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レコードジャケットバトン

Facebookでレコードジャケット紹介のバトンを渡されたので、一週間分まとめてNOTEで紹介したいと思います。レコードの内容にも言及します。写真はいま撮りました。

1.まず初めに紹介したいのは、bbeからリリースされた、カールクレイグとローランガルニエがセレクトするThe Kings of Techno Part AとPart Bです。

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この頃のレコード業界はまだまだ勢いがあって、コンピレーションアルバムを作るのにわざわざカールクレイグとローランガルニエを起用し、レコードジャケットもここまでこだわって制作するという非常にお金のかかった仕事なんですけど、最近はここまで大規模なプロジェクトというのはあまり見かけないですね。しかもTechnoのコンピレーションなのに、アリスコルトレーンやJ Dilla、テンプテーションズなんかのTechnoとは一見関係ないジャンルの曲がコンパイルされていて、これこそがテクノだ!と興奮した思い出があります。ちなみにこのThe Kings ofシリーズはジャイルズピーターソンとJazzanovaがセレクトするThe Kings of Jazzや、

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DJ MUROとKon & Amirがセレクトするレアグルーヴ盤もあります。当時はお金を持ってなかったので全てを買い揃えることができなかったのですが、今は余裕が出てきたので見かけたら買いたいなと思います。


2.次に紹介したいのがライブに行ったわけではないけど、北米ツアー、ジャパンツアーを回っていたときの記念盤、King Crimsonのピクチャーディスクです。世界で1000枚限定なので、自分が世界の1000人の中のひとりだと考えるとなかなか嬉しいものがあります。

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3.次に紹介したいのが、ガーナ出身で16歳からDJをしているソウルシンガーで膨大なレコードコレクションを持つAndrew AshongのSpecialというシングルの12インチです。

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このジャケットはシルクスクリーンを使い一枚いちまい手刷りで作っているので同じ柄は二枚とないです。歌も喪失感があり、ボーカルにかけたディレイと過剰にぶっといベースがフォークとダブを合わせたような感じでとてもかっこいいです。


4.次に紹介したいのがマニュエルゲッチングのE2 E4を生バンドスタイルでカバーしたデトロイトのScott Grooveの12インチです。

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一見するとただのロゴなしブラックジャケットなのですが、近くでよく見るとE2 E4の文字がピアノの鍵盤にかぶせるソフトウールのような生地で浮かび上がっています。

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デトロイトらしくアフリカやインドのような民族フューチャリスティックでファンクネスに溢れた楽曲と現代的な音響空間はまさに名曲と呼ぶにふさわしいレコードです。ちなみにScott Grooveは最近マイケルジャクソンのリベリアンガールも7インチで生バンドカバーしています。


5.次に紹介したいのが西アフリカはリベリアの右隣、コートジボワール出身のMr Raoul Kのアルバムです。

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レコードをアフリカのテキスタイルで包み込み、まるでアフリカ人からの贈り物のような(実際そうだけど)見た目になっています。生地はランダムに買い集めたのかネットで検索してみるとどれも違う模様の袋ばかり出てくるのでこれもとても貴重なジャケットだなと思います。内容はアフロサイケデリックと言わんばかりの民族的なディープハウスでかなり中毒性があります。


6.次に紹介するのがモータウンの日本盤7インチジャケットです。

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MOTOWNという文字を見かけたら洋盤邦盤関係なく見境なしに買ってしまうので僕のレコードコレクションの中ではモータウンがいちばん多いレーベルなんですけど、僕の家ではUS盤が圧倒的に多いですね。日本盤のジャケットのほうがカッコいいと思っているのにまだまだ少ないからこれからも見かけたら見境なくどんどん買っていこうと思います。

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7.最後に紹介するのはケンドリックラマーの曲をプロデュースしているJosef Lembergの7インチです。サックスはカマシ・ワシントンが吹いています。

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僕がオーガナイズするイベント、budspackersを開催している三軒茶屋ORBITというDJバーで、このレコードジャケットを描いたアーティストの原画展が僕のイベントと同時に開催されていたのでびっくりした記憶があります。

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僕もそのときちょうどこのレコードを持ってきていたのでこれも何かの縁だなと思いました。ORBITは今現在コロナで音楽イベントを自粛中なので、こんな素敵な絵を描くアーティストの展示会を開催しているような箱を存続させるためにもぜひクラウドファンディングに寄付していただけたらなと思います。


レコードジャケットはフィジカルで、手に取って触って音楽を別の次元で体感できるものです。確かにインターネットで音楽を聞くことは便利で否定はしないんだけど(実際僕も電車の中ではSpotifyで音楽を聴いてるし)、しかし実際の物質そのものが目の前にあって手に持つことができると、その素材や絵や形が本物のアート作品となってそこに存在します。インターネットのように無限ではありません。とても貴重で価値のある、世界でも数百人、数千人しか持つことが許されないものもある本物の物体です。興味のない人にはたかが紙きれで作った容れ物ぐらいにしか思わないかもしれないけど、こういうちょっとした楽しみが何気ない日常を明るく彩ってくれるのではないでしょうか。そしてこういう小さな幸せを積み重ねていくことによって少しだけ、人生に確かな深みを与えていくのだと思います。

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