見出し画像

2023年第28回プロキオンS・第59回七夕賞・スパーキングレディーカップ回顧

この記事は、2023年7月9日16時30分〜 芯力休憩所#53 七夕の飛躍からの文字起こしです。


第28回プロキオンS

こひ(以下、こ):このレースはドンフランキーが前半行き切り、その後もある程度早めのラップを刻みながら自身は上がりもまとめたというようなところで、結果的には勝ち馬と2着馬のリメイク含めた2頭が抜けていたなというようなレースだったと思います。

展開という点で言いますと、今回人気にもなってましたジレトールとの先行争いというところがポイントだったかなと思いますが、ジレトールの方がスタートからあまり自分で握りに行かないような非常に消極的な形に見え、その結果スムーズに先手を取り、良さを活かして押し切ったというところです。ちょっとジレトールはもったいない競馬に私には見えましたので、また条件変わったり自分のペースで運べるところで見直せるんじゃないのかなと思います。

勝ったドンフランキーですが、条件戦のポンポンポンと勝ち上がってきて、オープンからもう重賞まで来たというところ。また、父ダイワメジャーというのが結構印象的で、ダートもある程度走れる印象がありますが、中央のダート重賞を勝ったのは初めてじゃなかったかなと。交流ですとノーヴァレンダですとか何頭か勝ち馬いたんですが、そういう意味でもダイワメジャーの晩年に、ダートをしっかり走れる、血統的な裏付けもしっかりある馬なので、今後の成長次第ではそこから先の種牡馬ですとか、そういったステージまで含めて楽しみな可能性があるなと思います。

蒼山サグ(以下、蒼):ウィーミスフランキーが昔からかなりセレクトセールで高値がついたり、しかも成績的に仔出しが良いのか悪いのかって微妙なところだったのが、ここでダートの短距離で、しかもダイワメジャーとの組み合わせで花開いたっていうのは結構面白いですね。

こ: しかも馬格がJRA最高馬体重での重賞勝ちという話もあって、4歳で600キロ弱あってこれだけ動ける馬っていうのは、ちょっと種牡馬になると面白いかないなとも思いまして、ここの勝因は自分のペースで運びきれたというところはあるんですけれど、こういったところでの戦法というのをさらに磨きをかけていって、ぜひ大きなタイトルを取ってほしいなというふうに、そういう期待がすごく持てるのかなと思います。

あとは2着のリメイクは、これはもう本当今日は相手が悪かったかなというだけで、しっかりポジションを取って正攻法で勝ち馬に迫ってますし、中京ではもともと3歳の時のオープンでも立ち回りうまく勝っていたり、この条件も上手そうなので、来年もここ走ってそうな馬な気もしますが、その場合も確実に馬券になってくるタイプの馬だなと思います。カペラステークスの印象が強いんですけれど、割とこういう堅実な走りもできるというところの幅の広さがこの馬の良さだなと思いますね。あとはもう本当今日は能力通りに並んだレースだったので、大きくピックアップする馬はいませんが、あとは最後タガノビューティーですね。最後直線で伸びそうかなと思ったところで、完全に止めに行ってしまったような形で、Twitterを見ていても馬運車には乗ってなかったみたいな話も見かけました。今年結構レースの幅も広がってさらに良くなってきた印象でもありましたので、無事であってほしいなというところを願うばかりですね。はい、以上になります。ありがとうございました。

第59回七夕賞

くらみゆた(以下、ゆ):七夕賞、福島2000mというところと開催も進んでいるというところがありますので、今年も内がちょっと荒れ始めていました。逃げ馬が不利という見立ての中で、割と今日に関しては先行馬が集まっているレースだった、というところで展開がポイントとなったレースだったと思います。

レースはというとゲートから1コーナーそこそこ距離がある中で、バトルボーンテーオーソラネルセイウンハーデスあたりが促しながら前に出てきたんですけど、ハナには立ちたくないなという雰囲気で、ちょっとしたお見合い状態でコーナー手前を迎えている感じでした。結果的には内枠だったバトルボーンが押し出されるような形で逃げる展開。一方で前走を逃げて好走していた一番人気のフェーングロッテンですね。こちらがちょっと行き足がつかずに後方からの競馬になっていました。前が速くなることを少し嫌っていたところも騎手の中であったのかもしれないんですけど、手応え的にもあんまり前に行く雰囲気はなかったので、結果的にはちょっと体調面に問題があったのかなとも見受けられましたので、レース後のコメントを確認したいなと思います。

展開としては向こう場面で入ったところで隊列がすんなりと決まりまして、ゆるい流れになっています。バトルボーンの津村騎手が4ハロン目から12秒6、12秒6、12秒4という展開でしたので、割とどの馬も脚が溜まっているという展開だったかなと。ただ今回先行馬が多くて、上がり3ハロンだけは望んでいないというところもあったので、残り4ハロンぐらいからじわっとペースアップしていって、結果的には前半楽をしている先行馬がそのスタミナを生かして、残りの4ハロンで脚を削って走り切るという競馬なので、どちらかというと例えば阪神の芝2000みたいなところで見られるようなレース展開になったのかなと思います。直線でバトルボーンが抜け出しにかかったんですけれども、馬場の真ん中を選んだセイウンハーデスに押し切っての勝利という形になりました。

勝ったセイウンハーデスなんですけれども、シルバーステート産駒の4歳馬というところで、今日はだいぶ展開が向いたところがあると思うんですけれども、3コーナーから、鞍上から動いて前を潰しての勝利でしたので、価値はあるかなと思います。 前走、新潟大賞典でも連対してますけれども、この馬にとっては、たぶん新潟の外回りの2000、そこまで得意なパターンではないかなと思いまして、ここで2着になったというのは実力がついてきているというところもあるのかなと思いますし、この馬にとってはプリンシパルステークスとか、3勝クラスを勝った時の阪神の芝2000とか、そして今回みたいなちょっと時計を要した上がり4ハロンの競馬が似合うというイメージで、シルバーステート産駒ですので、ロベルト系っぽく考えればいいのかなと思いました。

