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2023年ドバイワールドカップデー回顧

この記事は、2023年4月1日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #23「じっくりドバイを振り返る」からの文字起こしです。

蒼山サグ(以下、蒼):UAEダービーの回顧お願いできますか?

くらみゆた(以下、ゆ):はい、勝ったのがデルマソトガケというところで、サウジダービー3着からの勝利ということになりました。このレースに日本馬がまあ1着から4着独占というところで、勝ち方も日本馬が先手とってスピード見せつけての勝利というところになりました。これちょっと何度も話してしまうんですけれども、いくらアメリカの一戦級が出てないとはいえ、3歳のダートでここまで海外に通用する時代が来たのかというのは感慨深いものがありますね。この後コンティノアールと一緒にケンタッキーダービーに行くということも発表されておりますので、ドレフォンマインドユアビスケッツの産駒がアメリカに凱旋っていう形になりますので、本当に海外から来た種牡馬が日本で墓場とか言われてた時代はもうなくて、すぐ海外で結果出しに行くっていうことと。あとこの2頭、母系はあの輸入繁殖の直仔ではなくて、それなりに積み重ねつつある血統というところもあるところなので、社台から出たっていうところ、ノーザンではないので。いろんな意味で全体的に世界レベルの血統が日本にあるんだなというのを改めて感じた結果かなと思いました。

蒼:ありがとうございます。Deputy MinisterStorm Catはもうどこでも走りますね。

ゆ:やっぱりスピードですよね。スピードは大事です。

蒼:はい、ありがとうございました。ではゴールデンシャヒーンの回顧お願いします。

ゆ:このレースはガナイトが注目だったと思うんですけれども、ガナイトホプキンズがで前々で競馬しましたが、直線の半ばで脚色が鈍ったところで、内から伸びたスイッツァランドを抑えてシベリウスが差しきるというレースでした。シベリウスはG3を勝ってる馬なんですけれども、アメリカの一線級というわけではない馬だったわけで。まあさっきの話とはまた別のこと言いますけど、この路線はアメリカの古馬の層が厚いなと。最後にリメイクレッドルゼルが伸びてきてますけども、勝ち負けに加わっとは言いづらいですし、期待されていたレモンポップが10着というところで。このレースだけ見ると、あのソロっと後ろから差してきたよう馬が掲示板ギリギリみたいな、一昔前のドバイワールドカップの日本馬のイメージが被る感じだったかなと思います。 まあ単純に日本馬の能力が通用しないというよりも、やっぱりあ慣れというか日本のダートというか芝もそうなんですけど、こういう風でガンガン逃げて追走していくっていうレース経験がやっぱりないので、こういうところで差が出ちゃうのかなと思います。中距離だと今ディープインパクトサンデーの後継だけじゃなくて、前々で勝負していく馬もいたりと、バリエーションがあるんですけれども、まだまだダート芝の両スプリンターの路線っていうのは日本だと、ちょっと距離を持たせたいとか、後ろから行ってキレでなんとかなるしみたいな。ちょっと(他の路線に)色気があったりするので、まだ世界との距離が適性的にというか、レースの質に差があるのかなと思います。まあキレ重視でまあ日本の競馬が育ってきたから今の結果があるので、一概にダメというか、全てをの路線を取るって言うのは難しいのかなと思うんですけども、交流重賞であったりとか、3歳のダート路線も拡充していきますので、この辺の路線でもっとダートをガンガン前から行こうぜって競馬が日本でも見られるといいなと思いました。

蒼:そうですね。ダートのスプリントとかになるとJRAでは最初にそこを目指してっていう風にもシステムができてませんから、どうしても二線級になってくると思いますけれども。ドバイゴールデンシャヒーンを定期的に勝ち負けするとなると、それこそ恐ろしい話だなという気もします。

ゆ:そうですね、そこは何とか地方と分け合えるいいかなって思いますね。

蒼:ありがとうございました。それでは続きまして芝のドバイターフの振り返りをやっていきましょうか。お願いします。

ゆ:はい、このレースはもう本当にドウデュースが出てれば勝ってたのにという思いが(苦笑)

蒼:そうでしょうね(苦笑)

