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『孟子』尽心上217ー孟子と宋句践の対話 遊説の極意

◆全訳はこちら↓

*今回は、遊説家である宋句践(そうこうせん)との対話です。

孟子は、宋句践に言った。

「あなたは、遊説を得意とされるようですね。では私からあなたに、遊説について語ることにいたしましょう。

人があなたを理解してくれたとしても、満足して無欲であること。

そして、人があなたを理解してくれなくとも、満足して無欲であることです。」

宋句践は言った。

「では、どうすれば、満足して無欲にふるまうことができるのでしょうか。」

孟子は言った。

「徳ある人物を尊敬することです。そして、義を楽しむことです。
そうすれば、満足して無欲でいられるでしょう。

ですから、このような士は、困窮しても義を失わず、どれほど出世しても、道から離れることはありません。

困窮しても義を失わないのです。
ですから、士は、自分を見失いません。
そして、どれだけ出世しても、道から離れません。

ですから、民の期待が失われることもありません。

古の人は、志(こころざし)を達成したら、その恩沢を民にまで与えてやったものです。そして、志を達成できなくとも、自身の身を修めて、世間に立とうとするものなのです。

それに、困窮すれば、ただ自分の身だけは善であるようにします。そして、出世すれば、善を天下に広めるのです。」

*以上、『孟子』尽心上217ー孟子と宋句践の対話 遊説の極意


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