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【イベントレポート】品川スタイル研究所2021 第2回Session「“品川港南”の「景色」〜イルミネーションでまちを繋ぐ〜」

日本有数のオフィス街としてオフィスビルが立ち並び、ここにしかない光の夜景が存在する、品川港南。冬になると、各施設のイルミネーションがさらに光の輝きをまちに加えます。

そんなまちの光の景色が、より一層「まちの誇り」となるように願いを込めて、このまちの未来に関心のある皆様、まちに関わる実践者の皆様と、「これからの港南の風景がどうあったら素敵か」をともに考え、意見を出し合い、そのために一緒にできることはなにか?ヒントを探るべく、2回の連続イベントを実施しました。

品川港南の「景色」に関して、前回「公開企画会議」で見つけた今まちにある声や想い、課題を受けて、今回のSessionではそれら課題を解消し夢見る港南像を実現するにはどんなアクションができそうかともに紐解きます。

今回の記事では、イルミネーションの専門家の方々をお迎えし、地域で活動する上でのさまざまな観点から語り合ったイベント、第2回Session「“品川港南”の「景色」〜イルミネーションでまちを繋ぐ〜」の内容をご紹介します。

品川スタイル研究所の紹介

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港南エリアのオフィスに通われる方の働き方や地域の方のライフスタイルの変化をきっかけに、港南エリアの街が変わってきています。
品川スタイル研究所は、どのように街が変わっていくのか、その変化の過程をオープンにしながら、品川港南エリアの未来の姿を捉えるために2021年2月に立ち上がったプロジェクトです。

活動開始2年目となる2021年度は、港南をより良くするための第一歩を探していくことを目標に、3つのテーマ「働く」「景色」「育む」を掲げ、活動をしています。

今回は「景色」について、前回の公開企画会議で出た方向性・課題をふまえ、実際にアイデアをまとめるSessionを行いました。

ゲストスピーカー紹介

前回の公開企画会議で、「繋がる」をテーマにイルミネーションを連結させるという案が出たことから、今回のSessionでは、その実現に向けて、下記の方々をゲストに迎えてディスカッションを行いました。

矢野 大輔 氏
照明デザイナー/Tokyo Lighting Design LLC代表
山崎 学 氏
株式会社コマデン クリエイティブスペースカンパニー課長

また、モデレーターとしてNTT都市開発株式会社 商業事業本部 商業・ホテル開発部担当課長 岡本 篤佳 、品川シーズンテラスエリアマネジメント事務局/株式会社 花咲爺さんズ代表取締役 加藤 友教が参加しました。

現地観覧者紹介

また当日は、下記の方々を現地観覧者として迎え、様々な意見を頂きました。

古屋 公啓 氏 
港南振興会事務局長/港区観光大使
中嶋 信行 氏 
港南小学校PTA会長/日本マイクロソフト株式会社
高井 賢 氏
シティタワー品川自治会 副会長/大成建設株式会社
土田 恭四郎 氏
ソニーグループ株式会社(SGC)HQ総務部
地域渉外・行政グループ 渉外担当マネジャー

ディスカッション①街のイルミネーションを連動させる

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ーー前回の公開企画会議では、一斉消灯(点灯)・イルミネーションマップ・スタンプラリー・フォト企画を行い、「繋がる」をテーマにイルミネーションを連結させるという案が出ました。

山崎 学 氏(以下、山崎):一斉消灯(点灯)はキャッチーで、イルミネーションマップに「毎日何時に一斉消灯(点灯)」と書かれるだけでも繋がりが生まれそうですね。ただ、一斉点灯は複数のものが同時に視認できないと意味がなく、完全同期させるとコストもかかります。ですが今回のように離れた場所でやるなら、1〜3秒程度ズレはあっても問題ないかなと。
また、色や形(モチーフ)も特注でつくって合わせると、品川港南エリアならではのカラーが統一できそうです。

ーー 一斉点灯における多少のズレは問題ないので、コストをかけずに行えそうですね。

山崎:仕組みの面で必須なのはイルミネーションタイトル。
例えば「ひかりの共演」「ひかりの王国」「ジュエルミネーション」「光都東京ライトピア」というように各所イルミネーションにタイトルがついています。品川港南エリアでもキャッチコピーは必須かと思います。