ゆ:まあ出られなかったっていうのも競馬なので仕方ないところではあります。ロードノースが3連覇という形になって、まあ的場均が出ていればと思いつつ、そんなことを言うと調教師成績に目を向けてしまって、ライスちゃんが泣いちゃうんでこの辺で。それはさておきロードノース勝ちましたが、ダノンベルーガがかなり僅差の競馬をしていて、それを考えるとも先ほどの話じゃないですけどドウデュース出てくれれば、もうちょっと前にいたんじゃないのと。あとはダノンベルーガがもちろん乗り難しい馬っていうのはあるんですけれど、モレイラちょっとしくじったかなというイメージはあって。これ見た時に川田乗せておけば勝ったんじゃないのと、正直思ったところがありまして。これ逆に言うとまあ一昔前だったらモレイラだったらしょうがないと思ってたような気がするので、そういう意味に言うと川田筆頭にいろんな日本の騎手レベルも上がってきたから、そういう思いになったのかなと。

蒼:馬主はダノンですから川田という選択が一番になかったのかなって気もしますけど。

ゆ:不思議な乗り換わりだったかなと思いましたね。セリフォスの方は思ったより頑張ったかなと思いますけど、マイルまでの馬かなというところと、ちょっとダイワメジャーにしてはキレ重視というところもあるので、ちょっとこの展開は向かなかったのかなという感想でした。

蒼:ありがとうございました。続いてシーマクラシックお願いします。

ゆ:はい、これについてはもうイクイノックスに参りましたというしかない競馬だったと思います。

蒼:恐ろしいくらいでしたね。

ゆ:はい、ちょっと調整過程で若干不安を伝えられていたので、怪しいかなと思ったんですけれども。いわゆる逃げて差す競馬という感じで、あの風景にキタサンブラックを見るかハーツクライを見るのか、それで(ファンの)年が分かる感じの。シーマクラシックの伝説が一つ生まれたのかなと。本当にもう持ってる馬の巡航速度の質が違うという形なので、この芝の中距離以上でこういう海外馬がついてこれないペース、(展開的に騎手が)日和ったのかもしれないんですけど、そこでこう普通に自分のペースで走って圧勝できるっていうのは本当に強いなと思いました。あとはちょっとこれは観測範囲の話なんですけど、まぁこれだけの物凄い勝ち方をしたけど、多分みんなあんまり凱旋門賞行けと思ってない気がしていて。結構去年のトラウマがみんなあるんだなって思いつつ、凱旋門賞以上に馬場の差はあるんですけど、やっぱりあの競馬をみるとハーツクライの仇を獲りに、キングジョージに行ってほしいなって思ってしまうのも、ちょっとファン心的にはあるところでございます。実際はまあインターナショナルSとかBCターフに行った方が結果は出るのかなというイメージはありますけど、あとシャフリヤールは期待したんですけれども、ちょっとだらしない競馬になってしまったところもあって、エフフォーリアも引退になっちゃったので、ちょっと狭間の世代感が出てきてしまっているんですけれども。この辺は今後の活躍というか、無理に海外行かなくても、日本で立て直してくれるといいのかなと。秋は府中の競馬もありますんでね。

蒼:ありがとうございました。それでは最後ドバイワールドカップの方を振り返っていきましょう。お願いします。

ゆ:このレースはもう本当に川田将雅が最高というかね。

蒼:いやーすごい感動しましたね。

ゆ:もうみんな「頂への挑戦」読みましょうという。あれ読んでからのドバイワールドカップっていうことによって、エモさがあると。

蒼:本当そうですね。

ゆ:紹介させていただいた甲斐があったかなと思いました。勝ったウシュバテソーロは、道中も本当ドローン映像で見切れてるぐらいで。今までのドバイワールドカップだったら、レースに参加できませんでしたねっていう位置だったんですけど。その状態からちゃんと馬がハマるまで待って勝つのが今の川田の上手さというか強さというか。まあなんかこう武豊の全盛期の巧さとはまた別のバチバチに勝たせるぜっていう乗り方かなと。

蒼:獣のような(笑)

ゆ:川田家の目というか(笑)。というのは、ざっくりした感想なんですけど思っちゃいました。で、冷静に見るとサウジカップが今回の伏線になったのかなと思ってます。サウジカップは似た距離ということもあり、(サウジからの)遠征がいっぱいいるんですけども、サウジカップのキング・アブドゥルアズィズ競馬場は1ターンなんですよね。ダートが外で芝が内で。今回ドバイワールドカップのメイダンは芝が外でダートが内と。しかも2ターンというところもあるので、同じように見えてやっぱり違う競馬場、違うコース。そんな中でパンサラッサがサウジカップを派手に勝って挑んでいるというところがあったので、だいぶ注目を浴びてマークが厳しくなりましたと。しかも今回パンサラッサが外枠だったので、結果的に1コーナー入るまでハナ取り切りずに、かなり無理して入っちゃったというところで。その結果ウシュバテソーロの差し切りにも繋がったのかなと思います。パンサラッサは逃げ馬なので、なんとなくつい2ターンのO型コースで、(コーナーで)息入った方がいいのかなって個人的にはしてしまっていたんですけども、冷静に考えると去年のドバイターフも天皇賞も1ターンなんですよね。札幌記念と香港カップでO型コースだと負けて。

