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【イベントレポート】品川スタイル研究所2021 第1回公開企画会議「“品川港南”で「働く」〜より働きやすいまちになるために〜」

日本有数のオフィス街と呼ばれる、品川。
歳月をかけてまちの中で育まれてきた、ここならではの「ワークスタイル」と「働きやすさ」が、時代の移り変わりとともに変わり始めている。コロナ禍で加速したリモートワーク化で昼間人口の構成も大きく変わり、このまちにある「働き方」がさらに多様化し変わりつつある今。このまちの未来に関心のある皆様、まちに関わる実践者の皆様と“品川港南”の「より働きやすい未来像」をともに見つめ、意見を出し合いどんなアクションが今まちの中で必要なのか?ヒントを探るべく、2回の連続イベントを実施します。
今回の記事では、品川港南にご縁の深いまちの研究員の皆さまをお迎えし、地域で活動する上でのさまざまな観点から語り合ったイベント 品川スタイル研究所2021 第1回公開企画会議「“品川港南”で「働く」〜より働きやすいまちになるために〜」の内容をnoteにてご紹介します。

スピーカー紹介

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スピーカーとして、コクヨ株式会社 ヒューマン&カルチャー本部 働き方改革タスクフォース 江崎 舞 氏、シティタワー品川自治会 副会長/大成建設株式会社本社技術センター生産技術開発部スマート技術開発室 高井賢 氏、リブポート株式会社 シニアマネージャー 松田 ともみ 氏をお迎えしました。

江崎 舞 氏
(コクヨ株式会社 ヒューマン&カルチャー本部 働き方改革タスクフォース)
2011年九州大学大学院人間環境学府修了。同年コクヨに入社し、企業のイノベーションセンターやコワーキングスペースなどワークプレイスの設計・デザイン業務に従事しながら、2016年より社内プロジェクトであるTHE CAMPUSに企画として参画。2021年8月より働き方改革タスクフォースに所属。
高井 賢 氏
(シティタワー品川自治会 副会長/大成建設株式会社本社技術センター生産技術開発部スマート技術開発室 )
東京都出身。早稲田大学理工学部建築学科卒業後、大成建設株式会社入社。建築工事作業所での施工管理業務・作業所支援業務・設計支援業務などを経て、現在は建設機械の自動化やデジタルツイン技術を活用した建設などについての研究開発を担当。2019年〜2020年、東京大学i-Constructionシステム学寄附講座研究員。日本建築学会、土木学会、東京スリバチ学会、境界協会。一級建築士、日本オイスター協会オイスターマイスター。
松田 ともみ 氏 
(リブポート株式会社 シニアマネージャー)
大手総合物流企業のCRE部門にてキャリアを積んだ後、渡邊倉庫㈱に入社。同社新規事業となるシェアオフィス事業立ち上げに参画し、現在までにリブポート浜松町・リブポート品川の2拠点を開業。ベンチャー企業、大手企業のプロジェクト利用、グローバル企業の日本拠点利用のお客様など、さまざまな業種、ワークスタイルのお客様をお迎えし、賃貸業のノウハウを活かしてより愛されるシェアオフィス創りに努める。

また、モデレーターとして品川シーズンテラス 宮澤 紀菜と株式会社花咲爺さんズ代表取締役 加藤 友教が参加します。

誰でもアクセスできる場所/広い意味での公共空間、誰でも参加できるソフトコンテンツ

ーー今回、ディスカッションの対象にする「まち」は、品川港南エリアの広い意味での公共空間です。働き方というテーマだと普通はまずオフィスの中の話を考えますが、今回は、オープンスペースという観点からまちの働きやすさを考えていきたいと思います。

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ーー港南エリアの働きやすさについて、良いところや課題はありますか?

江崎 舞 氏(以下、江崎):3年ほど港南エリアで働いて利便性はあり、働きやすい街ではあると思うのですが、一方で、すごく無機質な街というイメージをもっていました。コロナを機に自宅でも働くようになると、ますます感じるようになりました。やはり隙きのある・人間らしさのある街になるとより働きやすくなるのかなと思います。

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ーーどのような瞬間に感じますか?

