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マーケティング戦略でのPEST分析の精度をあげる

皆さん、PEST分析はしていますか? マーケターであっても意外とPEST分析について知らない人が多いのではないでしょうか?

PEST分析とは

PEST分析は政治のPoliticsのP、経済のEconomicsのE、社会のSocietyのS、技術のTechnologyのTと頭文字を取ってPESTと言います。これは、自社の製品やサービスを取り巻く環境を分析して、外部の機会や脅威を導き出す分析です。そのため、多くのマーケターはマーケティングの教科書にPEST分析について書あっても、そんなことはわかっていると思いスルーしてるうちに忘れてしまうという事が多いようです。

教科書的なPEST分析とその欠点

マーケティングの教科書では基本的に「自社を取り巻く事象を、PESTの観点で書き出していきましょう。」といった事が書かれています。正直、この説明ではざっくりしすぎていて、外部の機会や脅威を見つけるには、粒度があらいものになりがちです。またPEST分析をするにあたっては教科書では示されていない視点が必要だったり、より精度の高い分析をする方法がPEST分析と絡めて紹介されていなかったります。

分析対象の絞り込み

PEST分析を行う時、知りたい範囲はどこでしょうか?よく「自社を取り巻く」という表現が使用されますが、実はその範囲はかなり曖昧です。PEST分析を新規事業企画などで使う場合には、広く自社の周りを知ることは意味がありますが、マーケティングに関してはそれでは広すぎて、調べるのに時間ばかりかかり、ざっくりとした分析しかできなくなってしまいます。

マーケティング戦略でPEST分析を行う際には、2つ観点で分析対象を絞り込む事が有効です。一つはターゲットとなる顧客の市場です。これは顧客のニーズを読むために必要です。もう一つは自社の製品やサービスの製造販売に関わる動向です。これは、主に脅威となる規制や技術革新、製造原価の変動などを読むことに役立ちます。このように、漠然と自社の周りを調べてみるのではなく、範囲を絞って効率的に、より深く分析をするようにしましょう。

時系列を読み解く

PEST分析の目的は先ほど外部の機会や脅威を導き出す事と言いました。では機会や脅威とはどういうものでしょうか?今目の前に起こっている機会や脅威は分析するまでもなく見えています。重要なのは、これから起こるであろう機会や脅威をいち早く見つけて対応することです。

そのためには、洗い出す事象はすでに起こった事実に加えて、アナリストや行政などの予測を組み込んでいくようにしましょう。過去、現在、未来の動きを知ることで、市場の変化を導き出す事ができるようになります。これが、これから怒るであろう機会や脅威を見つけるためには必要不可欠な分析です。

裏取りをする

これはPEST分析に限ったことではないため、PEST分析のやり方としては紹介されていませんが、書き出した事象が事実であるかの裏取りが重要です。思い込みや勘違いは、人間のバイアスとしてどうしても発生してしまいます。それを回避しないと、正確な分析はできません。

このバイアスを回避するためには、リサーチ会社や行政による調査結果を調べて、その事象が本当にそうなっているのか、どれくらいのインパクトで怒っているのかの裏取りをする必要がります。これは、分析の正確性を高めると同時に、その事象と因果関係や相関関係にあるような事象を知る機会にもなります。

結局は数をこなすしかない

では、この観点があれば良いPEST分析のができるのかというと、なかなかそうも行かないのが現実です。しかし、ここで書いたような分析の仕方ができなければ、PEST分析しても意味がないというのも真実となります。

実際、このステップでPEST分析を行うと見落としてる事象や傾向がポロポロと見つかる事がよくあります。基本すぎてやらなくても良いと思われているPEST分析ですが、しっかりと取り組む事で、競合では見落としているような機会や脅威を見つけ出すことができます。この3つの要素をPEST分析に盛り込むには慣れるしかありません。ぜひこの3つの要素を盛り込んだPEST分析を行なって、勝ち筋となるマーケティング戦略を実行してください。

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