見出し画像

【イベントレポート】品川スタイル研究所2021 第2回公開企画会議「“品川港南”の「景色」〜イルミネーションでまちを繋ぐ〜」

日本有数のオフィス街としてオフィスビルが立ち並び、ここにしかない光の夜景が存在する、品川港南。冬になると、各施設のイルミネーションがさらに光の輝きをまちに加えます。

そんなまちの光の景色が、より一層「まちの誇り」となるように願いを込めて、このまちの未来に関心のある皆様、まちに関わる実践者の皆様と、「これからの港南の風景がどうあったら素敵か」をともに考え、意見を出し合い、そのために一緒にできることはなにか?ヒントを探るべく、2回の連続イベントを実施します。

今回の記事では、品川港南でイルミネーションを実施する団体・施設の皆さまをお迎えし、互いの共通する想いや実際にできそうなアクションのアイデアを語り合ったイベント 品川スタイル研究所2021 第2回公開企画会議「“品川港南”の「景色」〜イルミネーションでまちを繋ぐ〜」の内容をご紹介します。


品川スタイル研究所の紹介

1129_第二回公開企画会議スライド最終

品川スタイル研究所は、どのように街が変わっていくのか、その変化の過程をオープンにしながら、品川港南エリアの未来の姿を捉えるために2021年2月に立ち上がったプロジェクトです。港南をより良くするための第一歩を探していくことを目標に、3つのテーマ「働く」「景色」「育む」を掲げ、活動をしています。

今回は2つ目のテーマ「景色」について、港南エリアでイルミネーションを行っているみなさんにお越しいただき、一緒に何ができるか方向性・課題を出し合う公開企画会議です。
今回の会議をふまえ、約一ヶ月後には専門家もお呼びして実際にアイデアをまとめるセッションを行います。

スピーカー紹介

画像7

来年2022年以降の港南イルミネーション連結に向けて、下記の方々とディスカッションを行いました。

中嶋 信行 氏
ワールドシティタワーズ自治会副会長防災部長
飯田 昭夫 氏
シティタワー品川 共同代表理事
 面川 智治 氏
芝浦港南地区総合支所 まちづくり課 土木担当
 生方 徹 氏
渡邊倉庫株式会社 営業統括部長 兼 営業部長
江崎 舞 氏
コクヨ ヒューマン&カルチャー本部 働き方改革タスクフォース
吉原 孝 氏
日鉄興和不動産 賃貸事業本部 賃貸営業第一部 第一グループ 
兼 賃貸事業企画部 エリアマネジメント室 統括マネージャー
宮澤 紀菜 氏
品川シーズンテラス

また、モデレーターは、品川シーズンテラスエリアマネジメント事務局/株式会社花咲爺さんズ 代表取締役 加藤 友教と、ディスカッションには登壇者としても参加する品川シーズンテラス宮澤 紀菜が務めました。

共通の目的 ー「何の為」だと一緒にイルミネーションをやれますか?

1129_第二回公開企画会議スライド最終

飯田 昭夫 氏(以下、飯田 ):我々管理組合という立場では、自治体としてのバックアップ、住民としての意見は「港南に住んでてよかったな、面白いよね」と思えるようなアナウンスをしていきたいです。港南エリアの住人でオフィスビルに入るのって勇気がいる方も多いので、繋がるというテーマはいいですよね。

ーー繋がりのきっかけとして、どのような目的でイルミネーションを見せられるといいでしょうか。

江崎 舞 氏(以下、江崎 ):先日、コクヨ「THE CAMPUS」内のイルミネーションをテスト点灯しました。そのときに港南エリアの住人の方が寄ってこられたんです。テナントビルではなくコクヨオフィスというなかで、地域の皆様がハードルを下げて「入っていいんだ」と知るきっかけとして効果があると実感しました。街の方や社会と繋がりたいというコンセプトでTHE CAMPUSをつくっているので、ワーカーと住民が繋がって助け合いや地域のカルチャーが生まれるといいと思います。

1129_第二回公開企画会議スライド最終

生方 徹 氏 (以下、生方 ):イルミネーションで人を集めればいいだけなのか、街をよくしたいのか、軸を決めたほうがわかりやすいかと思いました。人が集まって明るい街だと企業側としても出資しやすいですね。

中嶋 信行 氏(以下、中嶋):目的の違いを理解し合って、できることをやるのがいいと思います。江崎さんがおっしゃった、繋がりたいという部分も「心を通わせる」という意味でもありますよね。ゴミを拾うというよりゴミを捨てないというように、地域のモラル向上のベースアップにもなると思います。イルミネーションは防犯やセキュリティ面としての目的であることも伝えられるとよさそうです。

ーー「街が良くなる」という内容をどこに設定するかという部分では、防犯面もベースに考えられるとみんなの共通目的になりやすいですね。

吉原 孝 氏(以下、吉原):防犯やモラル向上は共感できます。あとは、品川港南をより綺麗な街にし、住民にとってのロイヤリティを高めるのも目的だと思います。地域以外の方にも「イルミネーションといえば港南口」というイメージが広がれば、住みたい街、働きたい街になると思いました。

ーーイルミネーションをやるとき、安心安全をひとつの目的としてみんなで行うなかで、説明しやすいポイントはありますか?