蒼:(勝ったのは)福島記念くらいですかね。

ゆ:そうですね。なのでこの馬はツインターボの再来とか色々言われてたと思うんですけども、やっぱり質が違っていて、コーナー減速しないから巧く逃げられるっていうよりは、他の馬が息を入れたいところで、とにかく緩急つけずに逃げるのがやっぱ強み、持続性というのは強みなのかなと。なので意外と直線の長い1ターンコースの方が他馬に無理をさせる競馬ができるのかなと思いました。なので次回出てくるレース、2ターンの競馬場の場合は若干割り引いてもいいのかなと思いつつ、今日のニュースで出てきましたけども矢作調教師が休ませて秋はじっくり考えるって言ってるので、矢作調教師が勝てるとこ狙っていくんだろうなと。ちょっとこの知識を馬券的に使えるか怪しいんですけれども、そんなことを思いました。勝ったウシュバテソーロは本当に父オルフェーヴル、本当にオルフェーヴルの最高傑作と言っていいでしょうっていう競馬ぶりだったと思っていて。オルフェーヴルも有馬記念でコーナーであんまり減速しないで最後捲ってきた姿っていうのが印象的でしたし、今回も2ターンO型のコースを、後方からコーナーで本当キックバックで泥だらけになって。普通だったら絶対競馬やめちゃうような姿で突っ込んでくる根性と、どれだけ道中ストレスかかってきても伸びてくるぞっていうあの姿に本当にオルフェーヴルの傑作なんだろうと思いました。また馬も素晴らしかったですし騎手も素晴らしかったと思います。これもまた川田本を読んじゃったから話しちゃうんですけども。川田騎手が勝利騎手インタビューで「日本の皆さん”」と叫んでた姿見てると、ちょっと肩の力が抜けたのかなという気もしていて。ウシュバテソーロに出会ったタイミングっていうのも絶妙だったのかなと。本人が話しましたけどもリーディング獲った後福永祐一との対談で、もっと楽しんで乗ったらもっと凄い騎手になるんじゃないかっていう話をしていて。これ凄く良い話だなと思ったら、本人もやっぱり本で触れてたんですよね。なのでやっぱりそういうタイミングで名馬に出会えるっていうのはこれ縁なので。円熟期にこういう馬に出会えたっていうのは川田将雅にとっては素晴らしい出会いになったんじゃないかなと思いました。こっちは本当凱旋門賞行って欲しいなと。

蒼:そうですね。表明もありましたがぜひ実現してほしいですね。

ゆ:やっぱりキングマンボの血とオルフェーヴルの血を持っている馬で凱旋門賞を獲りに行くっていうのはエルコンでありステイゴールドであり。WBCの栗山監督じゃないですけど、こういうストーリーで獲りに行かないととやっぱり獲れないと思いますし。ルメールもいいんですけどやっぱり鞍上に武豊と福永祐一ときての川田将雅。日本競馬のエンディング見るには、やっぱり池添じゃなくて川田将雅を日本競馬の神の思し召し、というとちょっと池添ファンに怒られそうなんですけど。

蒼:ちょっと我々おじさん世代にとっては、ここ数年の池添さんはちょっといい意味でロンダリングされているので、我々がなぜそんなことを言うのかいまいち伝わらない可能性はありますけど(笑)

ゆ:なんかこうねアイドルチックになって、癖馬乗ってる良い騎手みたいになってますけど、若い頃は相当お前が癖馬だったわという話でしたからね(笑)。まあそういう意味ではやっぱりこういうストーリー強度の強い馬と騎手で獲りに行くっていうのが凱旋門賞には必要なのかなと個人的には思っていて非常に期待しています。あとは今回はペースがだいぶ厳しかったので2000mがギリの馬っていうのは厳しかったのかなっていうのと。あとこのサウジカップが伏線になったっていうことも含めて、多頭出ししてガチャ回したのがこの結果を生んだのかなと。

蒼:凱旋門賞も回さなきゃ出ないですからね。ありがとうございました。あと我々芯力一同といたしましては、オルフェ産駒による凱旋門賞獲りを「オルフェの戸締まり」と名付けて応援していきたいので、ちょっと流行らせたいと思います。

ゆ:「いってきます」したいですよね。

蒼:はい、最後はちょっと余談でしたが。ありがとうございました。


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