナ感染のため召集外)
⑨ヴァン・トアン(11月途中出場、3月ベンチ入り)
⑩コン・フォン(11月、3月ともスタメン)
⑪トゥアン・アイン(11月途中出場、3月スタメン)
⑰ヴァン・タイン(11月、3月ともフル出場)

この選手たちから、アジアの出場枠が8.5に拡大される2026年のW杯カナダ・メキシコ・アメリカ大会での本大会出場を目指すメンバーが出ることでしょう。HAGLのキャティサック・セーナムアン監督(「セーラームーン」と覚えてます。ベトナムでは Zico と呼ばれています)も、U23ベトナム代表からフル代表まで、次期監督候補として名前が挙がっています。

ちなみに、キャティサック監督(タイ人)は、西野朗さんの前の前のタイ代表監督でした。イケメン、アクション豊か、インタヴューでの話も印象付けがうまい感じ。ベトナムでは、選手としても監督としてもファンの信頼を勝ち取ったフットボーラーですね。

VTV6では、生中継の前に、スタジオでアナウンサーと解説者の計4人くらいが大会と試合、チームなどについて話すことが多いです。ピッチサイドの解説者みたいなのは基本無し。この日も延々、かつて日本に取材に行った時の話なども交えて話していました。

選手の入場前、両チームのブラジル人選手たちが声を掛け合ってましたね。ピッチ上では、マスカット監督とキャティサック監督がご挨拶。キャティサック監督、今日はスーツ(ノーネクタイ)ですか。相変わらずイケメンですな。

キックオフ前、両チームの選手たちが円陣を組んでいる時、レフェリーが「巻きでお願いしまーす」的なジェスチャーを再三見せる。注意喚起のためにホイッスルを吹いたら、テレビのスタッフはキックオフと勘違いして、一瞬画面上で計時が始まりました。3秒くらいで表示消えたけど。

3分、右サイドから⑰ヴァン・タインが左足でシュート、ファーサイドのポストを叩く。
ヴァン・タインは左右両サイドできて、先日の代表でのゲームでは左サイドハーフだった(⑦ホン・ズイがコロナで代表召集されていなかったし、右には最近代表で調子が良かったタン・タイ(⑬、ビンディンFC)がいたから)。今日はホン・ズイが左にいるので、HAGLでのいつもの右での起用。

6分、HAGLが右CK。⑦ホン・ズイがニアに蹴り込んで③キム・ドンスが走り込む。ホン・ズイは、髪を染めていた時代から個人的には「サルコジ(元フランス大統領)」と呼んでいる。顔も、たぶん背丈も似ている。

立ち上がりは、HAGLが前に出る感じ。

F・マリノス、一つ一つのパスが少しずつずれている感じで、コンディションは完全ではない模様。暑さにやられているかな…。それでも、13分時点でポゼッション比はHAGL 32:68 F・マリノス。

18分、F・マリノスが右からのCK。F・マリノス ⑤エドゥアルドとHAGL94マウリシオが位置取りをめぐって激しく争って、レフェリーが一旦キックを止める。キックの前にエドゥアルドはファーに大きく動いてから中央へ移動、マウリシオはぴったりついて行くが、この動きがディフェンス陣の注意を多少逸らしたと思う。ニアの⑨レオ・セアラがフリーでオシャレゴール。

23分、ファール数HAGL 6:3 F・マリノス

24分、F・マリノス、左からのFK。⑰宮市がニアのオフサイドの位置に確信犯的にジョグ。キッカーの②永戸が中央に上げて⑨レオ・セアラの頭に合わせてゴール。HAGLのGK㉖トゥアン・リンは不満そうに手を挙げてますけどね、オフサイドポジションにいること自体はファールじゃないですから。良くデザインされたセットピースですね。

