魯ー孔子が登場するまで1
覇者とは、周王の権威のもとに諸侯の盟主となった者をさす。後世、その代表的な人物を五覇と呼ぶ。この五人には諸説あるが、斉の桓公、晋の文公はいずれの説においても必ずカウントされている。
この春秋時代に見られた諸侯の同盟体制は近年、覇者体制と呼ばれている。言うなれば同盟の中の実力者が盟主となる、ごくありきたりな概念かもしれない。ただ、むしろ繻葛の戦いに敗れて以降の周王による新たな統治概念と捉えることはできないだろうか。この間、覇者のおかげで周王は存続できたのか、あるいは周王が覇者を