吉原 :担当としては、イルミネーションなど感動的なときめきは、本来あるべきものとして共感できます。ただ、組織の中では合理的な説明が求められてしまうので「価値の向上」ということを示し、ワーカーの満足度に繋がることをアピールすると響きやすいと思います。実は、4年前品川インターシティでイルミネーションを始めたときも各社さまざまな考えがありました。そのときも何度もコミュニケーションしたのですが、お互いを知りながら本音で話すことがスタートになると思います。

1129_第二回公開企画会議スライド最終

宮澤 紀菜 氏(以下、宮澤)吉原さんの意見にとても共感できます。エリアマネジメントは何をもって良し悪しの評価をするのかが難しいと思っています。会社としてコストをかける明確な理由を持って行うという部分で、これまで積み重ねてできた地域のコミュニティや助け合いが、どれほどのメリットなのか意識しながら取り組むべきだと感じました。また、それぞれの目的やターゲットが違うなかで、「地域のためのイルミネーション」という部分は共通していると思いました。だからこそ、繋がることや防犯の重要性を感じます。

面川 智治 氏(以下、面川)港区としても安心安全な街づくりを推進しているので、防犯も重要な課題の一つです。利益目的というよりも、地域住民にとっての生活のしやすさが目的ですと出資もしやすいです。

港南全体のイルミネーションに、共通テーマを設けるとしたらどんなものが思い浮かびますか?

1129_第二回公開企画会議スライド最終

宮澤:品川シーズンテラスでは「テクノロジー」をテーマにしています。港南口はものづくり企業が集まっているため、ロボットを入れたりモーションセンサーで照明の色を変えたり、普段体験できないような最新技術を実現できるのが特徴の一つです。

面川:芝浦港南地区のイルミネーションは、水辺を選んでいます。その理由として、港南地区は運河が貴重な地域資源の一つです。地域活性化のきっかけとして運河でのイルミネーションを始めました。

江崎:繋がるというテーマとして「ツリー」などのモチーフを揃えて展開するのもわかりやすいかなと思います。また、「環境に優しい」をアプローチするのもテーマとしていいのではと思います。

中嶋:陸、海、空が揃った街なので、船や橋など立体感のあるイルミネーションを唯一やっている都市でもありますよね。

ーー街の特徴にスポットライトを当てるのは面白そうですね。自分の街のイルミネーションであることも感じやすいので、どう活かすかが目標となるかなと思います。

面川:企業主体でやるとテーマが決まりにくそうですが、地元の方の熱を募るのも手かなと思いました。

来年一緒にできそうな事、やってみたいことはありますか。

スクリーンショット 2021-12-11 13.01.09

中嶋:全世界の電気を一斉に止める「アースデー」のように、一斉消灯がお金をかけずに意味のあることとしてやりやすそう。企業も管理組合も一斉に何かをやるのは、繋がりとしてインパクトがあると思います。

江崎:繋がりとして、イルミネーションマップがあるといいかなと思います。

飯田:確かにマップいいですね。マンションとオフィスビルでは立ち入る規制に違いがあるので、マップを配布するとわかりやすいですね。

宮澤:まずは港南でイルミネーションをやっていることを地域の方が知ることから始まるかなと思うので、マップや地域に向けた案内の仕掛けができればと思います。あとは段階的ではありますが、フォトコンテストやInstagramでのハッシュタグで拡散してそれが広がると、ワーカーや住民にとっても嬉しいかなと思います。

ーー一斉消灯やマップは「繋がる」という意味でもわかりやすいですよね。

吉原:マップはできそうですよね。イルミネーションをやっていることは、ワーカーやその時間に来館した方しか知らないので、港南に住んでいる方に知ってもらうのが始まりかと思います。

生方:マップだけではなく、スマホアプリなどのテクノロジーで取り入れても良さそうですね。

ーー今回の公開企画会議で、まずは「繋がる」ことがファーストステップだと思いました。入口として、イルミネーションの一斉点灯・消灯など、一緒にできることや、「こんなところで繋がっているんだな」を感じられるようなことを起こす、具体的にはマップなど用いてわかりやすく地域の繋がりを表現するのがよさそうですね。

今日改めて「地域のために」の共通認識が確認できたと思うので、さらに次回Sessionにて繋がるためのアクションについて議論を深め、まずはできることから一つずつ、皆さんと来年以降の動きに繋げて行けたらと思います。

登壇者の皆様、ありがとうございました。
さらに踏み込んだ内容は、ぜひ動画を御覧ください。