矢野 大輔 氏(以下、矢野):まずは港南エリアでイルミネーションをしていることを知ってもらいたいですよね。公開企画会議で出ていたイルミネーションマップ案は、WEBサイトのほかパンフレットがあると便利だと思います。
港南エリアには名だたる技術系の企業がたくさんあるのに、外部の方だと品川のイメージがパッと浮かばない人も多いはず。企業名だけではなくアーティストとして打ち出すと、外部の方々にも目に留まりやすいのではと思います。

岡本 篤佳 氏(以下、岡本):品川の強みである企業の活動からも「品川らしさ」を出して繋げられそうですね。イルミネーションには「色」のトレンドもあるのでしょうか。

矢野:電球色やシャンパンゴールドがスタンダードななか、2021年は希望を持つような光の演出をしたい気持ちもあり、カラフルな煌めきがトレンドでした。

ーー例えば、港南ブルーというように「水辺や運河がこんな色になったらいいな」といった願いを込めてライトアップしたり、みんなで点灯色を考えてもよさそうですね。

ディスカッション②"品川港南”の強みを照らす、共通テーマ

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ーー先程、品川の特徴がパッと浮かばないという話がありましたが、品川の強みをどう活かせそうでしょうか。

山崎:前回の公開企画会議より、陸・海・空・モノレールというキーワードをいただきました。それらからオリジナルの共通モチーフをつくると繋がりや街の景観も活かせ、特別感やテーマへ繋げられるかなと思います。

岡本:今ある街の強みだけではなく、イルミネーションをきっかけに新しい品川の強みができそうですね。

矢野:地元の人が知っている品川の特徴を引き出しつつ、品川という属性がない人と一緒に作り上げると、それぞれが別の新たな視点に気づけると思います。みんなで街を歩いてみて「ここを照らした方が良かった」など意見を出し合えたらよさそうですね。自分たちも知らないいいところをあぶり出すのが大切かなと思います。

ーー公園や桟橋・水門などのイルミネーション、奥行きが感じられる丘陵地はいかがでしょうか。

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矢野:水門ってあまり見たことがないので、歴史ある場所を照らすのはいいですよね。プラットフォームとしては、歴史や特徴があればやりやすいです。ゼロから生み出すよりも、そこにあるものを活かして強調するのが光のデザインのひとつの在り方かなと思います。

山崎:イルミネーションも矢野さんがやられているライティングと一緒で、対象がないと難しいです。例えば、樹木があれば樹木の形、建物ならエッジを見せるというように。平坦な場所の例ですと、東京ミッドタウンにて芝生エリアで宇宙をテーマにしたイルミネーションをお手伝いしました。なので、平坦な丘陵地でもテーマがあればやりやすいかなと思います。

ーー運河や水辺、海のエリアごとの特徴を捉えてオリジナルの色やモチーフなどを揃えられると面白そうですね。駅前は駅前の良さもありますし、ポイントごとに特徴を見直せられればと感じました。

岡本:集客のためのイルミネーションが多いなか、ワーカーや地域の人が楽しむイルミネーションとして、ビルの上から見た景色で満足感が得られると品川の特別感が感じられそうですね。

矢野:品川に水辺があるというイメージがあまりなかったので、「水」がキーワードであることは新たな発見でした。船やバスを使った光の演出ツアーのような企画があると、いろいろな職種の方が携われて面白そうですね。

クロージング・第一歩目、何から始める?

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矢野:港南エリアについて知らないことがたくさんあったので、ようやくスタートラインに立てました。夜の品川は人が少ないイメージがあるので、今回をきっかけに品川の街が活性化するような仕掛けができればと思います。まず第一段階として、イルミネーションマップから始めたいですね。

山崎:イルミネーションはその土地土地で一つとして同じものがありません。その場所にあったイルミネーションをさまざまな形で展開していくなかで、また関わらせていただけると嬉しいです。

岡本:大変参考になるお話をありがとうございました。この会議で終わることなく次のステップに活かせたらと思います。

ーー頂きましたいろいろなアイデアをもとに来年一歩踏み出せたらと思います。

登壇者の皆様、ありがとうございました。
さらに踏み込んだ内容は、ぜひ動画を御覧ください。