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2023年第84回オークス・第30回平安ステークス回顧

この記事は、2023年5月20日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #37「自由への招待」及び2023年5月21日16時30分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #38「Ever Free」からの文字起こしです。

第84回優駿牝馬 (オークス)

蒼山サグ(以下、蒼):それでは早速、本日はオークスの回顧をやっていきたいと思います。いやー、物凄い、めちゃくちゃ強いレースだったと思いますが、どうですか回顧というか見解はいかがでしょう?

くらみゆた(以下、ゆ):そうですね。まあ、正直語るまでもない強さを体感してほしいという、そういうレースなのかなと思いますが、ちょっと何も言わないわけではないので(笑)。それでは整理していきたいと思います。今回のオークス、展望でも触れたんですけれども、当然リバティアイランドが一強というレースだったので、注目するポイントに関しては、その周りの騎手、馬がどういうレースをしていくかというところだったかと思います。あとは今日はパドックからリバティアイランドかなりテンション高めというところがありましたので、その辺がレースに行ってどうなるのかというところが注目だったのかなと思います。(伏線として)今回は共同会見で川田騎手からゲート前は静かにしてねというお願いがありまして、まあどういう形になるのかなと思ったら、もう完全に公式のお願い、JRAのお願いという形になっていまして、これ割と皆さん素直に静かにしてくれたのかなと思いまして。良いことだと思うんですけど競馬場、本当に民度が上がったというか、もう鉄火場じゃなくて、イベント会場なんだなというのはちょっと改めて思わされました。ということで、リバティアイランドのためだけではなかったと思うんですけれども、結果としてこのギリギリのテンションの中で川田騎手はレーススタートしたのかなと思います。で、スタートしてかなり前進気勢の強い走りをしていたんですけれども、展望でも触れましたが、(リバティアイランドの)外、隣の枠の馬はですね、行きたい馬が多かった、ゴールデンハインドレミージュが先行しましたので、リバティアイランド周りが空いたので、1コーナー入る前には外から3頭目ぐらいの位置まで出して、折り合いに専念できるという状況になっていたかと思います。一方で、ハーパーのルメールですね、どういう形取るのかなと思ったんですけれども、やはりスタート直後にリバティアイランドの横を取ってここから後ろを狙うのか、前からプレッシャーをかけていくのかというところを見ていたんですけれども、リバティアイランドの前進気勢が強かったというところもありまして、結果的に向こう正面でリバティアイランドがちょっとハミを噛むような仕草もありましたので、ハーパーの方はリバティアイランドの後ろに取るという形になったというところで落ち着きました。

これでほぼほぼ今日のレースの形は決まったかなという向こう正面だったと思うんですけれども、リバティアイランドの川田将雅騎手は直線向こう正面入り口で少しハミを噛んでいましたけれども、さすがの技術で折り合わせて後半戦に入りました。そうなってくると外にいるのがレミージュぐらいで、もう順調に走っている形。ハーパーの方は800mぐらいから動かしに行っているんですけれども、まだ3歳春のハーツクライというところもあったのか、ちょっとまだ動けない感じだったので、このタイミングでほぼレースは決まった、もう完全に勝ちは決まったかなというところです。直線は外に出してから圧倒的な末脚というところで素晴らしい走りを見せたのかなと。川田将雅騎手はレース後の会見でも言ってましたけれども、最後まで動かした結果、6馬身差。走っている姿を見ると最後の100mも本当にしっかり(フォームを崩さずに)走り続けるように見えましたので、本当に強かったのかなと思います。

2着のハーパーは直線入り口で手応えは悪かったんですけれども最後まではよく伸びていて、これ結果的にはリバティアイランドと真後ろという一番走りやすいポジションを道中選択しましたので、そういうところを含めているルメール騎手が良く乗って2着に入ったのかなと思います。あと目立ったのは4着のラヴェルですかね。枠順が内でどういう競馬になるかなと思ったんですけど、かなり内側の馬場も良かったので、そこも含めて積極的な競馬をしていました。ただ逃げ馬、今回ゴールデンハインドではなくてライトクオンタムが逃げるという形になったんですけれども、今日のラップ、向こう正面1000m入ってから2000mまでずっと12秒ジャストが続くという平均ラップでしたので、3、4コーナーの減速分を考えると、かなりタフな流れだったのかなと思いますし、リバティアイランドもその中で中団より前位に位置していましたので、ラヴェルはかなり良い走りで直線残り400mぐらいまで我慢して仕掛けたんですけれども、(勝ちに行った分)ちょっと頑張りきれず4着というところで、かなりきつい展開だったにも関わらず良い走り見せたので、これさすがキタサンブラック産駒どこでも走るなと。

あと血統でいうと3着のドゥーラ、こちらもドゥラメンテの産駒なんですけれども、やっぱりこういう平均ペース以上で追走力を問われる競馬では本当に力を発揮するというところの強さを見せていたと思います。あとは5着がシンリョクカ、6着がヒップホップソウルというところで、やっぱりスタミナ優位の馬が来たというのは、かなり今回タフな流れだと思いますので。ラップを見ると、結構びっくりするぐらい厳しい競馬だったので。事前の予想通り、速く入って、道中緩んで、後半速いとかじゃなくて、本当途中からずっと田辺騎手が逃げたというのもあると思うんですけれども、そういう競馬だったんで。