江崎:コクヨのオープンスペース『THE CAMPUS』ができたので、自然を感じられるのですが、休憩の際に天王洲方面まで行ったりオフィスでない場所に行くのは距離的に難しいなと思いました。
自宅では近くに公園があり、すぐに行ける環境なので……。

宮澤 紀菜(以下、宮澤):働く環境としてシーズンテラスしか知らない私にとっては、イベント広場で家族連れやワーカーがいてという環境なので、ワーカーにとっては生活を感じられる点は良いかなと思っています。

江崎:そのようなコミュニティがあるのはうらやましいですね。

高井 賢 氏 (以下、高井):私の本社は新宿なのですが、昼間働いてるビルの下に家族連れが遊んでいるという状況はありえないので、面白い街ですよね。
品川港南口は2万人もの人口を抱えている街なので、オフィス街だけではない二面性という点も港南エリアの良いところだと思います。
住みやすいという点が働きやすさに繋がるのと思います。

ーー地域に住まわれている方と企業が混ざり合うと、より多くの人が品川の住みやすさや働きやすさ、歴史を感じられそうですね。

江崎:運河から先は学校も公園もあるという発見をきっかけに、そのような場所を港南口付近にもあればいいな、という思いでTHE CAMPUSが誕生しました。いままで気づかなかった視点やサラリーマン以外の方とも関われる機会が増えましたね。

松田 ともみ 氏(以下、松田):THE CAMPUSのパークのように250種類以上の植物があるような贅沢な空間はなかなかないですよね。そのためいつも休憩で利用しています。
品川シーズンテラスも久々に行きましたが、街全体の回遊性が改善できればと思います。大型ビルの先に運河のある街なので、ワーカーにとって運河の先まで行くのはハードルがあるように感じます。
あとは、オフィスのあり方が語られた一年で、わさわざオフィスに行って仕事をするだけではなく、アイデア整理にも上手く活用できるとよりオフィスに出社する意味も高まるのではと思います。

近くで働いている人の姿、見えますか?

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ーーリモートワークが進むなかで、先輩の近くで教わる機会が少なくなったり、会話をして「人を感じる」環境が減っているのではと思います。どのようなコミュニティがあればいいと思いますか?

松田:『LIB PORT』では、どう感染症の予防をするか、クラスタになるリスクを徹底的に排除する施策を行う一年でした。
そのためシェアオフィスの醍醐味であるイベントの開催が叶わずにいました。
今後の取り組みとして、皆様の関心やビジネスに繋がるイベントをしていけたらと思います。とはいえ小難しく考えるのではなく、みなさんの関心事をキャッチした企画ができればと思います。ランニングサークルなど。

ーーイベントをするにしても企画の仕方が変わってきていて、ポイントを探るのが課題のようですね。

江崎:社内では、コロナ禍で入社した子たちから「寂しい」という声があがっており、どのようにコミュニティをつくるかが課題です。あとは、サークル活動も社内だけではなく港南エリアの企業や地域の方にも募って繋がりができればと思っています。

宮澤:外部との関わりがないのはもちろん、社内でも自分の業務以外の学びや吸収の機会が少ないのを感じています。一社会人としての働き方に関して不安はありますね。

高井:飲み会など対面でのコミュニケーションは何事にも代えがたいので、それがしにくいのは残念ですよね。毎年10月はじめは、内定式などでリクルートスーツ姿の方たちを微笑ましく見ていたのですが、それもなくなったのが残念に感じます。

最後に:港南でよりいいところを伸ばすには?

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高井:各デベロッパーや企業が共通点をもって同じ方向に目を向けたり、住民と共に住みやすい街をつくれば働く方にとっても居心地がいい街になるのではと思います。

江崎:回遊性をどう生み出すかの仕組みを考えられたら良いですね。各社大きなライブラリを持っていると思うので、それを出し合ったり専門性の高いノウハウを持った方にお話を聞けたら楽しそうだと思いました。

松田:職住接近のエリアなので海外の方のお話も聞いてみたいです。日本だとどうしても今までのワークスタイルから概念を取って新しいアイデアをデベロッパー同士で考えるのも限界がありそう。なので、成功している事例を海外に目を向けると類似のポイントが見つかりそうです。

登壇者の皆様、ありがとうございました。
さらに踏み込んだ内容は、ぜひ動画を御覧ください。

ーー今回の公開企画会議で出た内容を元に次回のSessionに進んでいきます。今回お話した内容は「繋がり」というキーワードと2つのテーマにまとめてみました。次回のSessionではこちらを元に品川港南の「まちの働きやすさ」を向上させるヒントを探っていきます。引き続き、お楽しみください!

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