29分、F・マリノス⑨が中央からボックス内右に浮き球を出す。走り込んだ⑰宮市がジャンピングボレー。枠を外れたが、スペクタクルなシーン。

29分、ポゼッションHAGL 36.4:63.6 F・マリノス

30分、HAGLが左CK。キッカーは「ベトナムのメッシ」⑩コン・フォン。アナウンサーが「ワールドカップアジア3次予選の日本戦で云々」と、3月の日本戦での先制点の時のCKに言及。HAGL94マウリシオとF・マリノス⑧喜田が競り合って、不運にもオウンゴール。

HAGL少し勢いづいて、33分、右サイドで俊足の⑨ヴァン・トアンがハーフウェー付近からスプリント。ボールを受けてボックス内で切り返してクロス。しかしつながらず。

38分、F・マリノス⑨レオ・セアラが傷んでボールをアウトにして、そのままクーリングタイム的に各選手給水。

前半アディショナルタイムは2分。

46分、F・マリノス⑨レオ・セアラのミドル、バーの上。

前半はHAGL 1-2 F・マリノス。

48分、HAGL⑨ヴァン・トアンが右サイドで抜け出して、結果CK獲得。ここから3回立て続けにCK。HAGL⑦ホン・ズイからショートコーナー、⑰ヴァン・タインとのパス交換ののち、クロス。たぶん㉚ブランダオが中央付近で⑪トゥアン・アインに落としてミドルシュート。F・マリノスGK①高丘の正面。

57分、HAGL、⑪トゥアン・アインOUT、⑥スァン・チュオンIN。キャプテンマークもこの2人で受渡し。

HAGLは、F・マリノスのビルドアップがハーフウェーを超えてもまったくプレスに行かない。F・マリノスはほぼノープレッシャーでアタッキングサードまでボールを運べる。そして61分時点でポゼッション比はHAGL 30:70 F・マリノスとの表示。それでも、一瞬のことで1点入るのがサッカー。何が起こるかわからない。

62分、HAGL⑦ホン・ズイ、ボックス左隅あたりでシュートを狙わずに切り返す。おい、サルコジ、君はいつもならその位置からミドルを決めることができるじゃないかと思った。やや弱気な印象。

63分、F・マリノス、3選手を交代。緒戦でコンディションが万全とは言えない感じの中、交代枠が多いことを活用する意図が見える。

68分、F・マリノス、左からのクロスに⑨レオ・セアラがヘディングシュート、GKはじいたところに⑩マルコス・ジュニオールが詰めるも枠の外。あれれ?

74分、オフサイド数HAGL 3:1 F・マリノス

75分、HAGL⑨ヴァン・トアンが倒される。軽量級で俊足のため、よく倒される選手。個人的には、これまであまり好きではなかったが、このゲームで良くも悪くも「普段どおり」のパフォーマンスを見せていたので、ちょっと好きになった(他のベトナム代表の選手たちが普段より少し弱気に見えたため)。
20mほどのFK、キッカーは⑥スァン・チュオン。壁に当たってゴールならず。

86分、F・マリノスGK①高丘が足元にボールをキープした状態で、HAGL⑨ヴァン・トアンが近づいてきたところを、手のひらで身体に触れて距離を保つ。ただ、プッシングと認めらるような力を加えてはいないようだった。結局、高丘は足元のボールを手で取るが、ヴァン・トアンが激しく突っかかる。両チームの選手が揉みあいになった。ヴァン・トアンの言い分もわかる。高丘も、ファールと言えるほどのことはしていない。

アディショナルタイムは4分。

そのままタイムアップ。HAGL 1-2 F・マリノスで終了。

終わってみれば、HAGL:F・マリノスで、
ポゼッション 30:70
パス成功率 64%:85%
ファール数 15:7
と、圧倒的な差があったように見える。F・マリノスでとしては、アウェー同様の緒戦で多くの選手を試して勝ったことに意味があると思う。2週間強のホーチミン市滞在で、コンディションを上げて良いゲームを見せてくれることでしょう。

本日は以上。