蒼:ちょっとリバティの話に戻るんですが、スローの瞬発力勝負で圧勝ではなく、ちゃんと2400のきついラップを刻むようにぶっちぎったというのは、結構この馬にとって価値があるなと個人的に思いました。

ゆ:そうですね、ドゥラメンテ産駒っていうところもあったので、こういう競馬当然できるだろうなとは思っていたんですけれども、やっぱりこの速いペースを追走してというところと、前進気勢が強い中でも、(スタミナを)損なわずに走らせるというところ、位置取りもかなり桜花賞に比べれば前を走っていたというところもありましたので、相当強かったのかなと思います。昔だったら2400mの3歳牝馬ってなると、道中はちょっとフワッと乗って楽させて、最後斬れ味勝負みたいな競馬がありましたけれども、今回見てみるとやっぱり厩舎側もそういう遊ばせるような競馬をするわけじゃなくて、前進気勢を損なわせない、騎手の方も昔と違ってきちんと前に進ませながら折り合わせる。これは川田騎手だからというのもあると思うんですけれども、そういう競馬だったのには非常に血統面でも騎手面でも令和の時代の競馬というか、本当に強い新たな一面とは言わないんですけれども、本質的な強さが見られたレースだったかなと思います。

あとはこういう競馬の中でドゥアイズルーラーシップ産駒はスタミナ問われる展開になるのでちょっと期待したんですけども、スピード足りないというところがあったのでやっぱりキタサンブラックドゥラメンテあたりと比べるとそういうところの弱さというところもありますし、今の感じで言うと今回好走はしましたけどサトノダイヤモンドあたりも、その辺のスピードの足りなさが見えているのでなかなかもういなくなっちゃいましたけどドゥラメンテキタサンブラックだったりとかというところとガチで戦うのは本当厳しいんだなというところは思いました。本日私からは以上です。

蒼:ありがとうございます。僕から追加というわけではないですけど先ほど川田騎手は安田記念のソダシの鞍上に決まったというニュースが入ってましたので、アイドルホースとタッグ。個人的にはちょっと見たくない未来でありますけど(笑)。安田記念で優勝することになったら、もう川田騎手の地位がさらに日本の代表としてステップアップするんじゃないかなという印象がありますね。

ゆ:本当に去年リーディング獲ってから、この場で本の紹介の中でも言いましたけれども、本当に日本競馬を背負って立つ気概というか、動きというか喋りというか。今回のゲート前のお願いとかも一昔前だったら、武豊や福永祐一だったりとかだったと思うので。川田騎手がタイミングも一番人気だったというのもあったのかもしれませんが。

蒼:もうサンキューユウガの出走までもしかしてコントロールしてたのではと。まあ冗談ですけど、思いたくなるぐらいなんか今勢いがありますね(笑)

ゆ:いや本当にソダシみたいなアイドルホースに乗るのが川田騎手っていうのは、ちょっと私は当時見てないですけどオグリキャップに武豊が乗るような、もしくはウオッカに武豊が乗るような、そういう時代のアイドルホースにとりあえず乗せてみようみたいな関係者の総意というか、日本競馬のうねりを感じますね。

蒼:はい、ちょっとそういう意味でも楽しみが溢れてきた2023年だと思います。

ゆ:安田記念も相当強い馬が揃って楽しみですし、あとはそうですねリバティアイランドなんでもう本当に2000mくらいは相当強いと思いますし、ジャパンカップも楽しみでしょうから。秋はジャパンカップどんなレースになるのか。このリバティアイランド相手に斤量差ありで戦わなきゃいけない古馬勢は相当つらいんじゃないかなと思うんですけど、楽しみにしたいと思います。

蒼:今年ではないかもしれないですけども縦縞との牡牝三冠対決なんかも実現すれば見たいなと。本日の回顧は以上になります。ありがとうございました。

第30回平安S

蒼:今日行われました平安ステークスこちらがグロリアムンディがすっかり勢いを取り戻した形となりましたがダート戦線ということなので、こひさんからまずコメントいただけますでしょうか。

こひ(以下、こ):はい。まずレース前の構図としては昨年ある程度の成績を残した実績組のグロリアムンディや去年3歳で活躍しましたノットゥルノといったところに対しまして、去年の秋ぐらいから力をつけてきたハギノアレグリアスヴァンヤールがどう挑むかというのが大きな構図だったかなというふうに思います。結果的にはペースがかなりシビアなレースになった印象でして、序盤のポジション争いでかなり流れて、さらに残りも1000メートルからも消耗戦みたいなラップを刻むようなかなりタフなレースになりまして、上がりも最後の2ハロンがどんどん時計をかかっていくというようなところでかなりアメリカンなスタイルのレースになったなというような印象です。

