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『孟子』09―梁恵王下―孟子と斉の宣王の対話(3)庭園の大きさ
斉の宣王は質問して言った。
「周の文王の庭園は、四方七十里もあると言うが、本当だろうか。」
孟子は答えて言った。
「そのように伝わっております。」
宣王は言った。
「なんとも、そんなに広いとは」
孟子は言った。
「当時の民は、それでもまだ小さいと思っていたようです。」
宣王は言った。
「私の庭園は、四方四十里ほどしかないが…、民は、それでも、大きすぎると言ってくる。どういうことであろう。」
孟子は言った。
「文王の庭園は、四方七十里もありましたが、牧草や薪を集めに来た者が出入りしていました。それに、雉(きじ)や兔(うさぎ)を捕る者も出入りしていました。
文王の庭園、と言っても、民とともに利用していたのです。
民が小さいと感じるのも、無理はありません。
私は、初めて斉の国境を訪れた際、斉国での重要な禁則事項を尋ね、それからやっと入国できました。
このとき私は、郊外の関所の内側に、四方四十里の庭園があり、そこで鹿を殺した者は、殺人と同罪とする、と聞かされました。
これでは四方四十里にもわたって、巨大な落とし穴が、国内に作られたのと同じことです。
民が大きいと感じるのも、無理はありません。」
*以上、『孟子』09―梁恵王下―孟子と斉の宣王の対話(3)
【原文】
齊宣王問曰。「文王之囿方七十里、有諸?」孟子對曰。「於傳有之。」曰。「若是其大乎。」曰。「民猶以為小也。」曰。「寡人之囿方四十里、民猶以為大、何也。」曰。「文王之囿方七十里、芻蕘者往焉、雉兔者往焉、與民同之。民以為小、不亦宜乎。臣始至於境、問國之大禁、然後敢入。臣聞郊關之內有囿方四十里、殺其麋鹿者如殺人之罪。則是方四十里、為阱於國中。民以為大、不亦宜乎。」
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*ヘッダー画像:Wikipedia「孟子」
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