2着のククナ、こちらは先行馬が動いた時に一呼吸を我慢したことで最後の脚に繋がったレースになったと思います。相手なりに走っているタイプというか、キンカメ産駒の牝馬ですので、そういう意味では自在性があったのかなと思います。 3着のホウオウエミーズは、ククナの後ろで脚を溜めていくというところで内ラチ沿いに隊列を組んでいた形で、緩い流れで馬群が圧縮していましたので経済コースを取れたのが良かったのかなと思います。 あとはバトルボーンですね。こちらは重賞初挑戦という中で押し出される展開でだいぶ厳しい競馬になりましたが、ローカルの2000は向いてそうな雰囲気がありますので、今後もう一回楽しみなところは出てくるかなというふうに思います。あとは、ちょっとフェーングロッテンは、先ほどもお話しした通り、体調面などが気になります。この辺を含めて、今回のレースは展開がいろいろと向き不向きがあった馬が多いと思いますので、まだちょっと見ていないんですけれども、レース後のコメントなどを確認しながら、次の馬券につなげる材料がありそうなレースだったと思います。以上になります。ありがとうございました。

蒼:では続きまして、こひさんの方から補足のようなことはありますでしょうか。

こ:はい、そうですね。このレースは本当にハンデ戦などでよくありがちな、前に行く馬が多そうに見えたら意外にお見合いしてペースが上がらない、という状況がありました。そして、そういった時には内枠が並んで連なってくる、という教訓を思い起こさせてくれるようなレースだったと思います。

展開面などの諸々のピックアップは、ゆたさんのお話の通りだと思います。今回は内側から来ている馬が大半を上位占める中で、自分で動いて完勝の形を押し切ったセイウンハーデスですが、今年に入ってからの充実ぶりというところは非常に光ると思います。たぶんこの後、たぶんサマー2000シリーズを取りに行ける条件というのが割と揃っていると思いますので、そういったところでのレース選択を含めたところは非常に楽しみだと思います。

スパーキングレディーカップ

こ:今週の水曜日に行われましたスパーキングレディーカップの方から振り返りさせていただきたいと思います。このレース、勝ったのがレディバグで、本当に、牝馬のダートとしては牡馬相手に強い競馬を見せていたんですが、1400ベストなところがあって、牝馬ダート路線というところでいうと、今一つ足りない競馬が続いていましたが、レディバグ、酒井学、悲願の重賞制覇というようなレースになったかなと思います。

このレースは川崎が結構コーナーのきついタイトなコースでもあり、それでありながら道中に12秒9、13秒6ですとか、かなり遅めのラップが混じったペースでしたので、こういった若干距離の不安がある馬であっても積極的に序盤に2番手のポジションを取りに行ったという、酒井学騎手の勝ちに来たファインプレーというのが光ったレースだったなというふうに思います。 もともと末脚の持続力というのはあるタイプの馬でしたので、あの位置を取って他の馬がスムーズに行かない時点で、ほぼほぼレースとしては勝っていたなというような競馬でした。 この馬にとっては賞金が詰めたというのが本当に大きなポイントになってくるかなと思いまして、牝馬限定というよりは牡馬混合も含めて千四千六の地方交流に出ていけるかもしれないというところの賞金が取れたというところが、すごく価値があるレースではなかったかなと思います。この競馬なら前にも行けるという選択肢が増えそうです。次も佐賀に行くという話も出ていましたので、牝馬ダート路線というよりは、牡馬混合の短めの距離での今後の活躍が期待できると思います。

次に、2着に来たスピーディーキックについて。スローペースでポジション取り勝負のレースになった時点で、大外からスタートでしたので、すでに厳しい競馬になっていました。今回も人気で負けたグランブリッジと同じぐらいの後ろの位置で運んでいましたが、流れ的にはもっと負けても不思議でないポジションだったと思います。しかし、鞍上の御神本ジョッキーが三角から四角のところで、内に突っ込む勇気を見せました。大外に行かずに内に突っ込んで、距離ロスをなくしてコーナーをさばいたところで、しっかりと2着を確保したと思います。ジョッキーは、厳しい条件の中でもうまく乗りこなしていました。この路線では十分に戦える能力があると思います。今回は最終的に一番人気でしたが、その人気に応えるべきパフォーマンスを見せてくれたと思います。

あと、3着のタガノクリステルは、やや出が良くなくて、たぶん欲しかったポジションをレディバグに取られた感じでした。その後ろをついて回ってきたなというような競馬ではありましたが、この賞金を積んだタイミングで言いますと、ここで積めないとかなり今後の出走順が落ちるところでしたので、この3着というのは今後の路線的にも非常に厳しい結果だったなと思います。しばらくはちょっと牡馬混合で頑張るかなというところですね。最後に人気で大負けしました、ちょっと4着という形で負けてしまいましたグランブリッジですが、これはもう出遅れに尽きるのと、一頭だけ58キロというかなり重い斤量だったのもありまして、もうちょっと挽回ができないような競馬になってしまったかなと思います。今回1番枠から内側にすっとんでいっていたので、今後も1番枠の時には若干そういうケースというのは頭の片隅に入れないといけないなと思いますが、今後のこの路線は徐々に斤量差は縮まっていきますので、ここのレースだけで大きく評価を落とす必要というのはないかなと思いました。はい、以上になります。ありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?