結果的には上位人気の3頭が力通りに来たというようなレースになったそういった印象です。特に勝ったグロリアムンディはそのペースを自分で先行して、最後は1頭で抜け出してから、さらに最後ハギノアレグリアスヴァンヤールに詰め寄られるところでももうひと脚あって突き離していましたので、結果的にはこのメンバーの中では完全に1枚抜けていたなという印象ではあります。特に序盤ポジションをうまく取りに行った川田騎手がうまいなと思って見ておりましたが、レース後のコメントでは状態面がまだまだだというような辛口コメントが出ていまして、普通に考えるとこれでさらに上のパフォーマンスが出せるならば、帝王賞でも面白いと言いたいところではあるんですが、今年の帝王賞かなりハイレベルボーダーが見込まれてまして、多分現状ですと何かが回避しないと除外されそうだというようなところが非常にかわいそうな状態だなと思いますね。とはいえ一戦級のメンバーと地方交流で当たったときには私個人としては結構なパフォーマンス出せる馬じゃないか、いきなり壁を破ってもおかしくないかなと見ております。それが帝王賞になるのかその先になるのかというところはありますが、今後そういったところに当たってきたときには状態面のジャッジも含めて気にしたいなと思っております。

2,3着はしっかり力を出し切ったなと、その上でグロリアムンディとはちょっと差があったなというようなところではありますが、ハギノアレグリアスヴァンヤールも重賞レベルでは相手次第ではいつ勝ってもおかしくないところまでしっかり来たのではないかなというような印象です。特にハギノアレグリアスはこれで賞金的には結構地方交流にエントリーができていけそうなところまでは来ているのかなと思いますので、そういったところも含めてのレース選択が気になるところですね。あと今後見直していけそうかなと思うのは4歳馬組かなと思いました。正攻法で、割と厳しい流れで前に行きながら止まりそうで止まらなかったタイセイドレフォンですとか、あとカフジオクタゴンも今年入って5着5着で今回7着みたいな形なんですが、レース内容自体は今日は結構良くなってたなというふうに見てまして、この辺り4歳馬はなかなか古馬とのダートの中距離で斤量差がなくなったときにちょっと苦しむというような傾向はありますが、結構慣れてきたので条件次第では出番がそろそろ出てきておかしくないかなと思いました。あとはノットゥルノのはいかにも休み明けみたいな形で馬体重もかなり増えてましたし、直線でも最後はもう完全にやめたような形になっていましたので、得意の大井で叩いてなら変わってきそうな、そういった印象はあります。変わったところで相手が強いので、そこで通用するかという問題はあるんですが、今回よりは次パフォーマンス上げそうだなという印象でございます。はい、以上一旦全体の振り返りです。

蒼:ありがとうございました。今日は何かゆたさんから付け足しとかございますでしょうか。

ゆ:そうですね、今日このレース1着2着が前走両方とも川田将雅騎手で地方交流勝っている馬という形になるんですけれども川田将雅騎手に選ばれた馬が勝ったというところで、見る目もそうですし、レースぶりもそうですし、流石だなというところとやっぱり乗り方見ていると岩田望来騎手とその辺とは差がまだ当たり前ですけどあるなというのを改めて思ったレースではありました。あとは先ほど、こひさんからも話ありましたけれどもやっぱりこのダートの中距離路線、昔からですけれども結構雑巾掛けというか4歳になって斤量慣れしていってだんだん上がってくるというレースもあると思うのでカフジオクタゴンとかノットゥルノとか楽しみにしたいなと思いました。はい以上です。

蒼:はい、ありがとうございました。ではお二方何か言い残したことさらに付け足したいこととかございませんでしょうか。

こ:そうですね、そういう意味ですと、このレースあの牝馬路線を一番見ている身としてあのテリオスベルの鞍上が、いつもあのスタートからずっと追い通しで最後まで行く江田照男ジョッキーから古川ジョッキーに乗り換わったと。江田照男騎手が来週から復帰予定で、怪我というのもありまして。果たしてどう乗れるのかなというのをめちゃくちゃ楽しみに見てたんですがまあスタートから想像絶するを押して叩いてを1000mひたすら続けて続けても捲りきれずに向こう正面で力尽きるというちょっとなかなか壮絶なレースをしていまして。まあ乗り換わりプラス少頭数、地方交流では勝負にならない馬もいるわけで、(今回は)多頭数で速い馬が多いレースでこの馬を任されるというのはちょっといくら何でもかわいそうだったなというふうに思って見ておりました。また江田照男ジョッキーも復帰予定なんで、そうであればこの馬自体は見直せるのかなとは思いますが、まあなかなかあの大変な役割が回ってきたんだなというところで古川ジョッキーにはお疲れ様という気持ちでございます。

蒼:いやすごいですよね、本当に。いや普通に交流重賞で勝負になっている馬が刻んだ順位が10-7-12-16で完全に止まってますからね。

こ:もう本当にあの是非見直す方は、本当にスタートからひたすら1コーナー2コーナーまで追い通して向こう正面で力尽きていく姿がなかなか見られないものなので、是非見ていただけたらと。

蒼:ぜひ復習してみたいと思います。


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