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ねんねやおろろわい・富山の子守唄|歌詞と解説

ねんねやおろろわい

:: 富山県の子守唄
:: 歌ってみました、記事の最後に再生リンクがあります

「オロロワイ」はあやし詞です。
最後に終始音がつかない(曲が終わったという感じがしない)ことによって、何度も何度もくりかえし歌いたくなるような、歌声がずっと夢のなかに続いていくような、やさしく不思議な心地がします。
子守唄にはこうした〝くりかえし〟歌うための特徴がよく見られます。


◼︎歌詞

・富山県富山市 採譜 富山女子師範学校附属堀川小学校

ねんねや おろろわい
おろろわいや ねんねこせ
花ちゃんの子守はどこ行った
あの山越えて 里へ行った
里のみやげに 何もろた
でんでん太鼓に 笙の笛
鳴らいてみたら よく鳴った

類歌の歌詞も素晴らしかったのでご紹介します。

【類歌】
ねんねのお山を越えるとき
東を見ても松ばかり
西を見ても松ばかり
北も南も松ばかり
雪に降られた松の葉は
銀の縫い針しかけ針
振りの小袖のしゃなしゃなと
ねんねのお山をとろとろと
ねんねこさんよ いらっしゃい

七五調で、巧みに韻を踏んであるところをみると、こちらは明治以降にできた新しい子守唄かな? という印象を受けました。もしかすると伝承ではなく作者がいる可能性が高いのかもしれません。(尾原先生にぜひお聞きしてみたいところです。)

歩く、山、松、針(着物)、袖が揺れる(歩きに戻る)……と、詩のイメージの移り変わりが見事で、それでいて自然でなつかしいような感じがして、美しいなぁと思いました。本当に美しくて、涙が出そうになりました。



参考資料

今回、私の歌ったうたの資料
(尾原昭夫『日本子守唄集成』柳原出版)



↓こちらから再生 よかったらぜひ一緒に歌ってください。気晴らし、お暇つぶしに、少しでも役立てば幸いです。

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